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ソフトウェアの価値とは
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ソフトウェアとは
物理的なハードウェアに対するときのソフトウェアとは、ハードウェアを制御する仕組みであり、プログラムやデータ、設定、運用などで構成される物理的実体を持たないシステムです。簡単に言えば、システムの物理的実体以外のものです。
ソフトウェアは名前の通り、柔らかいものです。ここで「柔らかい」という意味は、自由にその姿を変えられ、自由に機能を変えられることを示しています。これは素晴らしいことです。しかしそれが故に、硬直したハードウェアの尻ぬぐいをさせられることになりました。これは歴史的悲劇です。
しかし歴史が変わりました。今やソフトウェアがシステムの全権を握っています。ハードウェアはソフトウェアの下請け、部品になりました。テレビでもそうです。テレビの基本機能はハードウェアで実装していますが、それを制御するエンジンはソフトウェアです。電源スイッチでさえ、ソフトウェアの思うままです。
ソフトウェアによる価値とは
権力がハードウェアからソフトウェアに移ったことにより、今までにない価値が生まれました。ハードウェアの硬直した単機能から、ソフトウェアによる自由で木目細かな機能を提供できるようになりました。その機能さえもユーザが自由にカスタマイズできるようになりました。
それだけではなく、機能が常時修正され、常時追加されるようになりました。ネットワーク経由で自動的にこれらができるようになり、知らない間にバージョンアップしていきます。
これは逆に考えれば、完璧には完成していない機能も早期にリリースして、その後に修正・追加ができるようになりました。この早さこそが重要な価値です。
価値とは
ここではソフトウェアの価値を考えていきます。前節で紹介したソフトウェアに特化したものではなく、一般的な価値です。究極的にはユーザの満足、さらに社会全体の満足になります。ただし個人的な満足と社会的な満足は相反する場合もあるかもしれませんので、そのときはトレードオフを考えていきます。
ソフトウェアによるユーザの満足はどこにあるでしょうか。ソフトウェアによる機能でしょうか。機能の使用によってユーザに与える効果でしょうか。これが主流かもしれませんが、副次的なものとしては使いやすさやユーザインタフェースなど多岐に渡るものがあります。
上記のもの以外には、例えばソフトウェアの品質標準として、SQuaREがあります。この中には製品品質や利用時の品質、データ品質があります。特に利用時の品質の主特性に満足性があり、その副特性として実用性、信頼性、快感性、快適性があります。
でもこれらのものを計測するのは困難です。特に定量的な計測をするのは難しいです。だから評価もできません。価値の評価は定量的な計測ができない限り、主観的な評価になってしまいます。簡単に言えば、満足度をアンケート調査のようなイメージです。
ソフトウェアの価値とは
ソフトウェアの価値はハードウェアと比較した場合は、この柔らかいという点で価値があることを見てきました。このときに柔らかいためのデメリットには触れてきませんでしたが、もちろんあります。例えば、遅いという欠点があります。またいつでも修正できるということで、あまりにも未完成のものをリリースするという困った性癖もあります。
ソフトウェアの価値は一般の物と同じにユーザの満足、社会の満足があります。しかしこの満足は計測が難しく、アンケート調査がせいぜいです。その代替手段としては、使用頻度や問い合わせやSNSなどでの注目度などのマーケティング手法を使うこともあります。
ここで言えるのは、ソフトウェアの価値は機能だけではなく、機能品質だけではないことです。これだけは心に留めておいてください。
ということで今日の結論。「ソフトウェアの価値はユーザの満足」 以上です。
マンガFAQの引用元:ソフトウェア開発分析データ集2022 | 社会・産業のデジタル変革 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
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