デジタル・デンマーク メイン銀行を変えるのが驚くほど楽ちんだった話
実は先日、メインで使っている銀行、いわゆるメインバンクを変えました。
これまで利用していたのはNykredit。
デンマークの大手銀行のひとつで、住宅ローンに強みがある銀行です。
Nykreditで個人事業主用の口座を作った際に、個人口座も一緒に開設したのですが、地味に口座維持手数料や振込手数料がかかるのでちょっと不満でした。
しかも、問い合わせをしたら返事が来ないことも度々。
そんな時、デンマーク人の友達から「Lån & Sparが良いよ」とおススメしてもらったので調べてみました。
すると、Lån & Spar は顧客満足度1位で人気な銀行らしい!
(出典: Mybanker 調査結果)
しかも僕が所属している組合「Prosa」と提携しているので、組合員は色々な会員特典があるじゃん!
というわけで、組合経由で Lån & Spar にコンタクト。
担当者とのやりとりを経て、先日無事にNykredit から Lån & Spar への切り替えを果たしたので、銀行開設&変更手続きで感じた驚きポイントをご紹介!
デジタル化が進んだデンマークならではっ!なポイントもあります。
驚きポイント① 銀行開設手続きには数ヶ月かかる
僕が Lån & Spar にコンタクトしたのは6月末。
そこから担当者から電話があり、必要な書類をオンライン提出したのが7月初旬。
ところが、
「書類審査はオッケー!口座開設とNykreditからの切替手続きの詳細説明をしたいから、オフィスに来て欲しいのだけど・・・。これから夏休みに入っちゃうから、続きは8月中旬ね!」
と言われてしまい、一旦中断 (苦笑)
まぁ、彼が復帰してからの手続きは非常にスムーズで、直ぐにネットバンクが作られ、1週間もしない内に銀行カードが届きましたが、申し込みから2ヶ月ぐらい要した感じです。
以前👇の記事でも紹介したことがありますが、デンマークでは銀行口座開設には少なくとも1ヶ月、長いと3ヶ月ぐらい時間がかかります。
残業をしないデンマークでは、当然ながら銀行担当者も残業をしません。だからキャパが限られているので、待ち行列が長くなってしまうのです。
一旦手続きが始まると比較的スピーディなのですが、日本のように即日で銀行口座を開設することはできません。
驚きポイント② 完全ペーパーレスな手続き
開設手続きに必要な提出資料はすべてオンラインで提出します。
提出と言っても、MitID(モバイルアプリを使ったマイナンバーカード)で認証をすると、SKAT(税務署)やNykreditの現口座から必要な情報を持ってきてくれます。
日本だと当たり前になっている、名前入力・住所入力もありません。マイナンバー連携で自動的に入力されるからです。
唯一の作業は、パスポートと健康保険証(Yellow Card)を自分で撮影してアップするところだけです。
最後、口座を開設する際はさまざまな契約書や同意書に署名する必要がありますが、これもMitIDを用いたオンライン署名。
口座開設と口座切替手続きの詳細説明があったのでオフィスに行きましたが、本当に説明だけで、その場で何かに署名したりすることはありませんでした。
どちらかというと、コーヒーを飲みながらおしゃべりしつつ、Lån & Sparの紹介と、僕が将来的に自動車ローンや住宅ローンを利用しそうかどうか知りたかったような感じでした。
完全ペーパレスで手続きが完了するのは、さすがデジタルデンマーク。
驚きポイント③ 自動で切り替わる「給与の振込先」
メイン銀行を変える中で一番面倒なのは、給与の振込先を変更したり、クレジットカードや水道・ガス・保険などの請求書の引き落とし口座を変更することだと思います。
日本ならひとつひとつ変更手続きをしないといけないのですが・・・
デンマークでは何もしなくても自動変更!
まず給与の振込先。
デンマーク企業の多くは、給与を Nemkontoに振り込むことが一般的です。
Nemkonto というのは、マイナンバーに紐づいている銀行口座。
日本だと公金受取口座と呼ばれ、政府や行政から税金の還付や補助金を受け取ることができます。
デンマークでは、公金だけでなく、給与も受け取ることができるのですが、Lån & Spar が銀行変更手続きと合わせて、Nemkontoに紐づく銀行口座も自動的に変更してくれます。
これで僕も会社も何もしなくても、給料はNemkontoを通して、僕の新しい口座に振り込まれます。
すごーい!
なお、企業によっては、直接銀行に振り込む場合もあります。給与振込先がNemkontoか直接銀行口座かは、給与明細に記載されています。(直接銀行に振り込まれる場合は会社に連絡して振込先を変更してもらう必要があります)
驚きポイント④ 「請求書の引き落とし」も自動変更!
もちろん、請求書の引き落としも自動変更です。
デンマークでは、Betalingserviceというサービスを介して請求書が発行されることが一般的。
だから、Betalingserviceに登録している銀行口座を変更するだけで、請求書の引き落とし口座を一括変更できちゃうのです。
もちろんLån & Spar が自動で手続きしてくれたので、僕は何もしていません。
組合費の引き落とし、クレジットカードの引き落とし、保険の引き落とし、全部自動で切り替わりました。
これはめちゃくちゃ楽ちんだ!
驚きポイント⑤ 旧口座は自動的に解約
Lån & Spar が口座変更手続きを進めてくれるのですが、Nykreditが僕の預金を新しい口座に移管するのが最後のステップ。
Lån & Spar の担当者からは「1ヶ月ぐらいかかるかも」と言われていましたが、2週間でNykreditからドカンっと入金があり、思ったよりも早く完了しました。
その際、Nykreditからは年初からの取引明細書が送られてくるだけで終了。
口座にアクセスすると、「口座は解約しました!以上! 」と表示されたので、自動的に解約手続きもされていたようです。
かなりドライな別れ方ですが、9月分の口座維持手数料は払わなくて良かった✌️
MobilePayと月々の家賃は自分で変更
自分で作業しないといけなかったのは、「MobilePayの入金受け取り口座の設定」と「家賃の自動振込設定」でした。
MobilePayというのは、携帯番号とモバイルアプリを使った送金サービス。
デンマークでは友達とのお金のやりとりはMobilePayで送金するのが普通なので、送金された時の入金口座を設定しておく必要があります。
これは、アプリ上で設定し直さないといけませんでした。
我が家の家賃は、前述のBetalingservice経由ではなく、大家さんの銀行口座に直接振り込む形式。
Nykredit口座では、月末に定期送金するように設定していたので、同じ様な月末定期送金をLåns & Spar 口座でも設定し直しました。
でも、いずれもアプリやオンラインバンクで変更・登録できたので、とても簡単でした。
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さて、実際に新しい銀行口座へ給与が振り込まれたり、請求書の引き落としがされるのは今月末。
正しく手続きされるかドキドキしていますが、Lån & Spar だと、口座維持手数料は無料だし、国内の振込手数料もありません。
しかも、組合員特典で、普通預金の利息金利がなんと5%!
(正確に言うと、預金額の50,000クローネまでは利息5%、50,000クローネを超える預金の利息は1.25% - 執筆時点)
Nykreditの利息は1%だけだったので、単純計算で5倍もお得ではないか。
こんなに簡単に銀行口座を切り替えられるならもっと早く変更すれば良かった😅
なお、組合員になると得られるメリットは👇の記事で紹介しています。