田んぼの中のネコ
昨日早く寝たので、珍しく四時半くらいまで寝ました。それからはもう眠れないし、久しぶりに晴れてたから、奥さんと散歩に出かけた。いつも通りに最初は足が前に進むけれど、後半はフラフラでした。
歩いてて、「あれ、左手を振って歩いてないや」と気が付いた。
左肩がずっと不調で、伸ばしたり、支えたり、回そうとしたりしたら、小さく激痛が鈍くやってくる。肩を冷やしたせいか、何かで痛めたのか、酷使はしていないから、たぶん、運動不足と寝てるときに肩を出して寝てて、そのまま痛めてしまったというところなのか。
それで、自然に使おう、なるべく体を動かそうとしても、右手はリズムをつけて自然に動くのに、左手は不自然に動かせてない感じだった。左右の手を振ることもできてなかった。ああ、年食ってるね!
トリを見つけて、声を聴いて、ワンコに朝の挨拶して、新しい花を見つけて、私たちは田んぼの中の道を歩いていました。あぜ道は、業者が管理する田んぼは、除草剤をまいてあるのか、赤茶けた草が少しだけ。不自然なあぜ道を歩いていました。
田植えの済んだ田んぼの向こうに白い何か。どう見てもネコだった。こんなところに、こんな時間にネコが臥せってていいのか? いいも悪いも、そこにいるようでした。
何をしているんだろう? 何をするところ? 寝ている?
もしかして、田んぼに降りるサギを待っている? まさか、空にはサギがいたけど、トリたちも、ネコのいる前に着地はしないでしょう。
奥さんが、「うちのももちゃん(彼女の実家で飼ってたネコ)はキジをつかまえてきたよ。」「えっ、キジ? かわいそうやなあ」
「キジのメス」……私、メスがいなくなったオスは生きがいをなくしただろうな、なんてオスがかわいそうになった。そんなものすごく昔のことではあるけど、悲しい別れみたいなのはいっぱいあるものか、なんてシンミリした気分になった。
それから、通り過ぎる間もネコを見ていたけれど、寝ているのか、動かなくて、あぜ道で朝寝というのもいいものかな、なんて思ったんでした。