芝増上寺のカヤ
樹木は、それを見る目的で出かけない限り、観光目的で出かけてもなかなか記録することはない。この増上寺のカヤ(榧)も、増上寺南端の目立たない位置にあり、今回、普段見落としていることを意識してわざわざ見に行った。目通りの直径1.3m、周囲4m、樹高25mだが、大木感はない。しかし樹齢は600年。この地に増上寺が開かれた慶長3年1598年には、すでに自生していた樹木になる。港区の指定文化財(天然記念物)である。
カヤ(榧)は成長の遅い樹木として知られる。それだけにこの太さで樹齢600年という計算になるのだろう。この地に増上寺が開かれた慶長3年1598年当時、この木はまだ細く、今以上に目立たない存在だったのではないか。
カヤは温帯に育つ常緑の針葉樹。成長が遅いということは緻密な材質。現在では碁盤や将棋盤に使うことが知られるが、縄文時代、縄文人が丸木舟に使ったのはこの木だ。なお説明板では榧の北限を関東地方とするが、以下に男鹿半島の事例を張って置くが東北地方でも見られるようだ。
アクセス 都営地下鉄三田線芝公園下車、徒歩5分。三解脱門の左手。目立たない旧方丈門を通り左手へ。
増上寺のカヤ 2007/10撮影 「巨樹と花のページ」より
関東の巨木リスト 「巨樹と花のページ」より
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