カーリーを見送る(1)
2021年3月31日カーリーが死んだ。
カーリーは2009年4月20日生まれの狼犬(オオカミケン)。もうすぐ12歳になるおばあちゃんだった。
父親は我が犬舎で産まれたQ太郎。母親はカナダ血統のノチュウ。どちらも狼のパーセントの低い狼犬。
生まれつき身体の弱かったカーリー。だけど気性は同胎の中で一番キツく一般家庭では手を焼くと親元では言っていた。
そんなカーリーを一目で気に入って我が家に迎え入れ学校を訪問して子供達と触れ合うボランティアをやれるくらいには人が好きな犬に育ってくれた。
本当なら我が家の血統、ロックから三代目と言うことでその血を受け継いで次世代に繋げていたのだろうけど、兄弟の半分しか無かった小さい身体と加齢と共に何処か不都合が出るようでは到底無理だった。
そんなカーリーだが衰えつつも年月はゆるゆると流れてこのままもう少し寿命を延ばしてくれると思っていた。
カーリーがおかしいと思ったのは個展の準備真っ最中の3月12日の夜。いつもは他の犬よりも早く餌をよこせ!と大騒ぎするはずだったのに大半を残していた。
絶対おかしい…翌日夕方には病院へと思った。が、入退院を繰り返していた家族が急に具合悪くなり救急外来に。「何故このタイミングで…」若干イラつきつつ手配してギリギリ動物病院に滑り込む。
先生とはカーリーが子犬の時から知ってるが、一目見て歳とったなぁ、とぽつり。
血液検査にかけてみると肝臓の数値が悪化して振り切っている。急性肝炎だ。
二種の薬を出して貰い帰宅。救急外来の家族は入院となった。私は個展の準備もあるが今夜はまず休むしか無い…けど眠れるはずも無くそっと夜中に様子を見に行き暖房を入れる。
カーリーはこの時は数値こそ悪いけど眼差しはしっかりしていた。
「負ける訳が無い」
確信もなくそう思い込む。
(写真は外で撮影した最後のもの)
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