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渋沢栄一の「論語と算盤」

今日のおすすめの一冊は、桑原晃弥氏の『逆境を乗り越える 渋沢栄一の言葉』(リベラル社)です。その中から『上手に語る人より「動き出す」人になれ』という題でブログを書きました。

本書の中に、渋沢栄一の「論語と算盤(そろばん)」についてこんなふうに書いてあります。

《右手に「論語」左手に商売》~私は『論語』で一生を貫いてみせる~ 「論語と算盤」は渋沢栄一の講演をまとめた本ですが、なぜ渋沢は商売と「論語」が共に必要だと考えたのでしょうか。渋沢は1873年に官僚を辞職して、当時の日本において官僚に比べて一段も二段も低く見られていた商売の世界に入っています。当時、商売には学問はいらないと考える人も多いうえ、欧米の国々からは日本人は信用をあまり重んじないとも見られていました。
ヨーロッパを知る渋沢は、こうした点を早くから危惧していました。明治維新以降、政治や教育、軍備では着々と成果を上げる一方、商売は期待ほどには発展せず、これを振興することなしに日本の発展はない、そのためには優れた人材が商売の世界に入り、尽力しなければならいというのが渋沢の決意でした。
しかし、こうした考えはなかなか理解されず、渋沢も同僚の官僚から「卑しむべき金銭に目がくらんだのか」と非難されます。その際、渋沢は「人間が勤めるべき仕事は至るところにある。官だけが偉いわけではない」として、「論語」を教訓に一生商売をやってみせる、と決心したのです。そこには商売を数段高い所に引き上げ、大いに発展させてみせるという強い覚悟があったのです。

渋沢栄一とよく対比されるのが、岩崎弥太郎です。岩崎は三菱という財閥をつくり人事や株式を一族が握るという非常に閉鎖的な経営でした。それに対し、渋沢は広く株式を民間から出資を募るという非常にオープンな経営を目指しました。同時に、「論語と算盤」という倫理と利益を同時に成立させる現代に通じる経営を目指したのです。

まさに、「日本をよくしたい」という一念で、公の利益を追求した人であったということです。今でいう「CSR(Corporate Social Responsibility)」という「企業の社会的責任」です。

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