V6プラスとPPPoE回線を同時に使う

 僕がこの記事を書こうと思ったのは、V6プラス回線の半固定IPアドレスで不都合がある人が多いのではないか考えたからです。しかし、V6プラス回線はその速度は素晴らしく、もちろん使わないのは損です。
 ではどうすればいいのか。単純にV6プラス回線とPPPoE回線の同時使用が最も有効的ではないでしょうか。

 では、どのようにしてそれを実現できるのかですが、個人的にはまずルーターを変えることが一番かと思います。なぜならNTTなどから貸し出されるものはそういった機能がないことがほとんどだからです。

 ではそのようなことができるルーターは何かということですが、僕はNVR510をおすすめします。なぜなら光電話にも対応しているからです。海外製ルーターなどでも良いのですが光電話に対応していないため、ある程度利用が限定されるからです。
 しかしもちろんNVR510でなければならないという訳ではありません。他にも同じYAMAHA製の光電話対応ルーターもありますし、もし光電話を使っていなければ、もっと上位の光電話機能がないタイプもあります。これはあくまで僕自身の環境でもあるのでもし同じような人がいたら、一例として参考にして下さい。

YAMAHAのルーターNVR510で光回線から直接インターネットに接続する

 では、まずはじめに今現在使っているモデム(回線終端装置,ONU)から直接ルーターに接続をします。このとき、背面のLAN端子が4つ並んでいるところから繋げるのではなく、カバーがついているところを開けて、そこに繋げていきます。
 これはUNI出しなどと呼ばれる方法です。
 詳しくは以下のリンクから参照できます。

 これで繋げたら後はNVR510を設定するだけです。

NVR510を設定する

 先に僕が設定している設定を貼り付けます。
 これから僕が紹介する設定を一通りして同じような設定がされているかの確認に使って下さい。
 このような文字ばかりは見ても意味が分からない人もいると思います。しかし安心して下さい。これはあくまで設定を文章にしたものです。つまりこれ以上難しくはなりません。
 YAMAHA製のルーターでは「コマンドを読み込む」ことでも設定が行えます。その設定というのが下に書かれている文章なのです。つまり、全く同じ文章ならば全く同じ設定ができます。

 以下が自分のルーターに設定しているコマンドになります。

ip route default gateway tunnel 1 gateway pp 1 filter 500001

ipv6 route default gateway dhcp lan2

ipv6 prefix 1 dhcp-prefix@lan2::/64

ip lan1 address 192.168*******/24

ip lan1 proxyarp on

ipv6 lan1 address dhcp-prefix@lan2::1/64

ipv6 lan1 rtadv send 1 o_flag=on

ipv6 lan1 dhcp service server

switch control use lan1 on terminal=on

ip lan2 address dhcp

ipv6 lan2 address dhcp

ipv6 lan2 dhcp service client

ngn type lan2 ntt

pp select 1

pp keepalive interval 30 retry-interval=30 count=12

pp always-on on

pppoe use lan2

pppoe auto disconnect off

pp auth accept pap chap

pp auth myname [PPPoEユーザー名] [パスワード]

※[]は外して打ち込めば大丈夫です。※
※例;pp auth myname user password※

ppp lcp mru on 1454

ppp ipcp ipaddress on

ppp ipcp msext on

ppp ccp type none

tunnel select 1

tunnel encapsulation map-e

ip tunnel mtu 1460

analog arrive number display 1 on

analog sip arrive permit 1 myname

analog sip call myname 1 sip:***************

analog sip call display name 1 *****************

analog arrive number display 2 on

analog sip arrive permit 2 myname

analog sip call myname 2 sip:******************

analog sip call display name 2 *********************

analog supplementary-service pseudo call-waiting

analog extension emergency-call-dial type normal-number

analog extension dial prefix sip prefix="9#"

analog extension dial prefix routing route-table=1 ngn lan2

analog extension dial prefix port=1 routing route-table=1 ngn lan2

analog extension dial prefix port=2 routing route-table=1 ngn lan2

analog call route-table 1 1

analog call route 1 * * ngn lan2 * line

sip use on

sip codec permit lan2 g711u

statistics traffic on

 以上が僕の設定です。
 個人情報は"***************"で伏せ字にしてありますが、参考にはなるかと思います。公式サイトでもV6プラス回線の設定例がありますが、PPPoEも設定されているものは少ないと思います。

