与野の大カヤ
このカヤ(榧)は後一条天皇(在位1016-1036)の長元年間(1028-1037)に植えられたものとされる。その後、鎌倉時代にカヤの木のそばに禅宗建長寺派の寺が建てられ、カヤの木も神木として大事にされ金比羅天も祀られていた。応永15年1408年の春、時の寺僧周如禅師が法華経を信ずるようになっていたところ、鈴谷郷の金毘羅天による、明日、高僧がくるからその教えに従うようにとのお告げがあった。時を同じくして下総中山の日英上人に鈴谷郷の金毘羅天による、鈴谷で布教するようにとのお告げがあった。上人はさっそく身支度して、鈴谷に至った。そして周如禅師と会い、互いに霊感があったことを話し法論を重ねること数日、周如禅師は日英上人の弟子となって寺を改宗することとし、寺の名前を妙行寺(法華道場)に改めるに至った。
このような改宗の経緯からであろうが、妙行寺は日蓮宗の寺院であるが、金比羅堂が大カヤの傍に祀られている(見出し写真で大カヤの傍にあるのは金比羅堂である)。「増上寺のカヤ」と比較すると、こちらの大カヤは推定樹齢約1000年とされ圧倒的な大木である。また応永年間(1394-1427)にすでに大木として知られていたものが今日なお存在することに軽い驚きを禁じ得ない。根回り13.5m、目通り7.28m、高さ21.5mの巨木である。国の指定天然記念物。
大カヤは妙行寺の駐車場の中心に植えられており、四方から姿を観察することができ、容易に様々な姿を拝見できる。
アクセス 埼京線南与野西口下車、北上すること徒歩10分。
与野の大カヤ 2006/02撮影 「巨樹と花のページ」より
関東の巨木リスト 「巨樹と花のページ」より
新日本名木100選 「巨樹と花のページ」より
与野の大カヤ 2014/06撮影 「出会った巨樹」より
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