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京東(JD):FY2021 2Q |継続的に成長、市場も好感

ここ数ヶ月、中国テック企業の株価下落が続き、各社の4-6月期の決算に注目集まっていた中で、中国大手のEコマース企業である京東 JD.com (読み方:Jingdong ジンドン)がFY2021 第2四半期(4-6月)決算を発表したので解説します。

0.京東(JD.com)とは?

京東(JD.com)は1998年に創業した中国2位のEコマース企業で、直販型のモデルを採用しています。

JDの物流サービスは、直営・迅速・ハイクオリティで知られており、JDはこのサービスを維持するために、倉庫建設、設備更新および配達員の雇用に多額の資金を投じてきました。

JDの無人物流倉庫が凄すぎるので、ぜひ下の動画を見てみてください。

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1.FY2021 第2四半期(4-6月)業績ハイライト

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JDのFY2021年第2四半期(4-6月)の売上高は前年同期比(YoY)+26%のRMB253.8b(約4.0兆円)、営業利益はRMB300.8m(約50億円)となる増収減益となりました。

2Qの直近12ヶ月のアクティブ・ユーザー数がは5億3,200万人に達し、YoYから27%増となり、2Qには3,200万人の新規ユーザーを獲得したことが寄与

最近の傾向と同様に下沈市場(三級都市以下の都市及び農村)からの流入するユーザーが約80%をしめ、この層が購入転換につながっていることが売上に寄与してるようです。

またJD plusプログラムの有料会員数はYoYで30%増となり、中国最大の有料Eコマース会員プログラムとしての地位がさらに強化されています。

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続いてセグメント別の売上高です。

【Net product revenues(物販):全体の86%】
物販のがYoYで23%増加となるRMB220bn(約3.6兆円)、食品や日用品などが牽引

【Net service revenues(手数料):全体の14%】
一方マーケットプレイス型からの手数料収入やフルフィルメントサービスなどから構成される手数料の売上高もYoYで49%増加となるRMB34bn(約5,600億円)

2.決算のハイライト

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分野別でみてみると、Eコマースでは618商戦(京東の創業祭:6月1日~18日)の取扱高がYoY27.7%増を達成し、パンデミックの追い風真っ只中の前年同期比で23%増加

LVMHグループとのパートナーシップ強化によりBVLGARIをJDミニアプリ内で提供

JDの物流(JD Logistics)が5月28日に香港メインボードに上場、約3400億円を調達し、物流拠点の整備や技術開発への投資を継続

2021年6月30日時点で、JD Logisticsは約1,200の倉庫を運営しており、その総床面積は約2,300万㎡

新規事業の1つであった個人ユーザー向けの中古IT製品取引プラットフォームの「愛回収」を運営する万物新生が6月18日に米NYSEに上場

また今後の業績について、中国当局による規制強化で大きな影響は受けないとの見通しを示し、「業界の長期的かつ健全な発展のためには良いことだと考えています。」との述べています。

3.市場の反応

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JDの株価は他の中国テック企業同様に2021年2月にピークを付けてから、2Q決算発表日前日までの間、約50%ほど株価下落が続いていました。

そして8月23日に発表された2Q決算が好感されて上昇には転じたものの、中国の規制当局によるさらなる締め付けが強まるとの懸念から上値が重い展開でしたが、8月24日の米国時間で強い出来高とともに約15%の上昇しました。

このところ中国の規制当局による規制強化のリスクが意識される中で、値ごろ感からボトムフィッシング(安値を探して買う)のは危険だと思って静観していましたが、8月24日にはPDD、テンセントなども含めて力強い上昇に転じている局面となっていることから、潮目が変わった可能性もあり、”決算”以外の規制に係る好材料があったものと推察されます。

このあたり近日中に別の記事で中国株の暴落や買い時についての考察をまとめたいと思います。

4.最後に

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今後もアメリカに上場するテック企業を中心に企業動向や決算などを解説していきますのでぜひNoteやTwitterのフォローをお願いしますm(- _ -)m

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