「議会の見える化」に取り組んでみよう(まえがき)
議員の任期を満了して半年弱になります。地域に出れば多くの方ととお話しになります。
その中、特に私と同じくらいの世代の方から「議員の経験を活かして、議会の見える化ができないか」ということが話題になります。
複数の人から条件が出されているので、ひとつにまとめると「議会だよりや議員の個人活動報告では、わかりづらいし、書いた人によって偏ったものになるので、議会の中身の結果から、もっと工夫された時代にあったもの」というかなり難易度が高いものなのです。
似たような話は議員の時から出されていて、考えてはいたものの、なかなか策が浮かばなかったのですが、ようやく実現に至りました。
◇ 見える化の具体策
皆さんの話からいろいろと考えて、次をまとめることにしました。
市議会本会議で、各議員の発言回数をまとめる。(優先度高)
予算・決算の審査でどんな話題が出ているかを整理する。
一般質問で、執行部との議論を可視化する。(優先度低)
この3つにした理由はというと・・・、
1は「議会は言論の府」と言われています。そして「議論する場」でもあります。となると、議員は発言するのが仕事というか当たり前のことです。
また、そもそも選挙では、公約が出され、市民から要望を聞きます。これを実現するために、発言するのが必要になります。
そこから、どのくらい発言したのかを、本会議での累積発言回数として計測することにしました。
調べてみると、全国的に市民団体による取り組みがあって、「議長の発言はカウントしない(進行的な発言が主なため)」「主体的な発言を数える」という条件が多いようなので、それにならうことにしました。
改選後の議長選への立候補演説や本会議での委員会報告は抜いています。
2は、市の予算や決算の審査で、市民の要望や疑問、課題が取り上げられているかを確認するためです。これも上記1と同じですが、こちらはその内容に迫ります。
また、市民と議会、執行部の考えていることに、かい離が無いかを見たいと考えていました。
こちらも上の1と、条件を同じにしました。(議長ではなく、委員長になるのが異なるところ)
3は、一般質問を一目(ひとめ)でわかるものを作りたいと考えていたところから課題としていました。
ただし、こちらは数が多い(質問議員が多い)ので、優先度は低めにしています。また、過去の一般質問についても、分析していきます。
◇ 見える化の準備(技術的な背景、みたいな?)
準備として、名取市議会の会議録(ネット公開版)を活用しました。
ここから、必要となる会議録をhtmlでまるっとダウンロードして、自家製のpythonプログラムでTSVファイルに変換して加工しやすくしました。(コンバーターでしょうか)
CSVファイルにしなかったのは、数字の桁合わせでカンマを使っているためです。
このプログラムはGitHubに公開しています(メンテしてないけど・・・)
発言数の計測も、Pythonで組んでいます。
また、Pythonの動作環境はDockerを使っています。
ここまでは、kubuntu上に環境を構築して開発みたいなことをしています。(WSL+Ubuntuも視野に入れていますが、まだ先の話になりそう)
TSVファイルになった会議録データを、テキストマイニングで広く活用されているKH Coderで分析しています。
こちらWindowsのみなので、WindowsPCで動かしています。
KH Coderで言葉を抽出するにあたり、辞書をどうするか、というのも頭を悩ましたところです。
当初は最新の言葉が登録され得ているUnidicを使っていましたが、議会や行政で使われている言葉に弱い感じがしたので、mecab-ipadic-neologdに切り替えました。
未知語が出た場合は、複合語としてKH Coderに読み込ませています。
発言回数のようなグラフの方が良いものの公開については、データ可視化サービスの"Flourish"を使います。どんなサービスなのかは、こちらのnoteがわかりやすいと思います。
こんな感じで準備をしてきたので、いよいよ実際に結果を公開していきますし、これからも研究を深めていきたいところです。
◇ 今後の進め方と考えている課題など
今後も少しずつですが、過去のものも整理していきます。
課題としては、プログラムの改良でしょうか。独学で進めたところがあるので、さらに効率の良い方法があれば改良したいというのがあります。技術的な支援や協力が欲しいです。
この先にはGiNZA(日本語NLPライブラリ)を活用した、さらに進化したものにしたいと考えています。