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2023千葉ロッテマリーンズ、吉井監督の采配を考察する(3)

この週末(4/14-16)のバファローズ戦でとりあえずパリーグのチームとの対戦が一通り回りました。
この「采配を考察シリーズ」もとりあえず一旦締めます。

オリックス・バファローズ戦(4/14-4/16)

ゲーム前から話題になっていました 佐々木朗希 v.s. 山本由伸
伝説になるであろう 2023WBC準決勝の試合から、まだ一カ月も経っていませんが、2人は同じ日に登板しているので、ここで直接対決が見られるのもある意味必然性があります。以外にも、初のマッチアップです。
去年のチャンピオンチームを相手に、勝って勢いをつけたいところです。

1ゲーム目(4/14)雑感:先発 佐々木朗

小川が "特例2023" で抹消、代替選手で唐川が昇格しました(嬉しい)。
キャッチャーは佐藤都。ファーストに茶谷が入りました。

マリーンズ先発の佐々木朗は5回までパーフェクト!三振の山を築きました。一方、バファローズの山本はヒットを打たれるも後続は抑える、というピッチング。
試合が動いたのは4回。山口、安田の連打で、1,3塁のチャンスを作り、ポランコは凡退するも、茶谷が三遊間を抜ける渋いヒットを打ちました!
先発起用された選手が期待に応えるのは、監督も嬉しいでしょう。

佐々木朗希の投球ですが、6回に初の出塁(四球)を許し、ヒットも打たれ2,3塁のピンチを招くも、後続を三振、フライアウトに仕留め無失点で切り抜けました。球数は90、交代かなという雰囲気でしたが、次の7回も投げ、この日は7回105球無失点で投球を終えました。7回の続投については、『朗希はこのチームのエースにならないといけないんで、苦しいところを経験させたかった』とあえて負荷の掛かる試練を与えたと述べていました。

この試合で面白かったのは、8回益田の継投策
スタジアムがざわついたのが、TV中継を観ていても分かりました。
打順の並びも考慮して、今日はこの方がいいと判断した、とのことです。
3連投はさせない方針がありますし、複数が9回に投げられる状態にすることは大事です。9回は澤村が締め、サワムラーナ・ポーズが見られました。

2ゲーム目(4/16)雑感:先発 種市

土曜日の試合が、大雨で午前中に中止が決定。先発の予定だった小島は一回飛ばしですかね(翌週のファイターズ戦の初戦でした)。

この日の試合は、相手の宮城が良かったです。チャンスらしいチャンスは、3回のみでした。1死1,3塁のチャンスに藤原が粘ってヒット。続く友杉に、セーフティースクイズのサインがでましたが、投手の前に転がり失敗。
得点できませんでした。最終スコア1-2で敗れましたので、この攻撃が勝負のカギになったのでしょう。

種市は5回途中までで、被安打4,1失点。三振は6つですが四死球も多く、96球と増えました。6イニング投げてほしいところです。
この日は継投した投手がみんな抑えて良かったです。
唐川は、今季初登板をしっかりと抑えました。

マリーンズの課題はどうなった?

この連載の最初に開幕前のマリーンズの課題として、3つ挙げました。
以下の3点に、着目しました。

  1. 主軸となる打者は誰か

  2. ショートをどうするか問題

  3. レギュラー捕手をどうするか

主軸はどうなる問題

『平安藤原時代』という言葉が開幕早々に出てきました。荻野貴の怪我もあり、平沢・安田・藤原の高卒ドラ1トリオが試合に出続けています。
特に藤原は首位打者争いに加わるほど好調です。長く維持してもらいたい。逆に平沢は最初のホームランのインパクトは強くても、打率1割では厳しそう。出塁率が3割あるので、9番としての仕事は出来ていますが、レギュラーとして残るには、打率.250 が最低ラインでしょうか。
安田は長打と打点をもう少し欲しいですね。
それ以外の選手では、4番を打ってる山口。まだホームランは出ていませんが、良いところで着実に打点は稼いでます。いずれホームランも出るでしょう、早く見たい。

ショートをどうするか問題

喜ばしいことに長年の懸念だったショート問題は、解決しつつあります!
藤岡とルーキー友杉の二人体制で出ていますが、二人ともに打率3割超えて調子が良い。打率.250 打てるショートがいなくて、非常に低レベルな争いだった去年までが嘘のような、ハイレベルの争いをしています。
この2人は開幕からずっと併用で起用されています。ショートという負荷の掛かるポジション、藤岡は怪我明け、友杉はルーキーだし、という判断のようですが、監督が違えば、調子の悪い中村奨吾に代えて友杉をセカンドで起用するプランも出てきそうです。この辺り、どのように変化してくるのか今後の采配に注目です。

レギュラー捕手をどうする問題

松川は2軍に行きました。打てていなかったし、今は2軍で鍛え直すべきと判断されての事だそうです。キャッチャーとしての基礎をレベルアップするのはもちろん、一軍では佐々木朗希や、石川・美馬といったベテランと組む機会が多く、キャッチャーとしての能力を発揮しなくても、投手の力でなんとかなっちゃう場合が多いが、二軍の未熟な投手を相手にした場合でも、苦心しながらリードして、その投手の能力を引き出せるようなキャッチャーの力を身につけて欲しい、とのことです。
当面は、田村と佐藤都の二人体制で出ることになるでしょう。
打順は8番、負けてたら終盤に代打を送られる感じです。


吉井監督の采配全般について

采配についての雑感や、リリーフ投手の継投についてもまとめておきます。

◆ リリーフ投手について ◆

7回ペルドモ、8回澤村、9回益田。これが僅差で勝っている試合の基本パターンですが、絶対ではなく連投を避けたり8回に益田を送る、フレキシブルな采配も見られています。
セーブ・シチュエーションの9回は、益田か澤村に任されるようです。

その次のグループとして、小野、坂本、西村、そして唐川あたりが使われていきます。この辺りは、打者及び負担を考えて順番に登板機会が与えられそうです。回の途中で交代するときは、坂本の出番が多いです。
また、中森や横山が二軍に行ったように、一・二軍の入れ替えも今後増えてくるでしょう。その辺りのマネージメントにも注目です。

◆ 攻撃の作戦は ◆

『早い回はビッグイニングを目指すが、どうしても1点欲しいときはバントのサインも出す』これが基本的な方針の様です。佐々木朗希が投げていたら、大量得点は必要ないので先制点を取りに行く。終盤に3点差にしたいから1点を取りに行く。というようにハッキリと意図がわかるバントのサインが多くみられます。盗塁数は今のところそれほど多くはありませんが、今後高部が一軍復帰したら増えてくるでしょう。

◆ 吉井采配まとめ ◆

吉井監督の采配は見ていて面白い。それが、開幕から10数試合を見た、率直な感想です。試合後のインタビューで作戦の意図も分かりやすく説明があったりして、その辺りも好評です。
勝負どころの見極めが上手い、監督の起用に応える選手が目立つ。
というのも、今のところの特徴です。後者は、具体的には友杉、茶谷、平沢ですね。これは、今たまたま上手くいっているだけ、という事もあり得ますので、今後を見守りたいと思います。

次回は、交流戦が始まる前くらいにまとめようと思います。
ではまた。


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