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えんとつ町のプペル

今日のおすすめの一冊は、西野亮廣氏の『ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある』(kadokawa)です。その中から「日本中から笑われた夢」という題でブログを書きました。

西野氏は、本書の「はじめに」の中でこんなことを書いています。

毎日、朝7時から翌朝4時まで働いています。おかげで目の下には大きなクマ。ノロマな僕は、労働時間で帳尻を合わすことでしかこの世界に存在することができません。とくに今は『映画 えんとつ町のプペル』の公開前で、一人でも多くのお客さんに見に来てもらう為に、西へ東へドブ板営業。
数字的な話をすると、ライブや個展であれば数万人動員すれば「成功」ですし、書籍だと数万部~数十万部売れれば随分チヤホヤされます。ところが映画となると話は別です。『映画 えんとつ町のプペル』は100万人動員しても興行的には「失敗」だそうです。毎日毎日、前売りチケットを手売りしていますが、「100万人」は足し算で届く領域ではありません。
どれだけチケットを手売りしても、どれだけ広告を仕掛けても、安心できることなどありません。むしろ、やればやるほど「ダメだったときの傷」が深くなるので恐怖が増していきます。ああ、怖い。もうすぐ映画公開だ。ここ最近、ずっと震えています。今回はただでさえ厄介な勝負だというのに、何のつもりか、このタイミングで面倒な敵が現れました。
僕らのお仕事は、お客さんの安心・安全の上に成り立っています。どれだけ素晴らしい作品を作ろうが、お客さんが生活に困っていたら、届けることができないのです。(中略)最初は「よりによって、なんで今年なんだ」と思いましたが、対応に追われているうちに「きっと神様めいたものに試されているんだろうな」と思うようになりました。望むところです。
やってもやっても仕事が終わりません。今日中に終わらせなきゃいけない仕事が毎日3日分ほどあります。おかげで昨日の記憶がほどありません。一昨日のことなんて、全く思い出せません。昔の自分が別人に見えるようになったのは、いつからだろう。20歳の僕の延長に、今の僕がある気がしないのです。
「僕は昔、本当にテレビに出ていたんだっけ?」と思うのです。メモリーの容量がオーバーしているのか、記憶が猛スピードで消えていきます。きっと今日のことも、明日には忘れてしまうでしょう。だけど、2020年の毎日と、僕が絵本作家に転向してから、『映画 えんとつ町のプペル』が公開されるまでの日々は忘れたくありません。
そこにはたくさんの覚悟と、たくさんの傷と、たくさんの涙がありました。志半ばで死んでいった仲間もいます。狂うほど忙しくて次から次へと情報が飛び込んできて、古い記憶から順に押し出されていくのですが、それだけは忘れたくないので、備忘録としてこの本を書くことに決めました。
当時のことを思い出しながら書いたので、少し時間がかかりました。ちょっと嫌でしたが、これまでずっと隠してきた僕の女々しい部分も正直に書きました。僕には、日本中から笑われて、日本中から殴られても、捨てられなかった夢があります。

『映画 えんとつ町のプペル』は2020年12月25日に公開予定です。

『配達屋が落とした心臓によって生まれたゴミ人間。町はハロウィンの真っ只中で、ゴミ人間は仮装した少年たちと出会う。少年たちはゴミ人間が仮装では無いことを知ると汚い言葉を浴びせ、ゴミ人間を追い出してしまう。 そんな時、えんとつ掃除屋のルビッチと出会う。名前の無いゴミ人間に、ルビッチは「ハロウィン・プぺル」と名付け、二人は仲良くなり、夜まで遊んだ。 次の日、ルビッチはプペルに「『ホシ』を知っているか」と尋ねる。』(ウィキペディア)より

なお、西野氏は、「えんとつ町のプペル」は全編ネット上で無料公開するという、型破りなプロモーションを行っています。そして無料公開直後に売上が伸び、メガヒットにつながったといいます。その後、書籍の無料公開は出版業界の広告戦略の一つとして認知されたそうです。

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