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宮脇綾子さんのカブ

うちにあったみたいでした。

今朝の「日曜美術館」は、宮脇綾子さんという方の布絵というのか、アップリケ作品というのか、東京ステーションギャラリーで開催されている展示の紹介でした。

見事に作ってあるなあ。たいしたもんだと感心していると、奥さんは名古屋のほうで私たちはすでに見ていると教えてくれました。そして、表紙の写真のように蕪の弁当包みを私が選んだから、それを買って、今も使っているんだよと教えてくれました。知らなかったなあ。まさか、すでに見ていたとは! 何にしろ、何でも忘れてしまう私ですから、見たことさえ記憶にないけど、それくらいの印象だったのでしょうか。

奥さんは、ちゃんと録画して、また改めて見直すのかもしれないですけど、私は本放送の45分で満足しました。いろんな布を使って、無駄なものなど一切なくて、すべてを生かして作品を作っておられた。

というのか、布を手にして、眺めて、何ができるかずつと考えて、いざイメージが生まれたら、ひたすらそれを形にするという時間があったということでした。

息子さんのお嫁さんが言うには、仕事の時には厳しい目をしてされていて、話しかけるスキはなかったそうです。ところが、普段は優しいお義母さんだつたんだとか。綾子さん自身がお嫁に来た時、士族の家の義母はとても厳しいルールを要求したそうです。面と向かって何か言うということもできなかつたんだとか。その反動なのか、息子の嫁には優しく接したのかなあ。

布で絵を作るとしても、作品もそうだけど、それ以前の普段の準備も怠りなくて、常に何か新しいものを作るための基本的な準備、たとえばスケッチとか、色の組合わせの見本帳みたいなものを作ってたり、それをさらにデザイン化してみたり、1905から1995年の生涯を布と生活と絵にこめてきた人生だったのだなと思いました。

今ここで、こんなことを書いてても、私はすぐに忘れてしまうでしょう。でも、それでもいいです。忘れたら、また思い出せばいい。どんどん抜け落ちていくそばから何か気に入ったものを押し込んでいきます。

これから、お弁当を食べるときにも、宮脇綾子さんの作品に包まれてるんだと思いながら食べることにします。