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「super beaver「小さな革命」の歌詞を読み解いてみた」〜その根底に流れる「ネガティヴ・ケイパビリティ」と「反抗的人間」のあり方
「super beaver「小さな革命」の歌詞を読み解いてみた」〜その根底に流れる「ネガティヴ・ケイパビリティ」と「反抗的人間」のあり方
「小さな革命」
⭐️これは外側に向けた革命ではなく、内側に向けた革命であること。自分の意識を変えていくこと。それを小さな革命と表現している。
「歓びがもし倍になったって
哀しみは半分になったりしない」
⭐️世界のあり方とはそういうものだ。人生から哀しみが消え去ることはない。歓びを増やすことで哀しみを消そうとしてはいけない。哀しみを受け止め、踏みとどまる強さが必要であること。
「本当の意味で 痛みは分かち合えない
誰が立ち上がるんだ
時に弱音 零したって 構わない
それでも何がしたい?」
⭐️自分の痛みがわかるのは自分自身でしかないということ。だから、たまには弱音を吐いても構わない。大切なのは、その先だ。
「損得も 忖度も 死ぬ間際に抱きしめるようなもんかよ
ただ吸って 吐いているだけで 十分ならば 君は苦しまない」
⭐️打算に彩られた人生のなんと苦しく薄っぺらいことか。死ぬ間際に走馬灯で蘇る記憶は、損得や忖度とは無縁のものでありたい。
「愛とか 夢だとか 希望とか 未来のこと
そっと声にして
小さな革命を 胸の内を明かす勇気
小さな革命を 変わりたいと望むのなら
小さな革命を 自分はどうありたい
小さな革命を 当事者であれ 当事者であれ
【大きな世界は変わらない】としたって
君の夜明けのきっかけになれたら」
⭐️小さな革命を成しうるためにまず大切なのは、現状を肯定することだ。大きな世界は変わることはない。決して変えることのできない世界の中で、自分はどうあるべきか。どうありたいのか。当事者であれとは、能動的であれ、ということ。現状を肯定することと、現状を諦めることとは、全く違う。これは、アルベール・カミュのいう「反抗的人間」にもつながる。「ペスト」の中で描かれた医師、リウーの生き様が頭をよぎる。
「邪魔しないから 邪魔をするなって オマエ
他人の幸せは自分の不幸じゃない
とばっちりの涙を 生み出した正義は 嘘だ
邪魔しないから 邪魔をすんなって」
⭐️絶対的な正義など存在しない。正義とは主観に彩られた醜いものに過ぎぬ。声の大きさに惑わされてはならない。
「損得と 忖度に いつまで好き勝手にさせてやるんだよ
ただ吸って 吐いているだけで 十分ならば 君は苦しまない」
⭐️打算に振り回されていくうちに自分を亡くしていく。
「愛とか 夢だとか 希望とか 未来のこと
上手くいかないことだらけ かもな
でも 【死にたいとか 絶望とか 今日まで堪えたのも、誰だ】」
⭐️この曲の根底に流れている「ネガティヴ・ケイパビリティ」が垣間見られる大切な歌詞。不確かなものを受け入れ、悩み続けること。答えを出さないで考え続けるそのプロセスことが生きているということに輝きを与える。
「小さな革命を 胸の内を明かす勇気 小さな革命を 変わりたいと望むのなら 小さな革命を 自分はどう在りたい 小さな革命を 当事者であれ 当事者であれ 大きな世界は変わらないとしたって 君の夜明けのきっかけに 音楽で世界は変わらないとしたって 君の夜明けのきっかけになれたら」 「音楽」 当事者であれ 当事者であれ さあ何がしたい?どう在りたい? 小さな革命を」
⭐️音楽の力はただただ偉大であるということ。