それでもやっぱりBUMP OF CHICKENが好き
まさかバンプまで文春砲食らうとは…と最初に思ってしまった時点で、自分はよく分からない文化のよく分からない概念に囚われているんだなと何だか少し考えてしまった。チャマが不倫していてショックとか、え？何かの間違いでしょ？って思った次に、まさかバンプのメンバーがネタにされる日が来るなんて…と思った時点でアウトだと思った。バンプは神でも聖人でもなく、人間だし。そりゃあ一般的に不倫は良くない。でもそもそも根本的に間違っているといつも感じるのが、バンドのイメージ崩さないために結婚隠してたとか、プライベートネタはタブーとか、それが当たり前になってる風潮が良くないと思う。とっくに適齢期過ぎてる人たちが、結婚したって、してたって何もおかしいことはない。むしろ喜ばしいことなのに、それをよく思わないファンもいるから、事務所が隠す場合が多いのだと思う。こんなことを書いてる自分も、結婚してるかしてないかで他者と境界線を作ってしまう質なので、ほんとどうしようもない。ファンをがっかりさせないためにアイドルやアーティストは結婚してはいけないみたいなよく分からない概念に染まっているわけじゃないけど、なぜか不思議なことに結婚しているかしていないかで人間を判断してしまう。そんな自分にうんざりもしているから今こうして書いている。
例えば自分が大好きなHYDEさんはとっくに結婚しているし、ミスチルの桜井さんだって結婚している。最初は驚いたとしても、今では素敵な人だから結婚していて当たり前って思える。髭男なんてメンバー全員結婚したし。髭男は良いお手本になると思う。隠さず次々結婚発表したから、その方がファンもすんなり受け入れられる。けれど私の場合、やっぱりあれだけ売れてプライベートまで充実しているバンドだから、素直に受け入れられず、あまり聞いていない。なぜか興味が持てない。プライベートで幸せそうな人たちが失恋ソング歌っても、あまり心に響かないというか…つまりそういうこと。私たちはイメージに翻弄されて生きている。
バンプなんてあれだけこじらせた弱者の味方みたいな歌を作り続けていたから、やっぱりメンバーは独身でひとりでがんばっていて当然みたいなイメージがあった。メンバーも孤独そうだけど、がんばって生きているんだなとか勝手にイメージ作って、仲間意識持って、自分もひとりでがんばろうとか勝手に励まされてた。そういうイメージを持ってしまっていたことに今回気付かされた。
だから言いたかったことは、これからのバンドは髭男みたいにどんどん結婚発表すればいいと思う。どうしてそれにこだわるのかと言うと、結婚を隠さなければ、少しは不倫の抑止力につながると思うから。結婚を公表できないことを逆手に利用して、そういうことをしてしまう人がいるとすれば、既婚者ってことをもっと早く公で発表させておけば良かったんだと思う。変に隠したから、こういうことになったわけで。でもほんとに女好きって人は結婚を発表していても、不倫は避けられないけれど。つまりいろんな人と遊びたい人は結婚しないのが一番なんですよね。独身だったら、ここまで叩かれることはないだろうし…。
ちなみに、前にもどこかに書いたかもしれないけれど、個人的には不倫できるくらいの甲斐性のある人は嫌いじゃない。ひとりに執着して、ストーカーになってしまうような人と比べたら、いろんな人に目移りするくらいの人の方がまだ健全というかマシというか…。けっこう身近では執着するタイプの人を見てきたので、そう思ってしまう。
チャマなんてあんなに社交的だし、ムードメーカーだし、結婚していない方が疑問に思えたくらいで、結婚していても当然って思った。不倫相手とか奥さんとかファンとかたくさん傷付いた人たちがいるから、決して肯定できる行為ではないのかもしれないけれど、でもチャマもただの人間だったんだなと、親近感が湧いた。
藤くんの結婚で良い子のバンプが目立ってしまったから、こういう記事が出たんだろうけど、別にバンプが良い子じゃなくても良いし。私が関わってきた異性とたいして変わらないメンバーもいると知って、今まで良い子のバンプとして崇めていた自分を消し去ることができて、妙に安心もした。
少し話は逸れるけれど、乙武さんの不倫騒動の時も、美化されまくっていた障がい者も障がいのない人と同じく穢れた面もあるんだと知らされて、安心したことを覚えている。障がい者って美談のネタ、感動ポルノにされることが多いから、キレイな心であるべきみたいなイメージがあって、それを覆して、現実を見せてくれたことは良かったと思っている。
バンプも美化されていたんだなと気付いた。弱者にやさしくて、メンバー自身も臆病者を強いられて、孤独感をまとうバンドであるべきみたいに幸せになってはいけないみたいな呪縛さえあって、そういう固定概念をチャマが変えてくれたから、良かった。もっとイメージに囚われずに、自由に生きられる世界になればいいのに。
