![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/172779220/rectangle_large_type_2_64efe78318ec7f1324174fc0411cd15c.png?width=1200)
72の法則と対数グラフ
●資産運用の世界で時々「72の法則」(Rule of 72)という言葉を耳にされたことはないでしょうか? 金融情報中央委員会の「知るぽると」によりますと「おカネが2倍になる期間が簡単にわかる便利な算式」とあります。例えば年金利18%でおカネを借りた場合、この法則の「72」を年金利「18(%)」で割ります。72÷18=4となります。約4年で借りたおカネが倍になることが大まかにわかります。同じ数式を使うと「72」を期待する年利回りで割ると、資産運用で資産が2倍となる年数をざっくり計算することができます。
●冒頭のグラフで答えが見えていますが(笑)、100円の資産運用で毎月元本が4%づつ複利で成長する運用(冒頭のグラフの水色)と、毎月7円づつ成長する運用(冒頭のグラフのオレンジ色)、どちらが資産がふやせるでしょうか? 短期的には7円づつ成長が有利ですが、開始から27か月を経過した時点でほぼ同じ、これを超えると毎月元本が4%づつ複利で成長する運用が有利になります。これオレンジ色が悪いというのではなく、期間が相対的に長い場合には毎月の複利効果が出やすいと考えます。資産運用における複利効果が大きいこと、いいかえると毎月分配金や配当金で受け取った場合には複利効果が期待できないとお感じになりませんでしょうか?。
●冒頭のグラフは2つありますね。左側は目盛りが均等のよくあるグラフです。青色が右側の時間の経過とともにぐいぐい傾斜がきつくなるように見えます。資産運用であれば毎月運用成績が向上しているように見えますが、計算上は「毎月元本が4%づつ複利で成長する」だけです。経済雑誌やネット記事でグラフを見る機会がありますが、目盛りがどうなっているか、落ち着いて確かめてください。仮に前月比較+7円でも、
10円の資産が前月比7円増えたのか、
100円の資産が前月比7円増えたのか、
1,000円の資産が前月比7円増えたのか、
これ、同じ成長とお感じになりますか?
それだけではありません、起点となる年月はいつなのか?、相場全体が良い時期から始まっていませんか? 冷静に、自分が納得できるまで観察されることをお薦めします。断片的な情報提供による投資判断は決して好ましい判断とならないとお感じになりませんか?
で、右側のグラフは「対数グラフ」と呼ばれるものです。一番下の目盛りは10、中ほどが100、上が1,000です。え?これ何に使うの?、対数グラフの良いところは「増減率」が一定の場合には、直線に見えます。右側の「対数グラフ」では、100円の資産運用で毎月元本が4%づつ複利で成長する運用(冒頭のグラフの水色)は直線で右肩上がり、と、毎月7円づつ成長する運用(冒頭のグラフのオレンジ色)は時間経過とともにだんだん傾きが小さくなっている放物線に見えます。つまり毎月の成長率は小さいことが視覚的にわかります。
●対数グラフはマイクロソフトEXCELで簡単に出せます。昔はコクヨの方眼紙で対数グラフ版もありました。先ほどの72の法則とともに、資産運用(借り入れも)における効果をご自身の眼で確かめてみてはいかがでしょうか?
【参考文献】
72の法則とは|知るぽると (金融広報中央委員会)
【おことわり】この文書は情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や推奨を目的としてません。当方は投資助言や金融資産のお預かりや仲介など一切行いませんし、資金の貸し付けもおこないません。グラフの値は説明だけの目的であり、このような資産運用商品も与信商品も存在しません。仮に利率を保証する金融商品があったとしても税金や諸費用等があり、説明したような値になる保証はありません。複利効果が資産運用として成功するなんていう保証も示唆も一切できませんし、この文書の正確性も保証できません。投資は自己責任です。焼き鳥屋あきままは金商業者でも貸金業者でもありません。