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わたしとHBOC#4


『リスク低減手術』を受けるにあたっての術前検査…
特別な検査は特にない。
1度経験している検査を一通り。
採血、エコー、マンモ、MRI…淡々とこなす。
併せて私はCA19-9が高値をキロクし続けていたので、腹部超音波も受けた。
負荷式心電図検査は初めてだったが、本気で体力が落ちたのを思い知った。
私はそんな中、肺機能検査について、思い出したことがあった。
初発の告知の当日、何が何だか分からない状態で呼吸が浅くなり、器具を持つ手は冷たく震えていた。
スパルタな技師に何度もリトライさせられ、泣きそうになりながらやっと終えたのだ。(速攻転院した。)
今回は上手ですねと言われながら、難なくクリア。
知識も得て、逞しくもなったと実感した。
そんな時、私は度々想像する。
今日も沢山の人が癌と診断され、一呼吸置く間もなく、当時の私のように心で号泣しながら、検査に次ぐ検査をしてる人がいるんだろうなと。
様々な疑問符を携えながらも、治療を受けたい自分自身に急かされる。
検査の流れに身を任せる。
自分のことなのに、そうじゃないような独特な感覚だ。
そんな中、私はザワザワしていた。
私が検査を進めていた11月〜12月にかけての都内の感染者数は200〜300人台を推移していた。
主治医に聞いていた
『私の手術は優先順位度が低い』という言葉に気持ちはゆらゆらするばかりだった。
あまりにコロナを気にする私に、日程を大きくずらすかという提案が出た。
怖い、しかし『+』が分かってしまった今、『取る』のみが頭を占拠していた。
またいい患者になりきろうとした私は、変更の申し入れを躊躇していた。
受診した日の帰り道、毎度のようにシクシク泣いた。
こんな状況で、周囲に迷惑を掛けてまでするべき手術なのだろうか。
年末に差し迫った年内最後の受診日。
日程だけではなく、病院の転院を考えている旨を思い切って伝えた。
(転院の理由は色々ありますが、あえて記載は避けます。)
それでも迷ってる私に旦那は言った。
いつもはハッキリと物を言わない人柄で私に合わせてくれる旦那が言った。
『俺は〇〇病院に転院すべきだと思う!きっと間違いない。』

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