「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(9)
前回の続きです。廣瀬さんにとって、ラグの有りとラグ無しは、二項対立の概念では無く、もっと柔軟に捉えていたよ、というお話。さらにヒロセさんにおけるオーダーの様子、その一端もご紹介したいと思います。
私は廣瀬さん以外のビルダーさんにオーダーしたことはありません。他のビルダーさんと、それほど突っ込んだお話をしたこともありません。ですから廣瀬さんのオーダーを他と比べることは出来ません。
また、廣瀬さんのオーダーと一言で言っても、その有様はオーナーさん毎に千差万別でした。
「いつものやつ」と仰り、毎回ほぼ同じ設計のフレームに新しいコンポを組み合わせる方。作って欲しい寸法を紙に細かく記して来られる方。他で断られた工作や、ご自身が考案された工作を持ち込まれる方...。
ただ、どのオーダーにも共通していたのは、注文する側と注文を受ける側、双方が納得するまで話合った上で作られていたということです。
では、ラグ有りとラグ無し、スローピングとホリゾンタルの実例をご紹介しながら、その自転車の背景も少しだけ記していきたいと思います。
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カットモデルは物語る 7 「ラグとラグレス ホリゾンタルとスローピング(後編)」
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YouTube動画も含めた私のヒロセへの取材とアウトプットに対し、ご評価を頂ければとても有り難いです。どうぞ、よろしくお願い致します。(廣瀬秀敬自転車資料館 制作者)