写真展に向けて準備したことと費用
「わたしのSuomi」写真展をするために、私が準備したことをまとめました。この記事は、「これから個展を開催する人」向けに綴っています。ほぼ無料でお読みいただけますが、実際の金額部分のみ、有料としています。
どんな写真展だったのか
まず、私の写真展がどんなものだったのかお話します。全くの素人が、ひとりでつくりあげた写真展。きっとその道のプロの方、写真展を何度もされている方から見たら、笑われてしまうかもしれません。でも、自分でつくりあげた、というところが私にとって、とても大きな財産となっています。
【タイトル】 わたしのSuomi フィンランド写真展
【会場】 地元の小さな美術館のロビー
【会期】 約3カ月
【展示数】 写真約50点(パネルA2、A3、A4、ましかく)、ほか雑貨
まずやったこと
本来なら、「どんな写真展にしよう?」「タイトルは?」「どの写真を飾る?」「コンセプトは?」などを考えるのかもしれません。ですが、私がまず初めにやったことは、会場をおさえることと、もうひとつ
フィンランド大使館への後援申請
でした。
後援とは?
後援とは、読んで字のごとく、後方からの応援です。主には公の機関や企業などからの、「写真展の開催を応援していますよ!」という意思表示です。お墨付きですね。これ、もらっておくと、個展にハクが付きますのでオススメ。もちろん、その名に泥を塗らないよう、成功させることが大前提です。
18年間公務員を勤めた私は、「後援申請を受ける側」にいました。イベントや、展示会など、様々な後援の申請を受けました。その私の肌感覚ですが、基本的に無関係だったり、よっぽど変な内容でない限り、申請は承認されます。
申請先と、開催しようとする個展に、関連があって、企画書でそれが伝わればOKです。
また、後援機関が、その個展について発信してくれる場合もあります。私の場合はフィンランド大使館でしたが、個人で申請するなら、お住いの地域の役所に申請するといいでしょう。地域の広報誌などにも掲載してもらえることがあります。無料でできる広告だと思って、ぜひトライしてみてください。
フィンランド大使館さま後援
そんな知識があったので、まず後援申請をしました。企画書をおおまかに作り(企画書を作ることで、写真展のアウトラインが見えてきます)、自分のSNSやこのnoteのURLなども添付して申請。10日もしないうちにOKのメールが届きました。イベントカレンダーにも掲載していただきました。
そして、フライヤーにも堂々と書き、配布すると、受け取った人が
「えぇ!?大使館の後援!?」
と、多くの人が驚きます。インパクトもありますし、なにより
ちゃんとやろう、後戻りできない
という、自制がはたらき、準備に身が入るのです。いつまでもだらだら準備して一向に決まらない、というタイプ(私のような)の人には、この方法はオススメです。
写真の選定は時間がかかる
展示する写真を50枚に絞る作業が、一番時間がかかりました。私の場合は、1ヶ月の滞在中に撮影したものや、過去の渡航で撮影したもの2,000枚の中から選びます。好きな写真は50枚にはおさまらず。ここで初めて、「テーマ」を絞りました。
なにごとも、やってみながら、進む方向を決めるタイプです(笑)。大まかにテーマを「森」「街」「暮らし」に絞りました。好きな写真だけど、このどれにも当てはまらないものは、外れていきました。残ったのは、私がスタメンと思っている写真と、忘れていたけど案外いい写真だな、と思う写真。見返してみると、掘り出し物があるので、これも選定の楽しさのひとつかもしれません。
写真が決まったのが開催の約1ヶ月前。ひー。
写真のプリント
額装の写真にすると、準備も管理も飾るのも大変だと思い、パネルにしました。パネル印刷をしてもらえる業者さんはたくさんあれど、好みの仕上がりがなかなか見つからず。あちこち探し回ってたどり着いたのが、FLAT LABOさん。サイトの印象からして、素敵…ここは期待できそう!そして、期待以上の仕上がりで大満足でした。
