
ショートが上手く振れない
●ヘッジファンドの株式ロングショート戦略やCTAの実運用で時々聞いた話で、どちらかと言うとボヤき話。あきままはトレーダー経験はありませんから「ふ〜ん、そんなものかぁ〜」で終わりましたが、今になればもっと深く聞いときゃ良かった話。
●株式ロングショート戦略と言うくらいですから、ロング(買い持ちする銘柄)とショート(空売りする銘柄)を選びますが、市場全体あるいは銘柄が属するセクター(業種や規模など)全体の騰勢や下落勢いに影響されないような配慮も必要です。ロングバイアス、ショートバイアスを意識した戦略もありますし、個々の株式ペアで仮にニュートラルでなくても戦略全体では市場の方向性を狙わない、銘柄選定によるアルファを取る、それもロングした銘柄とショートした銘柄の価格差の歪みを見つけなくてはいけません。
●株式ロングショート戦略は必ずしもショート銘柄が下がる必要は無く、またロング銘柄が下がっても大丈夫です。あくまでもロング銘柄とショート銘柄の現在価額の差が、企業分析や株価状態からみると歪みを生じており、やがて市場取引をとうして株価が理論株価や本来あるべき価額に向かう事で、価額差が発生して差が拡がることを狙ってます。でも中にはロングした銘柄よりショートした銘柄が値上がったなんてありました。
CTAではプット(先物の売りつけ。価額が下がれば利益獲得の機会)した指数や投資対象が下がらないことには損失が出ます。こいつが値上がったら不味いので一定水準を超える損はいわゆるロスカットをしてます。
●実はロングもまともに振れてないのかもしれません。証券分析なんてその程度のもので理論株価よりも、動物的な勘があたりそうです。ヘッジファンドリサーチ社が出す戦略別の儲かった順ランキングでも必ずしも上にロングショートが居たわけではないです。令和のトレーダーさん、ファンドマネジャーさん、今はいかがですかね?
【注釈】CTAとは、コモディティ・トレーディング・アドバイザーの略称。先物等を駆使してコモディティや為替、エネルギーなどに投資する手法や運用を指します。