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ドラマ『御上先生』の6話を観た感想※ネタバレあり!!
ついに週刊誌で、御上の記事が出る。ただし、その記事には憶測があったり、事実とは異なることも書かれていた。
御上の数学の授業開始前に、生徒たちが週刊誌の記事について噂話をしていると、御上は生徒たちに対して、君たちには関係無いことだと言い放ち授業を再開する。生徒たちの間に不満は募るものの、御上自身はこの段階できちんと時間を取って生徒たちにこの問題について話す時間を取ることを決意していたかと思う(本当か?)。
体調不良で生理痛に悩む椎葉。そのことについて、是枝と一色が話す。御上も同席する。一色は椎葉が保健室で生理用品を大量に取っている姿を見て、生理用品を満足に買えていないことを察する。社会問題にもなっている生理の貧困の問題。
御上は椎葉と話す場を設ける。椎葉の心の内面まで深く土足で入り込み、御上に対しては心を閉ざす椎葉。
放課後、御上は富永に呼び出されて、おなじみのゲーセンで格闘ゲーム(ストリートファイター)にて対戦する。椎葉がなぜ泣いているのかを説明する富永。教師と生徒との間柄では考えさせるということが成立するが、人と人ではそれが成立しないことを説明。御上は自分自身のことは語らないのに、生徒の内面には深く入り込んで良いか否かの是非を問われる。
教師と生徒との間では、常に学校内外において、教師側の強者の論理としての力関係が発生する。これは、教師側の永遠の課題でもあるためこのことを念頭に置いた上で常に生徒と向き合う必要がある(教師が常にこれに対して自覚的であるためには自身に相当な制約をかけたうえで生徒に接しなければならないため現実的には不可能であるが)。
時として教師が生徒に対して行う主張は必ずしも正しいとは限らない。でも、生徒たちは教師の言うことに素直に従うしかない場面が多々ある(超進学校であれば生徒側の地頭が教師のそれを凌駕することが多々あるため教師と生徒は対等に議論出来たりするが、たいていは生意気な生徒であると教師側に認識された生徒は学校生活上必ずしも良い思いをするとは限らないが)。
私自身も教師がいつも正しいことを言っているという前提に立った教育が嫌いだ。教師も人間であり、より本質も見抜けているのは生徒だったりすることが多々ある。だって、30人の脳みそと教師1人の脳みそで考えたことは明らかに多様性という観点からは、30人の考えに軍配が上がるからだ。でも、これが、学校というある種の監獄(パノプティコン)(学校教育を語る上ではしばし監獄という表現が出てくる)の中となると、世間からは隔離され隔絶された非常識空間となることがあるため、通常の考えが学校内では全く通じないという現象が多々起きる。
御上より中学時代に兄が自死した理由が明かされる。御上は転校し、学校の体制、ひいては日本の教育を変えるべく、文科省官僚になることを目指し文科省官僚となる。ただし、そこは官僚の世界。自分が理想としていたものはそこにはなく、落胆していく。そんな中、1年前に文科省官庁前で、偶然、兄の同級生の一色に呼び止められ遭遇する。そこで隣徳学院にて現在教師をしている一色に接触する。そして、兄が自死をしてから母が精神病となり、入院していることが打ち明けられていく。そして、入院先の母は御上のことを兄の名前で呼んでいることを一色は知る。
御上の母は兄が自死する前、兄のその革命的な思想を改めさせようと、また他人のためにそこまでする意義がどこにあるのかと、兄に説得を試みていたが、その説得が実ることはなく、駄目であった。
兄は、ある生徒が中等部から高等部への進学の際に、発達障害だったことを理由に学校側が内部進学を落としたことについて(兄がそれをどのような経緯で知ったかは分からないが)、校内にて放送部の特権を活かして、校内にてそれを暴露する内容をアナウンス後に自死(計画的な感電死)した。校内アナウンス後に、御上は放送室にかけつけ、兄のその姿を見る。それを制するかのように現場にかけつけたのは兄の同級生の一色。
御上はそれまで、兄を人生の理想像として、そして兄を目標として生きてきた。御上にとって兄は、全てだったのである。
そして、徐々に明らかになっていく、隣徳学院、官邸、霞が関、文科省、コンサル、隣徳学院への私学助成金(不正に増額?)の見返りとしての副大臣の息子の裏口入学問題。そして、これらの複合的な問題に御上がどのような形で関与しているのか。いつものメンバーでの密談会合。
隣徳学院に裏口入学をさせる見返りに、多額に私学助成金を受け取るという方法論はいつから確立していたのか。その問題を基軸としてほかにどのような問題が潜んでいるのか。
これは、かつて東京医科大学医学部に自身の息子を裏口入学させた文科省官僚のあの事件を彷彿とさせる(東京医科大学は文科省ブランディング事業に採択されることの見返りに文科省官僚の息子を裏入学させる。のちに退学。息子は東京医科大学より下位の医学部に入学できる学力はあった)。そして、これにも、裏口入学を手助けするコンサルが介在していた、あの事件を思い出させる。
さて、今後の展開が気になりますね。
ではまた。