syndicated loan explained by CFI シンジケートローン
CFI Team, Syndicated Loan 2022年10月4日閲覧
シンジケートローン(協調融資)
シンジケートローンは、大きな借り手に信用を供与するため共に働く貸し手グループにより提供される(貸付である)。借り手は、会社、個別の事業(プロジェクト)、政府がありうる。シンジケート(共同事業を行う個人あるいは企業の集団)内の貸し手は、貸付額の一部に寄与する。貸し手全員が、貸付リスクを分担する。貸し手の一人が幹事the manager(とりまとめ銀行arranging bank)として行動し、シンジケート内の他の貸し手のために貸付を管理する(administers)。シンジケートは、貸し手と借り手との交渉での合意により異なる返済条件をもつ様々なタイプの貸付の組み合わせでありうる。
ローンのシンジケーション(シンジケート化 集団事業化)は、単一の借り手が大額の(100万ドル以上の)貸付を必要とするとき、(あるいは)その貸付が貸し手のリスク量の活動(scope)範囲外であるか、の場合に生ずる。そこで貸し手たちは、リスクを分散しspread資金調達の機会を分けることを許すシンジケートを作る。それぞれの貸し手の責任は、全貸付中の自身の持ち分に限定される。シンジケートの全メンバーの合意は、ローンの合意書に収められている。
シンジケートの参加者
ローンのシンジケーションの参加者はデイール(案件)ごとに異なるが、典型的な参加者には以下が含まれる。
とりまとめ銀行arranging bank
主幹事lead managerとして知られる、とりまとめ銀行は、借り手により、その貸付の特定の合意条件に基づく資金調達を組織する権限を付与されている。とりまとめ銀行は、貸付シンジケートに進んで参加し、貸付リスクを分担する、その他の貸付参加者を獲得せねばならない。とりまとめ銀行と借り手との間で交渉された資金調達の条件は、条件書term sheetに含まれている。
条件書には、貸付額、返済スケジュール、利子率、貸付の存続期間duration、そして関係するその他の手数料すべての詳細が書かれている。とりまとめ銀行は、貸付の大きな割合を保有し、その他の貸し手の間のキャッシュフローの分配に責任を持つ。
代理人agent
代理人はシンジケートローンにおいて、借り手と貸し手の間の連結管の役割を果たしている。そして借り手と貸し手の双方に契約上の義務を負っている。貸し手にとっての代理人の役割は、シンジケートローンのもとで貸し手の権利が行使できるようにする情報を提供することである。しかし代理人はいかなる受託者責任fiduciary dutyもないし、借り手あるいは貸し手にアドバイスも求められない。代理人の勤めは、主として事務的dministrativeである。
受託者trustee
受託者は貸し手のために、借り手の資産の担保権の保全責任がある。シンジケートローンの構造は、個々の貸し手に担保権を与えることを避けている。というのはそうすることはシンジケートにとり費用がかさむからだ。債務不履行の際に、受託者は貸し手の指示に従い、担保権の執行に責任がある。それゆえ受託者だけが、シンジケートにおいて貸し手に対して受託者責任がある。
シンジケートローンの長所
以下はシンジケートローンの主たる長所である。
1)時間と労力の節約
借り手は、貸付条件の交渉に際して、シンジケートの貸し手全員に会う必要はない。借り手は、貸付条件を交渉し合意するのに、ただ、とりまとめ銀行と会うことが必要である。とりまとめ銀行(the arranger)は、それから、その他の銀行を着席させて、彼らと貸付条件を議論して、(個々の)貸し手がどれだけの貢献をするかを決めるという、シンジケートを成立させるための大きな仕事をする。
2)貸付条件の多様化diversification
シンジケートローンは、多数の貸し手が貢献するものであるので、様々なタイプの貸付と証券で、貸付が組み立てられることがある。変化する貸付のタイプは、固定あるいは変動利率といった異なるタイプを提供することで、借り手にはより柔軟となる。また異なる通貨による借入は、インフレや政府の法律や政策といった外部要因による通貨リスクから借り手を保護する。
3)大きな金額
貸付シンジケーションは、借り手がとくに資本を必要とする事業に、大きな金額を調達するため借り入れることを可能にする。大会社や政府は、大きな設備のリース、合併、それに通信、石油化学,鉱業、エネルギー、運輸などにおける資金調達取引のため、大額を借り入れることができる。単一の貸し手では、このような事業の資金を調達することはできないだろう。何人かの貸し手を使うことは、このような事業を遂行する資金調達を容易にするのである。
4)(借り手の信用)評価への好影響
借り手の事業に多数の貸し手が参加することは、借り手の好ましい市場イメージを強める。(また)過去においてシンンジケートローンを成功裏に支払った借り手たちは、貸し手の間で好意的評価を受けており、(そのことは)今後、金融機関からの信用の便宜にアクセスすることを容易にする。