だから私は今回の文春砲は良かったと思ってる。バンプファンにメンバーのことを考えて、イメージも変えるきっかけをくれたと思っているから。ショックを受けて立ち直れず、離れてしまうファンもいるかもしれないけれど、それは仕方のないことで。でもきっと大方のファンは大丈夫なんじゃないかなと信じたい。だって藤くんがこんな風に歌い続けてくれるから。
《汚れても 醜く見えても 卑怯でも 強く抱きしめるよ》「Spica」
藤くんの結婚報道の時も、最初は驚いてしまったけれど、藤くんだって良い歳だし、あんなに素敵な人が独身でいることの方が不思議だし。藤くんも普通の人だったんだなとあの時もそう思った。結婚できるくらい人付き合いのできる人と分かって、孤独な人じゃなくて良かった。
これもあまり良くないイメージなんだけど、でも結婚できるかできないかで人を判断してしまう向きがある。結婚できている人たちってコミュ障じゃないし、友達もいるし、世渡り上手だし、仕事もできる人が多い。自分が結婚できない方の人間だから自分に向けて言うけれど、まぁ人付き合いが苦手だし、友達少ないし、いろいろこじらせてるし、仕事もぱっとしないし、お金もないし、趣味と言えばひとりで音楽を聞いたり、こうして物書きをする程度で、人間として魅力がない。(すべての結婚できない人に当てはまるわけではなく、自分の場合はということ。)
魅力的な藤くんやチャマが結婚できないわけがない。逆に一生独身だったら、不信感を抱くかもしれない。だから私はバンプのメンバーのプライベートに何があっても、だからってファンをやめることはない。むしろ醜さ、汚れは人間らしくてもっと好きになる。
大抵の人間の気持ちはよく分からない文化のよく分からないイメージで形成されているものだから、当てにしない方が良いと思う。勝手に孤独と決めつけて、勝手に賛美していたのは私たち。まるで「東京賛歌」。
《勝手に飛び出して 勝手に辿り着いた》
《勝手に選ばれて 勝手に嫌われた》
《嘘が多いのはどこでもだろう 星が見えたって どうせ飽きるだろう》
東京も育った街も、煌びやかなイメージで固められたアーティストも田舎にいるただの凡人も別に変らないんだと思う。変わらない人間なのに、良い子のイメージがあるほど、砲弾食らいやすくて、有名人って気の毒だなと思う。
そうか、今日は映画の公開日。文春は祝砲のつもりなのか…。バンプ祭りにしてやろうって魂胆？そういう大人の事情は嫌いだけど、でも逆に利用すればいいと思う。この記事が出なかったら、バンプのことを考えずに、親不知抜歯後のドライソケットのことばかり考えていたから、私は良かったと思ってる。バンプのことを改めて考えさせてもらったから。
なんか登録してるバンプ公式ラインでもコメント届いてたけど、楽曲に対する信頼は失われることはないと思う。歌詞は藤くんが書いてるもので、そりゃあメンバーとのやりとりや会話が反映されることもあるだろうけど、でもチャマ名義の歌詞ではないし。むしろこんな時も、藤くんの歌詞に救われると思う。さっき引用した「Spica」も「東京賛歌」も、こんなことがなければ今日、思い出すことはなかったかもしれない。私はチャマのおかげで、ますます藤くんが作る楽曲の信頼度がアップした。どんな時でも藤くんの楽曲は心の支えになるし、何か気付きをくれるなと。
楽曲の信頼が損なわれることはないけれど、バンドとチャマのイメージは多少は信頼度下がってしまったのかな…。まぁ時間が経てば解決すると思うけど。
最後に言えることは、相手を使い捨てみたいに雑に扱うと後々恐ろしいことになるよと。そっちは遊びのつもりでも、たとえ婚姻関係になくても、一時的ではあっても本気の気持ちを持ってしまう相手だっているんだから。しかも見た目のわりに真面目とかいう発言もあまりよろしくないと思う。見た目遊んでそうだから、軽く扱っても傷付かないだろうとか、そういう外見で判断するのは良くない。やっぱり結婚してるかしてないかは最初に出会った時点できちんと正しく申告するのが一番だと思う…。それさえあれば傷は減っただろう。楽曲やバンドの信頼キープするよりも、関係を持った人と信頼を築けていれば良かったのに。
とにかくもう良い子のバンプに囚われる心配はなくなったから、今後の新曲を楽しみにしている。ベイビーアイラブユーだぜくらいで驚いていた自分が今となっては恥ずかしい。ゲスい歌詞もありかもしれない。古すぎて知らない人もいるかもしれないけれど、「さざんかの宿」みたいな歌をバンプが歌っても、違和感なくなったかもしれない。隠しトラックじゃなくて、真面目にそういう歌もありかもしれない。別にバンプのイメージがどう変わろうと、私は聞き続けます。バンプの音楽への信頼は揺るがないし。