ブラジル/レンソイスの思い出
インスタグラムを何気なく見ていてブラジルのレンソイスの景色が投稿されていた。懐かしい。あの様な独特の風景は行ったことのある人なら写真を見た瞬間にそこだと分かる。
ブラジル駐在時代に連休を利用してブラジル国内を旅行した。イグアスの滝、リオデジャネイロ、クリティバ、レンソイス、サルバドール。どの観光地も日本にはない風景、文化、人々の暮らしが息づいていて思い出すと生々しい記憶が蘇ってくる。
ブラジルの国土は広い。赤道を跨いで北はベネズエラの国境から南はウルグアイの国境までほぼ南米の半分を占める。勤めていた造船所はウルグアイの国境まで陸路で5時間程度の場所だった。レンソイスは最も近い空港のあるサン・ルイスからバスで5時間程度かかったと思う。着いた先が宿泊先のホテルでそこから更に2時間だったか3時間だったか。もう忘れた。そのサン・ルイスの空港までも住んでいたアパートから5時間バスに揺られ空路で首都のブラジリア経由で2回のフライト。ドアツードアで1日半はかかったと思う。バスを降りて泊まるホテルに一旦荷物を置く。ジープに分乗して海沿いの砂漠までの道のりが印象的だった。わずか数十メートルの幅の川を渡るのにはしけを使う。橋がかかっていない。はしけに乗る順番を待つ間の時間潰しに川岸にはちょっとした売店があった。軽い飲み物が売ってあった。はしけで川を渡ると後は舗装されていないガタゴト道をひたすら走った。平坦な道が続いて最後に丘の砂丘が見えた。そこでジープを降りて池(?)が点在する砂丘を歩いた。広さはどれくらいだろう。東京23区と比較していた気がするのでまあそれくらいの規模だろう。砂つぶが風に飛んでいく。風が作る砂紋が少しずつ変化していく。その砂丘が果てしなく続く。ジープを降りた場所が帰りの待ち合わせ場所なので方向を見失わぬ様気をかけながら歩いた。夏の季節なので裸足で歩く。風が気持ち良い。日本では考えられない広大な砂丘が続いている。
最も印象的だったのがホテルへの帰りのジープでの出来事。すっかり遅くなり暗闇の中をライトを頼りに前へ進む先に原住民の姿が見えた。曇っていたからなのか月の光もない全くの暗闇の中懐中電灯もつけずに歩いていた。慣れた道とはいえ暗闇の中をどうやって進むのだろう。未開の土地ならではのことだろう。人間本来の五感の能力をまざまざと見せつけられた様な気がした。普段から自然に接し感性を高めよう。裸足で歩こう。そう思った。
注:写真はイメージです。レンソイスへ向かう途中必ず使うはしけが丁度写真の様な感じでした。