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鄧子恢 農業の社会主義改造 1953年11月

(これは1953年11月2-3日、中共福建省第二回代表大会での鄧子恢の報告。新民主主義の時代は終わり、社会主義への過渡に移ったと明確に述べている。しかし同時にそれが毛沢東の認識の変化によるもので、毛沢東の認識は1953年の5月から9月にかけて次第に明確になったものであることも明記している。それに合わせて新民主主義が終わった時期を1949年10月の新国家成立時にさかのぼらせている。しかし変化の認識で毛沢東に同意しながら、鄧子恢は社会主義化が急激に進むことは想定していないことを続けて述べる。他方で市場の機能や価値規律といった問題への関心は希薄であるのが彼の議論の限界だろうか。鄧子恢自述 人民出版社 2007年 pp.182-244 なおこのときの質問に答えた部分では、過渡期を新民主主義と呼ぶことが対外的に都合がよい面もあるとし、言葉にこだわらず大事なことは、社会主義改造が進んで情況が変わってきていることだとしている。参照 esp.pp.234-235)

p.182 第一の問題:過渡時期の党の総路線 
 同志諸君は新聞紙上ですでに見ているが、この問題はいつ提出されたか?5月に提出されたもので、工代会の時に、劉少奇同志の講話のなかに提出されている。目下我々は、新しい時代、新民主主義から社会主義への過渡時期にある。現在はまさに過渡時期である。
 まず何を過渡時期と呼ぶかを明確にしたい。私が思うに同志諸君はみな、中国革命が二段階に分かれることについては明確である。頭の第一段階(階段)は新民主主義革命であり、第二段階は社会主義革命である。頭の第一段階では次の一段階のために、準備工作を行う。準備の上、次の一段階では、社会主義的条件を実行する。頭の一段階、新民主主義革命段階はすでに終わった、すでに完了し、過去のものだった。
 何を新民主主義革命と呼ぶのか? それは資産階級民主革命である。任務はなにか? 反帝,反封建、反官僚資本主義であり、これは七大のときにすでに確定している。1949年10月1日中央人民政府が成立、国内戦争は基本結束、ここに新民主主義革命は基本収束した。中国資産階級の民主革命の任務はすでに完成し、革命は成功した。
 この段階はとても長く、「五四」運動の開始にはじまり、1919年から1949年まで、まるまる革命30年、当時は反官僚資本主義、反「買辦」また反官僚資本主義に対する反対はなく、すべては反帝反封建だった。革命後30年たった。もし旧民主主義革命から数えるなら100余年たった。「五四」以前は旧民主主義革命、資産階級が指導する民主革命であり、「五四」以後は新民主主義革命で、無産階級が指導する資産階級の民主革命であった。
 (中略)
   (新民主主義の時期は)1949年基本終わった。それから3年工作。昨年に至りすでに完全に終わった。残りもきれいに粛清された。この一点はぜひ明確にされねばならない。
 これは過去にはこのようには言わなかった。これは今年(1953年)5月に毛主席が提起したもので、当時はこのように明確ではなかった。6,7,8,9月を経て明確になってきた。毛主席はすでに何度も言っている。泥水をかけることはない。現在はすでに新民主主義ではない。新民主主義はすでに歴史的な名詞になっている。新民主主義革命はすでに成功し、任務はすでに完成し、その時期はすでに過去のものになった。同志諸君も明確にされたい。我々は過去明確でなかった。新民主主義を過渡時期と思っていたが違った。新民主主義は旧時代で、すでに過去のものなのだ。
 (中略)
 過渡時期すなわち社会主義に至る過渡、社会主義は如何にするのか?何を社会主義と呼ぶのか?社会主義は生産資料の所有が社会所有となることであり、社会人民の共有になることである。これは私有制度と対立的であり、それゆえ社会主義と私有制度とは長期にわたり同時に併存できず、私有制を消滅させることが必要である。一時期併存はできるが、長期は併存できない、長期併存するものは社会主義ではない。我々は一面で社会公有財産を発展させる、これが社会主義の建設である。他面で様々な方法で私有制度を改造する。それゆえに党は過渡時期の総路線を提出した。
 総路線の具体任務は二つある。一つは社会主義工業化を少しずつ実現すること、一つは農業、手工業、私人資本主義工商業の社会主義改造を少しずつ実現することである。一つは社会主義建設であり、一つは社会主義改造である。(中略)
 これには何年必要か?これは来年再来年実現するのか?毛主席が命令すればすぐに実現できるものか?そうではない。これは命令できるものではない。多くの年数が必要だ。おそらく五か年計画が3回。15年前後あるいはもっとかかる。全国で社会主義工業化が基本完成し農業、手工業、私人資本主義工商業の社会主義改造が完成するには。(以下略)

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福光 寛  中国経済思想摘記
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