日本人は減点主義?・・・イギリス・フランス5年間の赴任生活<第15話>
ある日の暮らしぶり
イギリスでの生活における ある日の妻の暮らしです。
1)朝、子供たちを学校に連れて行った(徒歩)。
2)自分で車を運転して町のスーパーへ買い物。
3)スーパーで日用品を買った。
4)スーパーの近くのクリーニング屋に衣服を持って行って、クリーニングを頼んだ。
めでたし、めでたし。何の問題もなし。イギリスでの生活を順調に過ごせていると思われます。
ところが、妻の感想は全然違います。
1)子供たちを連れて学校に行く途中、近所の奥さんに「Good Morning」と挨拶をしたが、相手は返事を返してくれなかった。発音が悪かったのだろうか。日本人を嫌いなんだろうか。・・・ マイナス10点
2)イギリスの交差点はRound-aboutという信号機のないロータリー形式が一般的で、進入の仕方、曲がり方にちょっと慣れが必要です。交差点をスムーズに通れず、後ろの車からクラクションを鳴らされた。・・・ マイナス10点
3)紙幣・硬貨の種類にまだ慣れていなくて、レジで後ろに人がたくさん並んでいるのに、店員へお金を渡すのに手間取った。・・・ マイナス10点
4)クリーニング店の店主のしゃべり方が早くてうまく聞き取れなかった
・・・ マイナス10点
あーあ、今日も嫌なことばかりだった。
減点主義と加点主義
どうも日本人は減点主義。
あるべき姿は、100点満点。何かある毎にどんどん点数が下がっていき、いやな思いをするばかり。
それに対し、ヨーロッパの人の評価基準は”目的を達成できたかどうか”。おそらく加点主義だと思われます。
1)転んでケガせずに無事に子供は学校へ行けた。 ・・・プラス10点。
遠慮せずに挨拶ができた。 ・・・プラス10点。
2)事故を起こすことなく、無事に運転ができた。 ・・・プラス10点。
次の交差点は交通量が多いが無事クリア。 ・・・プラス20点。
3)買いたいものが買えた。 ・・・プラス10点
支払い金額は間違えなかった。 ・・・プラス10点
4)クリーニングをちゃんと頼めた。 ・・・プラス10点
先週頼んだものをちゃんと受け取れた。 ・・・プラス10点
どんどん点数は加算されて、時には100点を超えます。
英会話教室の例
もう一つの例。英会話教室での話。
妻はそれほど英語が得意でないので、友達に誘われて近所の英会話教室に通うことにしました。教室にはいろんな国の人が来ています。(ドイツ、フランス、イタリア、韓国、中国、日本)
英会話教室のクラスは、初級/中級/上級と別れているらしいのですが、妻を含め日本人の奥さん達は、みんな初級者クラスに所属。
皆さんの英会話レベルは様々ですが、一応中学・高校で英語を習っているので、教室で時々行われる文法テストは完璧。そこで、先生から中級へ上がりなさい とさかんに勧められますが、皆さん「ちゃんと喋れないし・・・聞き取れないし・・・」と誰も上がろうとしないようです。
一方、イタリア人などは、筆記試験はあまりできないものの楽観的に考えており、クラスを上げて!上げて!と先生にせがむらしいです。でも、先生からは、初級で文法をもっと勉強しなさいと諭されるとのこと。
ここにも国民性の違いが現れています。
どうして日本人はこのような考え方をするのでしょう。またどこかでもっと深く考えてみたいと思います。
海外赴任で気を付けるべきこと
いずれにしろ、海外赴任生活ではこのあたりのことをちゃんと考慮して、赴任に付き合って一緒に来てくれている奥様へ日々の心づかいをしておくことがとっても重要ですね。
日本では一般的かもしれませんが、オレは会社で仕事(+夜の接待)、オマエは家のことをちゃんとやっておけ なんていう態度だと、破局を迎えることになりそうです。
肝に銘じて十分気を付けましょう。