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雑草の戦略に学ぶ

今日のおすすめの一冊は、稲垣栄洋氏の『雑草という戦略』(日本実業出版社)です。その中から「予測不能な時代を生き抜く、雑草という戦略」でブログを書きました。
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雑草の戦略の中に「多様性に価値がある」という話がありました。

野菜や草花の種子を播けば、すぐにそろって芽を出してくるが、雑草の種子がそろって芽が出てくることはない。色々な性質を持った種子があるから、次から次へと芽を出してくる。そのため、雑草は全滅することはない。草むしりをしても、除草剤をまいても、次から次へと芽を出してくる。
種子の性質がバラバラであるという「多様性」が雑草の武器なのだ。発芽のタイミングだけではない。雑草の種子は、さまざまな特性を持っている。あるものは寒さに強く、あるものは暑さに強い。あるものは乾燥に強く、あるものは病気に強い。雑草は、強みも個性もバラバラな子孫を残すのである。
雑草が生えている環境は変化する環境である。何が起こるかわからない環境である。ある雑草が、どんなに成功を収めたとしても、それはその場所の環境でたまたま成功しただけのことである。変化が起こる環境では、次の世代がどのような逆境の中で生きなければならないのか、わからない。
だから、雑草は自分の特性を次の世代に押しつけるのではなく、できるだけさまざまなタイプの子孫を残そうとするのである。雑草が生えている場所は「変化する環境」である。何が正しくて、何が間違っているかは、環境によって異なる。成功したかも結果論でしかない。何が正しいかは誰にもわからないのだ。
雑草は、常に「答えのわからない」環境に置かれている。どちらが正しいかわからないときに、どうするか。雑草の答えは、明確である。どちらが正しいのかわからないのであれば、両方持っておくことが正しい。あらゆるオプションを持つことが、変化に対応する上では重要なのだ。

現代は、VUCAの時代と言われています。VUCAとは、『Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)』のことですが、雑草の戦略が、我々がとるべき戦略とあまりにも似通っていることにビックリします。雑草の戦略を本書の中からタイトルだけピックアップしてみます。

「小よく大を制す」「善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なり」「強さとは、弱さを知っているということである」「逆境は味方である」「柔よく剛を制す」「変えられないものは受け容れる。」変えられるものを変える」「誰かが決めた『べき』を捨てる」「変化しないから、変化できる」「臨機応変」「変ずればすなわち通ず」「小さなチャレンジを繰り返す」「戦う場所はしぼる。武器はしぼらない」「いらない個性はない」等々です。

雑草の変化を生き延びるための究極の戦略は「種子」をつくること。つまり、子孫を残すことです。逆境をチャンスに変えるしたたかな成功戦略を、雑草に学びたいと思います。

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