『おもしろいね』は私のキラーワード【リレーエッセイ14 #あぁ愛しのコンプレックス様】
文坂ノエさん主催のリレーエッセイ「あぁ、愛しのコンプレックス様」のバトンを遠山エイコさん(こっこさん、お名前変わりました!!)からいただきました。リレー形式でみなさんがご自分のコンプレックスについて語る企画です。
昨年ドラマでも人気を博した『凪のお暇』。
原作のマンガもドラマも大好きで、どっぷりハマってしまいました。
主人公の凪は空気を読むことに必死になりすぎて、過呼吸でぶっ倒れてしまう。それをきっかけに会社もやめて引っ越して、東京の片隅でリセット生活をはじめ、様々な人と出会い成長していく話しです。
自分もいつの頃からか空気を読む。人の目を気にする。そんなことが染みついていて、大学生の時に過呼吸を起こした・・・と、凪ちゃんに共感せずにはいられず読み進めていました。
そんな中、ズキューーン!!と刺さってしまったシーンが。
この隣人ゴンさん(男性)からの「面白いよねぇ 相当」と言う発言。
凪ちゃんがこの時、ゴンさんをどれだけ意識したかはわかりませんが、私には刺さっちゃいました。
好きになっちゃうよね!?こんなこと言われたら。
距離の近さもあるけど、「おもしろいね」なんて言われたら惚れません!?
えっと、わたし異性同性問わず「おもしろい」と言われたらもうね、その人が気になってしまう。過去を振り返ってみると、そんな風に好きになったこと2度3度ではないのです・・・。
何故かって?
わたしが「おもしろくないコンプレックス」を持っているからです。
***
前々回のリレー走者Micaさんも書かれていましたが、みんなそれぞれ「人からよく言われる形容詞」ってあると思うんです。私は昔から「マジメ」「しっかりしてる」「いい子」・・・そんな言葉で形容されてきました。確かに学級委員を何度もやったし、部活では副部長をしたり財務担当をしたり・・・と「マジメでしっかりしている人」街道を歩んできたことは否定できません。
(でも実際はうっかり者で、数字に弱くてすぐ日にちや時間まちがえます。間違えすぎて本当にヤバいんです!!)
「マジメ」「しっかりしている」「いい子」これらの言葉はよい意味で言われていることは分かるし、そう言われたいと思う人もいると思うのです。
でもね、私にはこれらの言葉が素直に受け取れなかったんです。言われれば言われるほど、褒められれば褒められるほど歪んで捉えてしまう・・・。
自分の自信のなさ故に。
「マジメ」「しっかりしている」「いい子」=「つまない」
そう言われているように思えて、いつからかどんどん「つまらない人間だ」と自分に呪いをかけてしまったんです。
誰からも「つまらない」なんて言われていないのに・・・。
そんな「おもしろくないコンプレックス」が最大に膨れあがった大学時代、仲良しグループの中で、勝手にすねて「わたしなんてーー」を心の中で膨らませすぎ、大泣きし、過呼吸を起こして・・・と、こじらせまくっていました。
心の中で「私といて楽しいのかな」「どうして友達でいてくれるんだろ」そんなことを何度も何度も思っていた大学時代。
就職活動真っ只中、いつでも直球で素直な友人に、「会社の人がみーんな、ひろみみたいな人ならいいのに。」そんなことを言われて驚いたことが。「え!?嫌じゃない!?おもしろくないよ。」と答えると「えーーーなんで!?まじめでしっかりしてて、めんどくさいとこも全部おもしろいじゃん!!」
なにその答え!?って思ったけれど、何だかその答えに笑えてしまった。
正直、直球すぎて苦手に思った時期もあったけれど、彼女はいつも私のそのままを受け入れてくれていたんだと思う。「おもしろい」と思うかどうかは主観であって、どんな人にどんなことに「おもしろい」と思うのかは人それぞれなんだよね。
そして、いつも受け身で「私といて楽しいのかな」そんな防御ネットを張ってその場を楽しめていなかったのは自分の方だったと気がついてしまった。相手がどう思っているかを気にする前に、もっと自分の気持ちに素直に楽しむことの方がずっと大事だということにも。
***
この「つまらない自分」「おもしろくない自分」というのが、自分がかけた呪いのせいだと薄々気がついていて、では何でそう思ってしまうのか。そこを掘り下げてみると見えてくるのが、「嫌われたくない」という思いだと気がついたんです。
どうにも自分に自信がなく、人から嫌われたくない。もっとみんなから好かれたい。そんな思いがずっと根深く強くあるんですよね。
「マジメ」「しっかりしている」「いい子」
⇒「つまらない」「おもしろくない」
⇒「ダメ」
⇒「好かれない」「嫌われる」
⇒イヤだー!怖いー!
私の思考回路はこうなっていたんだと思います。
大学時代に思い悩み、"自分が楽しむこと”の大事さに気がつくことができたけど、今も気の利いたことも言えない。瞬発力も無い。相変わらず受け身体質。SNSを覗けばにぎやかで楽しい会話が繰り広げられていて、そこに入れない自分にふつふつと「おもしろくないコンプレックス」が湧いてきて、「だからダメなんだー」なんていじけてしまうこともあります。
でも、ちょっとしたことでも慎重になっちゃうのも、マジメな返ししか出来ないところも、それが自分だしなーー。まあ、仕方ない!!そう気持ちの切り替えも早くなってきました。
もちろん、面白みのある人にはなりたいので、
・その場を楽しむ
・自分自身をおもしろがる
・素直になる
を意識して精進していきたいと思っています。
***
私とは全く違うタイプの旦那さん。先日聞いてみたんです。
「ものすごくつまらない人って周りにいる?」
すると
「え、いるけど、ものすごくつまらない人はものすごくつまらないっていうおもしろさがあるから、結局つまらなくないんじゃない。」
あぁ、この人と結婚できて本当によかったと心底思いました(笑)。
これからもきっと、自信がなくめんどくさい私のことを「おもしろい」と思ってくれるはず。そして、この人を選んだ自分、結構おもしろいじゃん!!と褒めてあげたい今日この頃です。
***
バトンをいただいてから時間がかかってしまい申し訳ありません。
コンプレックスについて向き合ってみること。そして、こうやって書いてみることで見えてくるものがあるなーーと、改めて書くことの大切さを感じられました。
こんな機会をくれた前走者の遠山エイコ(こっこ)さん、この企画を考えられた文坂ノエさん、ありがとうございました。
それから、素敵なポスターを書いてくださった娯楽ないみさん。ありがとうございます!!お酒を飲む姿、とても気に入っています。
さて、次の走者は、おぎさんです!!!
育児noteピッカーでもあるおぎさん。noteを始めた当初はとってもとっても遠い存在で、少し構えてしまっていたけれど、おぎさんの前職が自分と同じ職業だったこともあり、交流をするように。その後イベントをきっかけにぐぐっと仲良くさせてもらっています。
(おぎさんの好きなnote2作品置かせてもらいます。)
実際に会うととても気さくで優しく、知れば知るほどそのアクティブさや行動力に惚れ惚れ〜。そんなおぎさんにもコンプレックスはあるのかしら!?あるなら聞いたみたいな・・・。そう思いバトンを渡したい旨を伝えると快く受けていただけました!!ありがとうございます。
おぎさん、どうぞよろしくお願いします。
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