デジタル・デンマーク① 超キャッシュレス事情
奥さんの大学院留学に帯同するため、会社を辞め、デンマーク第2の都市オーフスに住んでいるひぐちです。
デンマークは550万人しかいない小国ですが、実はかなり経済・社会のデジタル化が進んでいます。そんなデジタル・デンマークが日常生活的にどんな感じか、数回に分けて紹介したいと思います!
第1回はデンマークの超キャッシュレス事情です
日本では消費税アップに伴い、キャッシュレス決済による還元祭りがあったようで、キャッシュレス時代の幕開けっ!のようですね。ここデンマークはかなり一足先にキャッシュレスになっていて、ほとんど現金を見ることがありません。
こちらの人は、ほとんどの人が非接触型のチップが埋め込まれたデビッドカードかクレジットカードを持っているので、お買い物をする時にはピッっと端末に触るだけで決済をしています。
クレジットカードの端末がない場合の支払いや個人間の送金では、mobilepayというスマホやQRコード/数字の番号を使った送金が一般的なので、スマホでパパッと支払いを済ませられちゃいます。
なので、デンマークではキャッシュを使っているシーンをほとんど見かけません。
実際、僕もデンマークに来てから3ヶ月間で、合計250件のお買い物をしましたが、そのうち現金払いは10回もありませんでした(※)。その中でも絶対に現金じゃないとダメだったのは、コペンハーゲンの日本大使館で支払う手数料だけでした・・・。なんかダサすぎる(T-T)
※僕の趣味は、家計を複式簿記で記録する事なので、過去の支払い方法が全部わかるようになっているのです。
なんでそんなにキャッシュレスなのだろうか?
デンマークでは、1983年の時点でDankort という銀行口座直結型のデビットカードがすでに提供されていたので、歴史が長いと言うこともあると思いますが、個人的にはデンマークの究極な「割り勘文化」という国民性が大きい気がします。
友達との食事は当たり前のように割り勘、バーでお酒を買うときは自分の分だけを買う、デートですら綺麗に割り勘するらしい。この場合、現金で正確に割り勘にすると細かい現金が必要になって結構面倒くさい。そこで各々がクレジットカードを出して決済したり、mobilepayで1クローネ単位で決済する合理的な方法が好まれ、広がったのではないでしょうか。
一方で、日本はどちらかというと、誰かがお金を集めて一人が支払う「立替え文化」と先輩や男性が支払う「奢り文化」が主流かなぁと思います。細かいお釣りはどんぶり勘定で調整しちゃうので、現金でもそこまで煩わしさを感じません。それよりも現金の安心感が勝るのでキャッシュレス化が浸透しなかったのかなぁ。
そんな国民性の差を考えると、今回のキャッシュレス決済による還元祭りは、割引や還元が好きな「お得文化」の日本には適した政策なのかもしれないですね。
緊急でキャッシュがいる時の備えがちょっと面白い
本当にキャッシュレスが当たり前なので、財布にも家にも現金がないデンマーク人が結構多いそうです。現金がまったくなくて大丈夫なのかなぁと思ったら、緊急の備えがちゃんとあるそうです。
それは....
これ
そうビールです。大事なのは中身でなくて空き缶。
デンマークでは空き缶・空き瓶をお店に返すと1本あたり1〜3クローナ返金されることになっています。なので、緊急時にはビール1ケース分を一気に飲み干して、24本の空き缶を返却すれば、24クローナ(約400円)確保できるのだ!
24本も飲むとかなり酔っ払う気がするのですが、ビール好きなデンマーク人にとっては、とても合理的な緊急手段でした。(もちろんビールでなくてもいいけど・・・)
「デジタル・デンマーク その2」は、多分デンマーク版マイナンバー(CPR)についてお送りしようと思いますが、不定期なので気が向いた時に投稿しまーす。
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