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渡り廊下は好きでした!
渡り廊下は好きでした。なぜだろう。そこに教室がないから、学校なんだけど、何にもないスペースだから、好きなことができそうな気がしたから?
といっても、好きなことをするわけではなくて、恋しい人と出会うのでもなくて、ただ建物と建物をつなぐだけのものなんだけど、自分が高校の時には、渡り廊下の途中にトイレがあったり、図書室があったりしました。フラフラしているうちに、エアーポケットに入り込むような感じ。トイレは重宝したし、図書室はそこで勉強しようとする自分がウソっぽくて、あまり勉強にはなりませんでした。調べ物もしたことないかもしれない。本も借りたことがなかったかも。読みたい本は自分で見つけるものだし、わざわざ借りて読みたい本なんてないさ、なんていう理屈をこねてた気がする。
渡り廊下は独特の浮遊感があります。風景はいつもと違うものが見える。教室から見えるものと角度が違うと、ものそのものも違った光を放つようになります。渡り廊下から中庭が見えたら、大きな木があったら、その気に飛びつきたくなるのは今も同じかな。ターザンじゃないし、ムササビみたいに滑空できるわけでもないし、木に飛びついたら、木にたどり着く前に地面に落ちてしまうのに、飛びつきたい衝動だけがあって、怖くなってしまう。
まあ、勇気もないから、ジャンプ力もないから、絶対に飛ばないけど、飛びつきたい。ムササビになりたいとは思うのです。ムササビになれたとしても、思い切りおなかをぶつけて青くなるはずです。アホですね。
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校舎と校舎をつなぐ建物、それが渡り廊下でした。雨漏りがしたり、廊下の管理が大変だったりするんだろうけど、そういう渡り廊下がある建物にはあこがれがあります。まるで平安貴族になった気分。いくつもの建物を、渡り廊下の迷路をたどりながら、渡っていく。
ガッコーは、それがすべてではないのだろうけど、あるところとないところがあるんだと思う。たまたまオラ(私)は渡り廊下が好き、というだけです。そこでドラマは起きないだろうけど、それでも、そこで手紙を渡すとか、ブレゼントを渡すとか、あってほしいんだけど、今の若い人はそういうことに興味ないだろうし、もっとカッコイイ、今風のやり方があるんだと思うな。私も若かったら、そういうのを習いたいけど、もう今は、十分です。
それよりも、このスペースで車座になっておしゃべりする、というのはいいね。掃除もしなきゃいけないな。