#88 早過ぎるざる蕎麦
時間がないのでざる蕎麦でも啜り上げて行こうと注文したら、ものの1分も経たないうちに「お待たせしました」と言って店員さんがざる蕎麦定食のお盆を持ってきた。全然お待たせされていない僕は、予想を遥かに超えるその”早さ”につい「はやっ」と言ってしまった。僕としてはメールを返し、スケジュールを確認するなどしてざる蕎麦が来るまでの時間を使おうと思っていたので、正直リズムが狂った。ざる蕎麦が来るまでの間にやるはずだった事をやれずにざる蕎麦を啜ることになってしまったのだ。お客様をお待たせするのは良くない。しかし、早過ぎるのも考えものだ。
これは蕎麦に限ったことではない。僕たちの人生の様々な営みにおいて、早過ぎることは時として良くない。
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