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B'z「calling」を自分勝手に深読みしてみた

⭐️B'z「calling」〜真正面に恋愛を歌った歌詞だと思って分析してみる

さて、昨日に引き続き自分勝手に歌詞を考察。またB'z(笑)

無類のハードロック好きの僕から言わせると、B'zのサウンド自体は、限りなくハードロックに近い。が、やはり彼らのサウンドをハードロックと呼ぶにはいささか無理がある。その最大の理由は、あまりに洗練されていてカッコ良すぎるからだ。つまり音そのものではなく、その精神性がハードロックとは違うというのが僕の勝手な解釈。

ハードロックという音楽ジャンルには、ある種の泥臭さがあり、もっと乱暴な言い方をすれば、ある程度ダサくなければハードロックとは呼べないのである。

そして、callingである。この曲は数あるB'zの曲の中で一番のお気に入り。この曲の最大の魅力は、転調を繰り返すその複雑な曲構成。それもそのはず。この曲は表情の違う二曲を意図的に組み合わせて一曲にしたものらしい。自然と曲は六分という長いものになり、しかも、その長さを微塵も感じさせない緊張感に満ちている。その理由が稲葉さんのシャウトと松本さんの泣きまくるギター。二人のエネルギーの壮絶なぶつかり合いが、この曲を唯一無二の神曲に仕上げている。そこには他のB'zの曲に見られるような洗練されたかっこよさはなく、古き良きハードロックの泥臭さが全編に漂っているのだ。

この曲で見られる二人の壮絶なエネルギーのぶつかり合いの背景には、この曲は、実は稲葉さんがB'zに対する思いを切実に歌っているという一説がある。なるほど、歌詞をよくよく読んでみればそう捉えることは充分可能だろう。しかし、今日は、この曲の歌詞をあくまでも恋愛を謳ったものとして捉えてみたい。では、歌詞を最初から見てみよう。









「この声が聞こえるかい
wow wow wow wow

今なら聞こえるかい
どうか苦しまないで」

⭐️まずはA曲からのこの歌詞【この曲は前述した通り二曲が合体してできているので、あえて、A曲とB曲に分けてみます】

 「この声が聞こえるかい
  今なら聞こえるかい
  どうか苦しまないで」

この曲を男女の歌とすれば、主人公とその彼女は今、離れ離れになっていることがわかります。「calling」とはそのまま、呼びかけるという意味ですから、遠く離れた場所から主人公は彼女の名を呼んでいるのでしょう。もちろん比喩的な意味なので、心の中で彼女のことを想っていると解釈して間違いありません。「どうか苦しまないで」という言葉から、彼女の身を案じている主人公の心情がわかります。



「あっという間 時間は積もり
何も見えなくなりそう
街の色も変わりつづける中で
なんだか今もいっしょにいる

何かが心をつないでいる いつでも気にしている
強い磁石に引っぱられているように
気がつけば無邪気に笑いあう
ひとつひとつと窓に灯ともる」

⭐️さて、最初の転調で、B曲へ。主人公は毎晩、窓越しに街の様子を眺める。季節の移ろいで街の表情が変わっていく中、彼女を想う気持ちは変わらない。会えなくても「強い磁石に引っ張られているように」心と心は繋がっている。離れて暮らしていても強い絆が二人の間にはあるのですね。闇が街を包み始めると、家々の窓には次々と灯りが灯ります。その灯は主人公の心に灯る彼女への想いを投影した風景描写なのでしょう。



「きみがいるなら戻ってこよう いつでもこの場所に
けがれなき想いがぼくらを呼んでいる
I can hear the calling」

⭐️つづいてB曲のサビへ。さて、ここで気になる言葉が出てきます。「けがれなき想いがぼくらを呼んでる」ここですね。なぜ、ぼくでも君でもなく、「僕ら」なのでしょうか。僕が思うに、この曲が稲葉さんのB'zに対する思いを歌ったものだという説の根拠がこの「僕ら」という表現にあると思うんです。しかしここでは、この曲の歌詞をあくまでも恋愛だと捉えるので、その側面からあえて「僕ら」とした理由を考えなくてはなりません。

 「僕ら」とは当然のことながら主人公と彼女。そして、「僕ら」を呼んでいるもの、その先にある場所とはどこなのでしょうか。「けがれなき想い」とは純粋な愛情。そこには打算だとか忖度だとか肉欲だとかというものは一切ありません。そんな僕らを呼んでいる「場所」とは果たしてどこなのでしょうか。ここで「場所」を物理的に捉えてしまうと解釈の幅を狭めてしまう。「場所」そのものを比喩的なものとして捉えたらどうだろうか、、、この曲が稲葉さんがB'zへの想いを歌ったものとすれば、「場所🟰B'z」ということになります。ここはその考え方を応用してみましょう。「場所」とはつまり、二人の思い出が詰まっているところ。物理的な場所とは限りません。二人で作っていたブログかもしれないし、あるいは、二人で演奏した曲かもしれないし、またあるいは、二人だけの会話を交わしたLINEのトーク画面かもしれません、、、




「どれだけ離れ 顔が見えなくても 互いに忘れないのは
必要とし必要とされていること それがすべて
他には何もない

きみといるときぼくはぼくになれる
そういう気がする
言葉よりはやくわかりあえる 輝く瞬間あざやかに
いままでもこれからも
約束などすることはないだろう
だれにも真似できない 同じ夢を見よう
Can you hear the calling?」

⭐️さて、引き続きB曲。離れ離れになっていても、お互いがお互いを必要としているのいうこと。この2人が恋人同士だとすればその関係性は普通の恋人同士にとどまらず、魂が繋がった男女だということでしょう。魂のつながりというと、なんだかスピリチュアルな匂いがして、現実性に欠けるものだと思う人も多いでしょう。でも、そういう相手って必ずいるものですよ。

 そして、「きみといるとき、ぼくはぼくになれる」彼女の存在がそのまま主人公のレゾンデートルになっているということですね。彼女を愛している自分が好きだ。自己を肯定するのにこれほど堅固な言葉はありません。さらに「言葉よりはやくわかりあえる」それは相手の眼差し、仕草、表情。言葉を交わさなくても意思が通じる関係。まさに魂と魂が繋がっている相思相愛の関係だと言えるでしょう。



「この声が聞こえるかい
wow wow wow wow
今なら聞こえるかい
どうか苦しまないで
wow wow wow wow
wow wow wow wow
wah calling you」


⭐️そして、最後にA曲に戻ってきます。冒頭の歌詞を繰り返しているだけなのですが、B曲を挟んでからの繰り返しなので、その言葉には主人公の切実さ、彼女に対しての誠実さ、想いの深さが何倍も増幅されています。

総じて判断すれば、別れの曲だと思います。深い愛情で繋がっている二人だったけど、どうしてもやむを得ない理由で別れなくてはならなかった。その理由についてはこの曲の中では一切、触れられていません。ただ、確かなことは、たとえ別れても、離れ離れになっても二人の間には強い絆があり、魂と魂が繋がっているということ。そして、別れの先にまた、この二人には劇的な再会が待っているに違いありません。

と、今、生涯最後の恋をしている僕は思うのでした。以上、長文になりましたが、B'zの「calling」を自分勝手に分析してみました。それではまた。

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