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会議から分かるブラジル人の性格 さわやかNo,5

2018.02.08 18:30(19:10~)←さて,このカッコの中の時間はなんでしょうか?

1. 保護者の方と初会議

この日は,グラウンドに隣接する日本語学校で,保護者を対象に今年度のチームの指針を示す会議を行いました。

この日のために自分自身,会議に使うパワーポイント・月間予定表,年間予定表などの配布資料・“監督としてどういった目標を持ち指導にあたるのか”をまとめた文章を準備作成しました。

また,会議の司会進行も「やってください。お願いします。」と言われたので,『わかりました。』と一つ返事。

でも後から,“ちょっと待てよ。司会進行って全てポルトガル語よな?”と気付くのでした。が,時すでに遅し。

引き受けたからにはやってみようと気持ちを切り替えましたが,ドッカーンと一気に気持ちが重くなりました!笑

もちろん自分一人で全てを準備するのはできないこともたくさんあったため,いろんな人に『すみません。自分の想いを保護者の皆さんに伝えたいのですが,ポルトガル語への訳を手伝ってもらえますか?』や,『去年使われていた予定表の型はありますか?』と尋ねては助けてもらってを繰り返し,なんとか会議予定日に間に合わせました。

2. 予定通りにいかないのが当たり前

そして予定していた会議当日,プチ問題が起こります。

「先生。今日参加できる親御さんが少ないので,会議を延期にしたいのですが…」

よくよく聞くと,“家族旅行中で帰ってきていない”だとか,“家族でお出かけしに行ってしまっている”“甥っ子姪っ子が家に遊びに来ている”と。

そう。ここはブラジル。

何よりも家族との時間を大事にするお国柄。

まじか〜!と一瞬思いましたが,不思議と『なんでなん?前から予定してたやん』という感情には一切ならず,

なぜか,素敵やな〜という気持ちの方が大きい。(日本ではまぁありえない事態ですが,この気持ちになれたのはブラジル人のことを理解してきた証拠なんでしょうか?笑)

仕方ないねと会議を延期することになりました。

そして,前回の延期から5日後に設定した会議当日。

いよいよ家族旅行に行っていた人たちも無事に帰ってきたので,会議を行えることに。

3. 集合時間はあってないようなもの。笑

『18時30分からね』と連絡を回し,みんな「オッケーです!」と返信。

“よしいよいよ。何事も一発目が大切”と,少し早めに会議をする学校に行き準備をしました。

そして,約束の18時30分。

まさかの教室には司会進行役の自分一人だけ。笑

教室の時計を二度見しましたが,短針は6と7の間を指し,長針は30のところ。

うん。間違ってはない。

『あっ!』

そこであることに気が付きます。

そうでした。ここはブラジルです。

時間の概念はあるようでほとんどありません。

大体その時間に到着していればOKというのがブラジル人。

会議や講演会,お食事会等々,開始時間は設定されているものの,時間ぴったりに始まったということはこの半年間記憶にありません。

時計が進むごとにチラホラ教室に入ってくる親御さん。

「遅れてごめんね〜」より先に「先生元気にしてた?パン焼いてきたけど食べる?」が第一声。

“ちっちゃいことは気にするな!そうか元気で良かった!なんやったらパンでも食べとき!”

とでも言わんばかりの勢い。

『あの〜会議始めたいんですけど…』と言う気にもなれず,

『よっしゃ!いただきます!』とパンをかじりながら,他の親御さんを待ちました。

遠いところから仕事終わりに車をかっ飛ばして参加してくださった方もいらっしゃり,

19時10分。ようやく会議はスタート。(予定より40分遅れ。)

ここからがブラジル人のすごい所。

4. やるときはやるんです それがブラジルなんです

日程や時間にはややルーズな所がありますが,いざ始まると取り掛かる姿勢はすごいです。(一人だけ会議中ず〜っと編み物してるお母さんは居ましたが。笑)

会議はガンガン自分の意見を出すし,それを取りまとめる役もしっかりと居て,無駄な時間が一つもない。

もちろん拙いポルトガル語を話しながら司会進行をする私へのフォローも完璧。

おかげで,新しい課題もしっかりと見つかった良い会議になったと思います。

(この“始めるまでは時間がかかるけど,取り掛かればすごい”という体験から,2016年のリオオリンピックの時に,競技に使うスタジアムの工事,果たして開会までに間に合うのか?という世界中の不安の声を浴びながらも,土壇場での強さを発揮し,なんとか間に合わせたというニュースを思い出しました。ブラジル人の底力はすごい。…ただ,それだけの力があるならもっと余裕持って見通し持って動けば,とんでもない力になるのにね。笑 でもこれが文化の一つなんでしょう!)

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会議の最後には,日本文化を紹介するビデオを見てもらい,会議を締めました。

内容は,なぜ日本人は“お願いします”“ありがとうございました”“いただきます”“ごちそうさまでした”の発声と作法を大事にしているのかというもの。

以前,初練習の際に選手たちに見せたあの動画です。

保護者の中には,日本の文化が好きで,子どもにそれを学ぶ機会を与えたいということで,日本文化が残る野球を習わせている方も多くいらっしゃいます。

しかし,前回の記事にも書きましたが,どんどん世代交代していく中で,形は残っていても本来の持つ意味を伝えられる人が少なく,意味そのものが薄れていってしまっているというのが現状。

それを私自身が感じたため,今回の機会を利用し,親御さんにも説明することにしました。

これが大ウケしたようで,「こういう意味を含んでたんですね。知らなかったです。」や「他にも日本の礼儀作法を知りたい」「(リオオリンピックでも話題になった),日本人が試合後のスタジアムのゴミ拾いをしていたニュースがここ(ブラジル)でも話題になりましたが,こういうことだったんですね。理解できました。日本の精神は素晴らしいです。」という感想を聞くことができました。

まとめ

初めて行った会議でしたが,このたった一時間半の間にブラジル人の性格がギュッと詰まっていたように感じます。

日本とは180度違った文化や考え方の違い。

同じ時間を生きる人生において,何を大事にするのか。

“会議よりも家族?約束の時間よりも今?準備よりも結果?”等々

正解がどれかって絞るのは,人それぞれの考え方があるので難しいですが,

一回の会議でそういったことを色々感じられたのがすごく面白くて,世界には本当に様々な考え方や感じ方,捉え方があるもんだなと勉強になりました。

また,この会議の準備から当日の動きの中で,結局はコミュニケーションが一番大切なんだなと改めて感じました。

一人で“どうしようどうしよう”と考えていても埒はあきません。

こんなことで頼っていいのかな?力がないと思われるかも。と思うこともありますが,結局相手はそんなこと一切気にしてないんですよね。

むしろ頼ってくれてありがとうと相手は喜んでくれてるかもしれません。

そのちょっとした恥じらいで,自分で自分に蓋をして,とてつもない時間と労力をかけてしまい,しんどい想いをしてしまうのはもったいない。

コミュニケーションを取って,分からないことは分からない。できないことはできない。分かるまで教えてほしい。助けてほしい。と言えることが,活動はもちろん人生のいろんな役に立つのかなと感じました。

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