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project finance by Adam Hayer from Investopedia プロジェクトファイナンス
Adam Hayer, Project Finance, Investopedia 2022年10月6日閲覧(抄訳)
プロジェクトファイナンスは、ノンリコース(訳注 特定資産担保:債務不履行時に債権の遡及権の範囲を限定するもの:ノンリコース)言い換えれば限定されたリコースの資金調達の仕組みを使う、長期のインフラ、産業プロジェクト、公共サービスの資金調達方法funding(financing)である。プロジェクト資金を調達した債務と株式は、プロジェクトが生み出すキャッシュフローにより支払われる。
プロジェクトファイナンシングは、プロジェクトの資産、権利、利子を二次的担保として保有しているが、返済のため根本的にはprimarilyプロジェクトのキャッシュフローに依存する貸付の仕組みである。会社が主要プロジェクトについてオフバランスシート(OBS)で資金調達できることから、プロジェクトファイナンスは民間部門にとくに魅力的である。
鍵になる点
・プロジェクトファイナンスは、インフラやその他長期の資本に注力したプロジェクトの公共的資金調達を含んでいる。
・プロジェクトファイナンスはしばしばノンリコース言い換えれば、限定されたリコースという資金調達の仕組みを使っている。
・ノンリコース貸付の債務者は、資産の差し押さえを超えて、いかなる追加の支払いも求められない。
・プロジェクトの債務は、典型的には主流でなく重要でないような子会社により所有されており、その株主(事業主体)のバランスシートには統合されていない(すなわちそれはオフバランスシート項目である)。
プロジェクトファイナンスを理解する
BOT(build, operate and transfer 建設運営後譲渡)プロジェクトのためのプロジェクトファイナンスの仕組みには、多くの鍵となる要素がある。
BOTのためのプロジェクトファイナンスは、通常、特別目的ビークルを含んでいる。その会社(ビークル)の唯一の目的は、ほとんどの側面を建設や運営の契約を通じて下請けすることにより、プロジェクトを遂行することである。目的の新たな建造物が建設される間は全く収入の流れはないので、債務サービス(元利返済)は運営段階で初めて生ずる。
この理由から、関係者は建設段階で大きなリスクを取っている。この段階の唯一の収入の流れは、一般的にオフテイク合意(off-take agreement:将来の生産物の買い取り約束)たとえば電力購入合意のもとにある(すなわちまだ収入の流れはない)。プロジェクトの出資者に対して、リコースは限定されている(債務不履行時の遡及権はビークルの資産に限定されている)が、会社の株主はその株主持ち分の範囲で責任があるものである(つまり出資者の責任も有限責任の範囲ではある)。プロジェクトは、出資者と政府にとりオフバランスシートにとどまっている。
重要 すべてのインフラ投資がプロジェクトファイナンスで資金調達されているわけではない。多くの会社が、このようなプロジェクトを引き受けるために、伝統的な債務あるいは株式を発行している。
オフバランスシートプロジェクト
プロジェクトの債務は、特徴として主流でない子会社に保有され、その株主(事業主体)のバランスシートには統合されていない。このことは、株主(事業主体)の既存の債務費用や債務余力へのプロジェクトの衝撃を弱める。株主(事業主体)は、その債務余力を他の投資に自由に使うことができる。
(事業主体としての)政府は、プロジェクトファイナンシングを使い、プロジェクトの債務と負債をオフバランスシートにすることで、財政の拡張(fiscal space)をある程度抑えている。fiscal spaceとは、政府が、健康、福祉、教育のような公共サービスに既に投資したものを超えて支出する貨幣量のことである。(プロジェクトにより実現される)強い経済成長が、より多くの働く人々とより多くの税の支払いを生み、政府が税収の追加から貨幣を得るという理論は、政府に公共サービスへの支出をさらに増やすことを可能にしている。
ノンリコースファイナンシング
会社がローンについて債務不履行したとき、リコースの資金調達の場合は、貸し手たちに、株主(会社)の資産とキャッシュフローに(債務の)全額請求権full claimsを与えている。対照的に、プロジェクトファイナンシングでは、プロジェクト会社として有限責任のSPVを選択しているdesignates。かくしてプロジェクト会社が債務不履行した場合、完遂・成果保証・担保を含めて、貸し手のリコース(遡及請求権)はプロジェクトのアセットに根本的には限定されている。
(以下略)
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