DXの決まり手は
DXの決まり手はてんでんばらばら
DX推進をするときの決まり手はなんでしょうか。DX推進で成功した企業が推進活動を振り返ってみると、その成功の決まり手は「あれ」だったと思うものがあるでしょう。
決まり手はDXを始めたきっかけに大きく依存します。きっかけが会社に迫る危機であれば、社長から社員まで一丸となって変革したでしょう。この一丸となったことが決まり手です。このようなドラマ的なきっかけでなく周りが始めたから自社でも始めたという消極的なきっかけで成功したのは、きっと運が良かったのでしょう。決まり手は強運なのでしょう。
同じきっかけでも会社の状況で決まり手は違います。新しいサービスが受けいられる素地があれば、新サービスが決め手になるでしょう。製品の生産性を革命的に向上させたことが決まり手になることもあるでしょう。
DXの決まり手を事例から見つけるのは無意味?
つまりDX推進の決まり手は状況に応じて千差万別であり、唯一の決まり手はありません。DX成功の事例を読んで、その決まり手を真似することはいい手ではないでしょう。もしカイゼンレベルのものであれば、事例の模倣は効率の良い手段になる場合がありますが、変革を目指すDXではそれは難しいでしょう。
それではDX事例を読むことはあまり意味がないのでしょうか。そこから決まり手を見つけることは有効ではないのでしょうか。
そうではありません。そこになんらかの共通の事例、もっと言えば、底に流れる考え方があります。これを取り入れることが自社の決まり手を見つけることに繋がるでしょう。これを次節で見ていくことにします。
事例から学ぶDXの決まり手
DXの成功事例では、DXを始める背景とそのきっかけ、目的、具体的な課題、変革の対象とその必要性、DX推進策の立案、実行手段、実行状況、結果、反省などの興味深い情報があります。これは役に立ちますので拝読をお勧めします。(参考)IPA製造造分野DX事例
事例の文底に流れるDX推進を成功させるための思想をピックアップしていきます。
経営トップのコミットメント
従業員の意識改革と企業文化の変革
危機感の共有、明確な課題の共有、成果の共有
企業連携による柔軟なサプライチェーン構築
顧客からのクレームなど「既存の課題」から出発
ユーザの課題や社会的な課題などの「新たな課題」への挑戦
これがきっと自社のDX成功の決まり手の参考になるでしょう。
DXはなにより経営トップのコミットメントが決まり手です。それから来る従業員の意識改革とそれによる企業文化の変革が続く決まり手です。これを決まり手とする決まり手は危機感の共有、課題の共有、成果の共有です。
具体的な決まり手は後段にある企業連携、サプライチェーン、顧客中心があります。そして最後の新たな課題へ挑戦するなど、未来永劫のDX推進が決まり手です。
ということで今日の結論。「DXの決まり手はやはり社長」 以上です。