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「2021.11.14 ポルトガル代表×日本代表」観戦レポート

完敗を経験したアイルランド戦から1週間。
どういった試合をしてくれるのか楽しみであった。
熱狂的な国歌を歌うことでも有名なポルトガル。
世界ランキングは日本よりも下位ではあるが、以前よりボールを動かすようになってきていると聞いていたので、その点に関しても関心があった。

日本時間深夜のキックオフ。日本は試合開始からゲームプラン通り進めていく。中盤ではキックを多用。特にハイパントと呼ばれる高いキックを蹴って競りに行くキックが多かった。
ポルトガルはそのキックの競り合いを想定したトレーニングが良くされていて、なかなかチャンスに持ち込めない展開が続いた。それでもセットプレーでは松田力也選手の素晴らしいキックからトライをとったり、前半の最後にもまたもや松田力也選手からのパスに中野選手が走り込んでDFラインの間を切り裂きトライを奪った。
J SPORTSの解説をされていた沢木敬介さんはもっとボールを持って動かしても良いのでは?と言っていたが、個人的には同意だった。
2023年のワールドカップに向けたプランにおける今秋の3試合の意味は、「いつも通りのゲームプランを実施すること」また、新しい選手もいるので「自分達の戦い方に慣れること」など、おそらく色々な要素があったのではないかと思う。
ただし、日本代表は先週のアイルランドとの試合に大敗を喫していることは事実だ。よって、もう一度この試合で勢いを取り戻したかった。そのために思い切って攻める姿勢をとれば選手が乗ってきたのではないかと思う。躍動しているジャパンを見たかった。
でも、この話は外野だから言えることである。

ジャパンのコーチングスタッフは非常に細かくプランを立てている。キックを蹴りながらいつもの試合をすることを選択したとするならば、何が大事だったのか?
当然、キックを蹴ってボールを相手に渡すケースが多くなるので、ディフェンス及び規律である。日本らしく前に出て止めること、反則をしないで守り、ジャッカルもしくはもう一度相手にキックを蹴らせて、こちらのアタックのチャンスにすること。そのことを徹底したかった。ところが、ディフェンスにおける反則はとても多かった。ペースを掴めないで、最後まで苦しい展開となった。

それでも最後は勝ち切った。負けて崩れなかったことは評価できる。そして、怪我から復帰したマイケルリーチはシンビンにはなってしまったが、めちゃくちゃ格闘していた。あのプレーこそがリーダーシップである。実に頼もしかった。

フォワードはラインアウトからモールでトライをとられたり、バックスも簡単なミスが散見された。
まだまだ経験が少ないメンバーで良いレッスンとなったことは間違いない。

テストマッチではいかに一人の人間として、ラグビーを考え、強い自分自身を保ち続けられるかが重要である。チームとしての振り返りだけでなく、一人の人間としての学びの場になって欲しいなと思う。やはり試合から学ぶことは多いなと思う。世界ランキング19位のポルトガルのひたむきさやヨーロッパのティア2であったとしても彼らのホームゲームでパフォーマンスを出し切る難しさを体感できたのではないかと思う。

今週末はスコットランド戦が待ち受けている。
周りから色々なことを期待されるラグビー日本代表になって、大変なことが多いだろうと思うが、
もう一度、なんのための日本代表なのか。
もっと矢印を内側に向けて、思い切りラグビーを楽しんで欲しいなと思う。
結果は後からついてくるはずだ。

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