見出し画像

夜明け、朝焼け、セミは鳴く

 夜が明けるのがうれしかったり、少しだけ淋しかったりしたのは、いつのことだったのか。

 今は、もう夜が明ける前に、早く夜が明けないかなとジリジリしたり、セミやカラスに先取りされて、あわてて起きてみたり、何だか主体性がないんだ。夜明けが楽しいなんて、とうとう夜が終わっちゃうのかなんて感慨にふけること、昔はあったんだよなあ。

 夜通し、お酒飲んだり、町をふらついたり、鉄道のレールを歩いて自宅に帰ってたり、危なっかしいことをしてたもんだった。

 今はそんなのやれないけど、昔は、そんなことをするのが自分らしさとでも思っていたのか。

 自分なんて、どこにもないのかもしれない。でも、どこかにあって、知らない間に自分になってるのかも。

 ああ、自分、自分、いつもそんなことばかり。

 どうして人のことが心配できないんだ。どうして過去の失敗に目が向けられない。今のことしか頭にないのかよ。

 そうなんだ。今しかなくって、自分のことばかりなんだ。情けない。

 どれだけ他人のことを思えるかで、自分の価値が変わってくるように思う。せいぜいみんなのことを思い、みんなのしあわせにどれだけのことができるか、たぶん何もできないけれど、それを思ってやっていきたい。

 今日も仕事はあるのか。たぶん、ずっとあると思う。お盆休みなんて、今年はもうそんなのなしにしよう!