馬洪 社会主義市場経済の特徴 1994/05/17
鄧小平是社會主義市場經濟理論的奠基人 在青島一次會上的講話 馬洪經濟文選 中國時代經濟出版社 2010 pp.223-227, esp.225-227 (なお写真は傳通院山門 2020年6月20日撮影)
(この文章は鄧小平を称えた文章の中の一節。1994年であるから馬洪がすでに74歳のときの文章。鄧小平を議論した部分も興味深い。鄧小平は「計画経済が主で市場経済が補」という党の十二大の提起から一歩進めて「社会主義と市場経済の間には根本矛盾は存在しない。問題はどのような方法を用いることが社会生産力を発展させるに有利かだ」として党の十二届三中全会で社会主義は公有制の基礎上で計画のある商品経済だとして、社会主義市場体系を推し進めることを改革の任務として定めたとする。また1989年のあと姓社姓資論争が起きると、社会主義と資本主義を分けるのは計画か市場かではないとして、社会主義もまた市場経済を用いて経済を発展できると主張し、(論争を終結させて)党の思想を解放し社会生産力の発展を導いたとしている。また鄧小平の社会主義市場経済理論の背景には4つのファクターがあったとする。一つはソ連東欧社会主義建設失敗の教訓を受けたこと。一つはわが国(中国)の改革開放の成功の経験の総括。一つは西欧資本主義国家が実行した市場経済の現実経験に学んだこと(藉鑒)。一つはわが国(中国)の理論工作者が内外の経済体制研究の科学的成果を吸収したこと。この馬洪の言い方はバランスが取れていて、好感をもてる。こうした記述の上で社会主義市場経済を論じた以下の文章がくる。そこで社会主義を公有制と共同富裕で特徴付ける観点が示される。まず集団所有が公有制と置き換わることを示唆している。ここは一つの妥協として、しかし収入格差の拡大には、馬洪は明らかにとまどっている。)
p.225 社会主義市場経済は社会主義制度下の市場経済を指す。運行方式から見るなら、中国の社会主義市場経済とその他の国家の市場経済の間にはいかなる大きな区別もない。鄧小平同志はかつて明確に指摘した。「社会主義の市場経済方法は、基本的に資本主義と似ている。」と。たとえば(譬如):(1)いずれも会社法人を核心とする現代企業制度を実行している。独立した企業を市場の主体としている。(2)いずれも競争的な市場システムをもっている。(3)いずれも有効なマクロ調整システムが必要である。(4)いずれも市場媒介服務システムを持っている。(5)いずれも社会保障システムをもっている。(6)いずれも市場経済法律システムをもっている。など。このように言える。その他の国家の市場経済同様に、中国の社会主義市場経済の中で、市場は資源配置の過程で基礎的作用を発揮する。ミクロ領域の活動では、市場に行ってできることは、できるだけ市場に行ってするように。政府の作用のうち主要なものは、積極的で公平な市場競争のために良好な条件を作り出すこと、併せてマクロ調節を通して国民経済の持続的、快速、健全(健康)な発展である。
では中国社会主義市場経済の中で「社会主義」は一体どのように体現されるのか?あるいは中国社会主義市場経済の主要な特徴は一体なにか?経済的角度からみて「社会主義」は以下の二つの方面に主に体現されている。
第一に公有制が主体であること。これは資本主義国家が私有制を基礎とすることと違っている。ここで言う公有制とは、国家所有制を含む、また集団(集体)所有制と合作経済を含む。その点で改革前のあの主要には国家所有制とは違っている(不像)。発展の趨勢からみると、集団所有制と合作経済の比重は、これからますます大きくなる。もしも国家所有制も市場経済の要求に合わせて改革を進めるなら、その比重もまた低下する、かつ主要には市場が有効性を失う(失靈)所で作用を発揮しはじめる。具体的には直接国家の安全に関係する(国防部門のように)、なお自然独占(城市の公共(公用)事業)、社会公益性が強いもの(環境保護、大型基礎設備建設)、情報が重く非対象であるもの(金融の一部、医薬部門)などの領域で作用を発揮始める。中国の実践が表明するところでは、改革後の公有制は、特に集団、合作経済は市場経済と有効に結合している。集団そして合作経済を主体とする郷鎮企業改革後10数年で何もないところから、目下中国工業総生産価値の3分の1以上を占めるに至ったことは、力を込めて説明するところである。所有制の構造からみると、非公有制の成分が一定の比重を占めており、主体を占める公有制にあっても、市場経済と親和的な(兼容較好的)集団と合作経済成分はますます重要な作用をしている。企業の所有制構造からみると、大多数の企業は、とくに競争的産業の企業は、多種類の会社制度のもとにあり多様な所有制形式が併存しており、公有制が主であるとしても。支配株・参加株など多種類の形式が混合した構造となっている。
第二に効率が重視され、収入の差異は適切に開くと同時に、最終的に共同富裕が達せられること。我々は、過去の平均主義を行い大鍋飯を食べるやり方を改めた。一部の人、一部の地区が合法経営の基礎でまず豊かになることを奨励している。同時に我々は収入の差異が消極性をもたらす可能性に注意し、効率とともに公平を重視し、「両極分化」を防止克服し、最終的に共同富裕の目標を実現する。中国は世界で人口が最も多く、大多数の人口は農村に居住している。(中国は)経済発展がとても不均衡な国家であり、都市と農村の間,沿海と内地の間には大きな収入格差が存在する。市場経済発展が始まってから、異なる階層の間の収入の差異の問題も出現している。このような問題を解決できなければ、厳重な社会経済の混乱が起こりうることも、容易に理解できる。さらに言えば、収入格差の拡大や「両極分化」これらは我々が市場経済を行った最初の狙い(初衷)とは違っている。もしも社会のメムバーが経済発展の成果を公平に受け取ることがなければ、我々が市場経済をしたことが成功したことにならない。それゆえに我々はこの最初の分配で効率原則を堅持して市場規則に従って事を進めるが、別の一面では、収入の再分配において、現代市場経済の中で行われる税収、移転支払いなどの手段を用いて、収入の差異を調節、個人所得税、遺産税を実施する。この問題において、我々には、有効な手段を用いて資本主義国家よりさらに良く行う十分な理由がある。この数年間、平均主義的大鍋飯がなお完全に改められないと同時に、収入の差異が過度の拡大する問題が出現している。これは我々が十分注意すべき問題だ。
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