対応も細やかで、親切です。私は今のところ、写真のパネル印刷はこちら一択です。サイトを見てみると、写真展のプロデュースもされているそう。なるほど。
写真のサイズ
予算の関係もあり、写真のサイズは最大でA2。でも、天井の高い空間での展示でしたので、もっと大きくてもよかったなと思っています。会場の広さ・天井の高さに釣り合うよう、大きすぎる!と思うくらいの大きさにプリントすることをオススメします。家の壁に飾るのとは、印象が全く違いますから。
オリジナルグッズ作成
写真が決まると、ポストカードやカレンダーなどといったオリジナルグッズへの活用が決まります。紙質、仕上がり、プリントの速さでTOLOTさんを愛用しています。
グッズと合わせて、自分の簡単な名刺(IDカード)もオーダー。この名刺、表に写真やイラスト、裏面にQRコードと3行以内の文字(ただしアルファベット)というシンプルさ。いろいろ入れ込んでしまいがちだけど、このシンプルさが逆にいい。情報はQRコードで誘導するサイトやSNSでカバーできるしね。
協力依頼
展示の装飾やグッズなど、自分ではできないこと、この人にお願いしたい!と思うことを頼みました。
会場に飾るヒンメリを作ってもらう
フィンランドのポストカードなど雑貨を送ってもらう
会場を装飾する木のオブジェを借りる
その他にも
オリジナルコーヒーをオーダーする
北欧関連雑貨の出店
をお願いしました。
写真以外の展示物
写真以外に、オブジェなどの展示物も準備が必要です。
フィンランドつながりの友人に、「ヒンメリ」を3点、作ってもらいました。マリメッコのビンテージ子ども服を壁に吊るして展示しました。ハンガーは、展示後、自宅でも使えるよう、服が滑らないドイツのMAWAハンガーを。
会場のシンボルになるような、立体物が欲しかったので、フィンランドLovi社のツリーオブジェ(100センチ)を準備しました。
立体物があるだけで、会場に奥行きが出ます。写真だとどうしても平面的で単調になりますが、これらの展示物のおかげで、楽しい空間になりました。また、お客様に写真を撮影してもらえるポイントにもなります。
購入したもの一覧
主にグッズ販売用の物品、展示用消耗品を買いました。
ポストカードの種類が多いため、段差をつけて展示ができるこれを。予算がない場合は、100円ショップなどで、木製のプレート立てを代用しても。
写真の説明パネルや、その他もろもろ、業者さんに発注できるものはしたほうが楽です。私の場合、そこに至るまでの準備に時間がかかったので、全て自分で行いました。早めに写真選定ができれば、パネルの印刷などは発注できたと思います。
無料だったもの
会場使用料
美術館は常設展をしているので、写真展はロビーでの展示です。美術館によっては、使用料がかかる場合があると思います。イベントスペースやギャラリーなどは、有料がほとんどだと思います。地元で無料で借りることができる、公営のスペースなどがあれば、経費をおさえることができるので、探してみるのもよいでしょう。
企画運営費
写真展の企画、設営、展示用キャプションの準備、販売グッズの準備など、すべて自分で行ったため、費用はかかりませんでした。しかし、自分の時間と労力を人件費とすれば、かなりかかっています。収益が見込まれる場合は、委託すると楽になります。
開催する目的は利益ではない
前述のものが無料だったとはいえ、正直に言いますと、かなりの赤字です。
入場料は美術館常設展への入場料であり、私の写真展の入場料ではありません。そのため、入場料としての収益はありません。
それでもこの写真展は、フィンランドの写真を届けたい、自分の活動を知っていただきたい、今後の活動にもつなげたい、という「自分の広告」という位置づけで行いました。
たくさんの人にお越しいただき、お話ができ、感想を肌で感じ、本当に貴重な経験となりました。
写真展を見てくださった方から、お仕事につながったものもありました。
金額一覧
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