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アジャイルって厳格なの?(IPAソフトウェア調査5)
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IPAのアンケート調査からは厳格なアジャイルは少なく、多くは非厳格なアジャイルになっています。これはどうなのでしょうか。いい加減な場合が多く「なんちゃってアジャイル」が多いかもしれません。しかしそうでないかもしれません。
前節:ソフトウェア開発の内製化 次節:未公開
アジャイルは厳格?
アジャイルソフトウェア開発は厳格な規則に基づいて実施するものでしょうか。それとも方針を決めて緩やかな規則で実施するものでしょうか。どちらが幸せなアジャイルでしょうか。
IPAの調査「2023年度ソフトウェア開発に関するアンケート調査」(*) によれば、厳格なアジャイル開発は少なく、多くは非厳格なアジャイルでした。ここではこの調査をもとに見ていくことにします。
(*) この調査は2023年12月から2024年1月にかけて、私が担当していたアンケート調査です。
なお今年度も実施中(2024年度ソフトウェア動向調査、1/31まで)です。
厳格なアジャイルは少ない
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(IPAの調査データを基に筆者が分析)
IPAの調査からは実に7割が非厳格なアジャイルのみを採用しています。逆に厳格なアジャイルのみを採用しているのは2割です。
このように日本のアジャイル開発は厳格なものではなく、多くが非厳格なアジャイル開発です。
日本人は厳格な規則が好きです。たぶん。いい加減な運用は嫌います。たぶん。アジャイル開発でも、日本人はきっちりとした厳格なアジャイルが好きです。・・・てあれ?前節の結果からはそうではありません。
非厳格なアジャイルは「なんちゃってアジャイル」?
前節の結果から、以下の意見があります。
日本のアジャイル開発が失敗するのは、厳格なアジャイルが少なく、いいかげんなアジャイル、いわゆる「なんちゃってアジャイル」が多いからです。
日本発祥のスクラムもあるのに・・・
この意見は正しいのでしょうか?一見すると正しく思えますが、「そもそもアジャイル開発は厳格な規則で縛るのではなく臨機応変に対応するべき」という意見もあります。
もちろんこれに対する反対意見として「アジャイルの厳格な規則は運用を効率よくするためのものであり、臨機応変な対応を推進するためのもの」もあります。つまりメタ規則なものです。
このように色々な意見がありますが、確実に言えるのは、非厳格なアジャイルにはなんちゃってアジャイルが含まれることは事実です。そして厳格なアジャイルにはなんちゃってアジャイルは含まれません。もちろん、儀式化したアジャイルはふくまれますが。
清く正しいアジャイルとは?
それでは清く正しいアジャイルとはどんなものでしょうか。
この答えも「状況による」というものでしょうか。この政治家的発現では当たり前すぎておもしろくありません。(先に言い訳するのも政治家です)
日本では、アジャイルと言えば「スクラム」です。スクラムが流行っていますが、本当に流行っているのは「スクラム的」なものです。非厳格なスクラム的なものが流行っています。これがIPAのアンケート調査でも出たのでしょう。
清く正しいアジャイルはアジャイルの理想を追い求めることになりますが、これは日本では厳格なアジャイルに分類されるものでしょう。たぶん。
でもこれが答えにならないでしょう。「現実的」「過去との接続」というキーワードが必要になります。「厳格」がこれに反しない限りの厳格がちょうどいいでしょう。
ということで今日辺りの結論「アジャイルの厳格は適当に」以上です。
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