2009年鴨緑江上流中朝国境旅行(2)
翌日は、第2の北朝鮮ビューポイントである、長白朝鮮族自治県へ。鴨緑江をもっと上流へさかのぼる。今回の旅行のハイライトと言える場所である。
早朝のバスターミナルから出発。席が通路の右側の窓際なのはラッキーだった。車窓はずっと鴨緑江と北朝鮮。すんばらしい景色の連続に内心ウハウハだったが、地元の衆は当然だが無関心。向こう岸の写真を存分に撮影したが、よく「スパイがいる」と公安に通報されなかったものだ。
バスを降りてすることは今夜の宿探し。長白では臨江以上に苦戦しそうな気がした。まずはこの街で一番と思われる長白賓館へ。レセプションは英語が通じなかったが、部屋はないことはわかった。この街も長白山観光の拠点の一つだから、もろ観光のピークであるこの時期は部屋に空きはないのだろう。仕方ないのでバスターミナル周辺の旅社を回ってみたが、外国人利用禁止なのか、空きがないのかはわからないが、泊まれないところばかりだ。この日はずっと雨が降っているので靴がずぶ濡れ。早くどこかに宿を確保したいのにと思うと気分が滅入る。埒が明かないので思い切って適当な旅行会社の中に入り、宿を探しているということを、中国語会話帳と筆談で訴える。なかなか意思疎通ができないが、面倒くさい外国人を追い払わず粘り強く応対してくれた結果、なんとか宿を確保してくれた。拾ってくれた乗り合いタクシーの終点は街からちょっと離れたところだったが、降りたそこにあったのは、ホテルというよりは招待所。代金を払えばチェックインできると思ったが、中国語ができないばかりになにやら問答が始まった。結局先方が伝えたかったのは、一部屋で借りるかベッド単位で借りるか、それと明日はどこへ行くか、必要ならバスの切符を買っておく、というもの。部屋単位でチェックイン。そして雨の中再度街へ繰り出していく。対岸は恵山(ヘサン)市。結構大きな街の部類なのだろうか。目の前に本当にナマの北朝鮮。言葉が出ない。
今度は臨江からのバスで通った、長白の街の入り口まで戻って散策する。
こうして、これだけ堂々と北朝鮮を撮影しているにもかかわらず、公安当局に拘束されずにミッション(何のことだ?)をコンプリートすることができた。靴の濡れ具合が気持ち悪いので、これで退散、招待所へ戻る。