実際の設定に関して

 実際にV6プラス回線とPPPoE回線の接続を設定する際には、コマンドからも設定できますが、WebGUIからの設定をおすすめします。なぜならそれぞれの回線でフィルターを設定できるからです。セキュリティーの向上につながるので設定することをおすすめします。その後で、どちらの回線をどの端末が使うかという設定をするわけです。
 WebGUIからV6プラスも、PPPoEも設定可能です。

特定IPアドレスの端末をPPPoE回線で接続する

 では、そのやり方を3つのステップで説明したいと思います。

 ここまでで、とりあえずV6プラスの回線と、PPPoEの回線はWebGUIから設定したものとします。(ちなみにV6プラスとPPPoEはどちらから先に設定しても大丈夫です)

①PPPoE回線で接続したい端末のIPアドレスを固定する

 まずははじめにPPPoE回線で接続したい端末のIPアドレス(ローカルIPアドレス)が固定されるように設定します。
 今回はDHCPのバインドのコマンドを使用します。
 コマンドは、WebGUIの詳細管理から、「コマンドの読み込み」というところへ、文字を打ち込むことで設定します。
  以下のコマンドです。

dhcp scope bind 1 [任意の固定したいIPアドレス] ethernet [端末のMACアドレス][]は外して打ち込めば大丈夫です。※
※例;dhcp scope bind 1 192.168.100.34 ethernet 00:00:00:00:00:00※
※[※]で囲われているところは必要ありません※

 IPを固定したい端末のMACアドレス(設定ーネットワークから詳細情報を見てみるとあります。また、端末情報にもあると思います)を[端末のMACアドレス]に入れます。また、その端末のIPアドレスを任意に決められます。[任意の固定したいIPアドレス]にそれを入れて下さい。

 これにより、特定の端末のIPアドレスが常に変わらないようにできます。

②PPPoE回線で接続したい端末のIPアドレスをIPフィルターに登録する

 次に、その特定IPアドレスの端末をIPフィルターに登録します。
 IPフィルターというものはIPアドレスという条件によってどのような操作をするのか変えられるものです。つまり、IPを固定することでIPフィルターの条件でその端末が接続する回線を操作するという考え方です。
 IPフィルターの設定です。

ip filter 500001 pass 192.168.100.34 * * * *

ip filter [IPフィルターの登録番号(500001から順番にするのが暗黙の掟ですが好きな番号でもいい)] pass [操作したい端末のIPアドレス] * * * *

 これは

192.168.100.34のIPアドレスの端末を500001番のIPフィルターに登録する

 ということです。
 これで500001番のIPフィルターで192.168.100.34という特定の端末を操作できるようになりました。

③PPPoE回線で接続したい端末の回線をIPフィルターを使って指定する

 最後に、どの端末がどちらの回線を使うか、という設定が必要です。
 それを設定しているのは僕の設定例の一番上にある文章です。

ip route default gateway tunnel 1 gateway pp 1 filter 500001

 この部分が意味するのは

デフォルトの回線としてはV6プラス(tunnel 1)を使い、一部の端末(フィルター番号500001番の端末)はPPPoE回線で接続する

 ということです。

 以上で特定端末がPPPoE回線を使って通信する設定ができました。

 まとめると、僕の場合はですが、IPフィルター機能というものを使って特定のIPアドレスの端末だけPPPoE回線を使うということになります。

 今回はここで終わりますが、また加筆すると思います。
 質問、感想、問題点、分からないところがあれば遠慮なくコメントして下さい。また僕は専門家ではないので、あまり広範囲なことは分かりかねます。

最後に

 今回の記事は他の様々な方の記事を参考にさせていただきました。感謝を申し上げ、参考記事を紹介します。




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