スパイクタンパクとプリオンモチーフ: マサチューセッツ工科大学 (MIT) の総説論文から
コロナワクチンの長期の副反応として、スパイクタンパクがプリオンとして作用し、脳変性を起こす可能性が指摘されています。動物実験でも実際なかなか分からないのがこういった「長期」の副反応 (副作用) です。
マウスが実験動物としてよく採用されている理由は、「体の大きさが小さく飼育用のスペースを省略できる」「純系が確立されている」「世代交代の期間が短い」「遺伝子解析が詳しくされている」「遺伝子実験用の道具も揃っている」などです。ただし寿命が短いので、マウスの実験結果は「長期」の副反応 (副作用) のサンプルとして適しているとは言いがたいのです。
DNAワクチンは既に動物用でも実用化されており、家畜などにも使われる事もあります。しかしながら、家畜である乳牛、肉牛、豚、鶏などは、そのほとんどが数年で屠殺されてしまいますので、人間のように何十年もは生きません (生かしてもらえません) 。したがって実際にワクチンによって自己免疫病や癌を発症する可能性があったとしても、潜伏期間が数年以上になる疾患では発病するまで生きていませんので、長期間の実際の副反応 (副作用) は問題としてなかなか見えてこないのです。
前回の記事でも触れたように、プリオンは微量の摂取でも長い潜伏期間の末にプリオン病を発症する事もあります。そのためコロナワクチンを接種された方は、現在若い方でも将来的な不安材料となる事が考えられるのです。
以下はマサチューセッツ工科大学 (MIT) の総説論文からの続きになります。
第一に懸念される事は、スパイクタンパクのプリオン様モチーフ、プリオン領域です。スパイクタンパクのアミノ酸配列にはプリオン様モチーフ (GxxxGモチーフ) が5つ含まれています。この事はスパイクタンパクがプリオンとして働く可能性を提示します。また、TetzとTetz (2020) によると、SARS-CoV-2のスパイクタンパクの形態には、他のコロナウイルスのスパイクタンパクには存在しないプリオン領域があるという事が分かっています。「他のコロナウイルスには存在しない」というところが興味深いですね。
第二の懸念事項は、mRNAワクチンのスパイクタンパクにはアミノ酸配列の置き換えがあるという事です。スパイクタンパクの機能はACE2への結合に加え、ウイルスの膜と細胞膜との融合です。融合はスパイクタンパクの立体構造が変形して折れ曲がる事によって引き起こされます。mRNAワクチンでは細胞膜との融合を防ぐために融合ドメインの隣の2つのアミノ酸をプロリンで置き換えており、このためにスパイクタンパクは強制的に開いた状態になっています。これは、ミスフォールド型プリオンへの危険な一歩かもしれません。
第三の懸念としては、J. Bart Classen (2021年) らによると、スパイクタンパクは多くの既知のタンパク質と結合し、それらのタンパク質のミスフォールドを誘発してプリオンになる可能性が指摘されているという事です。IdreesとKumar (2021) は、スパイクタンパクS1が機能的なアミロイドとして働き、毒性のある凝集体を形成する傾向があると提言しています。スパイクタンパクは他のタンパクと結合し、アミロイドを形成する可能性があるという事です。スパイクタンパクそのもの、あるいはタンパク複合体がミスフォールドした脳タンパク質を凝集させるコアとして機能し、最終的に神経変性を引き起こすかもしれません。
アミノ酸配列上のモチーフやタンパクの構造、他のタンパクとの結合の多様性からスパイクタンパクがプリオンとして働く可能性が指摘されているという事です。
最近、コロナワクチンへの異物混入が日本で報道されました。金属を含めた異物、不純物の混入汚染は本来は非常に深刻な問題のはずですが、ワクチン接種を中止したり、見直したりする流れにもなっていません。異物混入や不純物混入汚染と直接関連して問題になるのがワクチンの遺伝子の「品質管理」そのものへの大きな疑いでしょう。コロナワクチンに含まれているRNAには、本来の長さよりも短いものが多く混入している事も報告されています。これらが不完全なスパイクタンパクを生成し、予測できない三次元構造のタンパクを作る可能性があります。そうしたタンパクは、良く転んだ場合は役に立たないタンパクだけで終わってくれるかもしれませんが、悪く転んだ場合には人体に悪影響を及ぼす特殊なタンパクとなるかもしれません。
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は本来は稀な病気で、「狂牛病」の牛を食べた事から感染したと考えられています。この場合プリオンは消化管から吸収されますが、そこから血液脳関門を乗り越えて、あるいは神経軸索を介して脳に辿り着かなければ感染できません。感染までのハードル自体は高いわけです。これに対してスパイクタンパクは血流を循環し、また血液脳関門を乗り越える事もできますので、スパイクタンパクの脳へのアクセス自体はより簡単なのです。
コロナワクチンの短期の副反応としても脳の障害は多数報告されています。短〜中期の副反応を乗り越えたとしても、将来的な新型クロイツフェルト・ヤコブ病への懸念が、いつ爆発するか分からない不発弾のように残り続けるかもしれません。
#コロナ
*記事は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。
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