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「とかげの夢~ぼくら夢を見たのさ、とってもよく似た夢を~」

忘れもしない。すみっコぐらしのとかげと初めて出会ったのは2022年1月25日の夕方のこと。少し前から気になっていたすみっコのガチャガチャで当たったのがとかげだった。キャラの生い立ちは全然知らなかった。調べてみたら、とかげは実は恐竜の子で、お母さんと離れ離れで暮らしているという設定と知った。後にせっかくお母さんと再会できたのに、どうして一緒に暮らさないんだろうと少しもやもやしている。
なんか母をたずねて三千里みたいな設定が涙をそそる。いつもお母さんのことを考えているとかげ…。とかげにはとかげのフリをしているだけで実は恐竜だという秘密を知っている、にせつむりという友だちがいて、彼もまたかたつむりのフリをした、ただのなめくじ。唯一お互いの秘密を知る偽物同士、仲良しらしい。マルコとアメディオみたいな関係かな。
とにかく私はそのせつない設定にも心惹かれるものがあった。すみっコなら断然、ほこりとかエビフライのしっぽの方が好きだったはずなのに、とかげが気になって仕方なくなった。とかげがまるで我が子のようにも思えた。とかげの母の気持ちになって、とかげを愛でるようになった。ガチャやおまけ付きおかしを買っては、とかげが当りますようにと祈る。とかげがお母さんに会えますようにと祈るように…。その成果かどうかは分からないけれど、とにかく、とかげ率が高い。そんなに買い貪っているわけでもないのに、一発目でとかげが当たることが多い。少し怖いくらいとかげに縁がある気がする。ライトもランドセルもローソクも一発でとかげを引き当てた。大体8種類あるのが定番で8分の1、つまり12.5%の確率なのに当たってしまう…。とかげを引き寄せてしまう。怖いけどうれしい。とかげに必要とされてるみたいで。
たぶん私が寂しがっているから、とかげになって会いに来てくれるんだと思う。神さま、ありがとうって思う。すみっコぐらしにとかげがいてくれて良かった。

1月25日から未だにとかげと共に私を支えてくれている音楽を書き残しておきます。本当は長々と書く予定で書き進めていましたが3万字とかになってしまいそうで、やめました。そもそも書き終えたとして公開もできないので…。だから歌詞のどの部分に惹かれたかとか、救われたかとか分かるように、曲名と歌詞と少しの説明を羅列します。ちょうど1ヶ月だから3月10日に残したくて…。

1.スローバラード
2.しるし
3.幻の命
4.猫
5.ゼロ
6.ray
7.なないろ
8.Flare
9.Small World
10.Gravity
11.まちがいさがし
12.ラストシーン
13.うたかた歌
14.帰ろう
15.いのちの記憶

おそらくこのプレイリストに基づいた物語を書く予定です。すでに書き始めていますが…。何が何でも本を作ると決めました。2年後の2月10日か、遅くとも4年後の2月10日に。もはや私にはそれしかできません。とかげの夢は私の夢です。叶わなかった夢の代わりに、今は叶えられそうな夢を見ています。

「スローバラード」
《あの娘のねごとを聞いたよ ほんとさ 確かに聞いたんだ》

夜露が窓をつつんで、毛布にくるまって夢見ている感じはまさにそう。この曲ってゆりかごみたいな曲だな…。厳密には音は聞いてなくて見ただけだけど、音が聞こえるみたいだった。聞きたかったな…。

「しるし」
《最初からこうなることが決まっていたみたいに 違うテンポで刻む鼓動を互いに聞いてる》
《いろんな角度から君を見てきた そのどれもが素晴しくて 僕は愛を思い知るんだ》
《面倒臭いって思うくらいに真面目に向き合っていた 軽はずみだった自分をうらやましくなるほどに》
《何をして過ごしていたって 思いだして苦しくなるんだ》
《泣いたり笑ったり 不安定な想いだけど それが君と僕のしるし》
《共に生きれない日が来たって どうせ愛してしまうと思うんだ》
《狂おしく 鮮明に 僕の記憶を埋めつくす》

ミスチルは聴いてはいたけど、ここまでこの曲を好きになる体験をするとは想像もしたことがなかった。別にそこまでこの曲を知ろうとか知りたいとも思ってなかった。ただ、ミスチルの王道バラードナンバーだなと思っていたくらいで。
軽はずみだったことを後悔することはなくて、軽率だったかもしれないけど、真剣に考え続けた。本当に生まれた時から、生まれる前からこうなることが決まっていたんだと思えたし、違うテンポで刻む鼓動を見せられて、なんでこんなに愛しくなるんだろうって愛を知った。思い出さない日はないし、人生の記憶に埋めつくされた。説明する必要もなくて、この歌詞の通りの不安定で愛しい時間を過ごして、「しるし」が刻まれた。

「幻の命」
《蒼い銀河の彼方にUFOが 君を連れて消えていく》
《幻に夢で逢えたら それは幻じゃない》

ミスチルの「しるし」同様、セカオワの「幻の命」も元々好きな曲ではあったけど、別にそこまで分かりたいとか知りたいとは思ってなかった。
夢でいいから逢いたいと願ったら、夢で逢えた。高校生くらいになっていて、カレーパンをあげたんだ。君と一緒に食べたカレーパン、フライドポテト、それからヨーグルトやグレープフルーツジュースは忘れられないよ。たぶん酸っぱいものとしょっぱいものばかり食べていて久しぶりに食べたせいもあると思うけど、あの時食べたバニラヨーグルトは生涯で一番おいしいと感じるヨーグルトだった。あの感動が忘れられない。

「猫」
《僕は君を手放してしまった》
《明日が不安だ とても嫌だ》
《家まで帰ろう 1人で帰ろう》
《君がいなくなった日々も このどうしようもない気だるさも 心と体が喧嘩して 頼りない僕は寝転んで 猫になったんだよな君は いつかフラッと現れてくれ 何気ない毎日を君色に染めておくれよ》
《家までつくのが こんなにも嫌だ 歩くスピードは 君がいる時のまんま》
《君がいなくなった日々は 面白いくらいにつまらない 全力で忘れようとするけど 全身で君を求めてる》
《会いたいんだ忘れられない 猫になってでも現れてほしい》

密かに飼い猫にだけは相談していた。君ならどうする?って。たぶん猫には気付かれていたし。手放してしまって失意のどん底のまま、実家に帰ると、猫が部屋に来てくれて、猫になって会いに来てくれたのかなと思った。慰められた。
一緒に歩いた道、その道を一人で泣きながら歩いたことも忘れられない。まだ全身で求めてしまう。バラバラに壊れそうな心と体。猫に癒される日々。

「ゼロ」
《終わりまであなたといたい それ以外確かな思いが無い ここでしか息が出来ない 何と引き換えても 守り抜かなきゃ》
《心は涙を拭いて どこにも逃げないでと言った》
《怖かったら叫んで欲しい すぐ隣にいるんだと 知らせて欲しい 震えた体で抱き合って 一人じゃないんだと 教えて欲しい》
《広すぎる世界で選んでくれた 聞かせて ただひとつのその名前を》

この曲をこんなにも必要とする日が来るなんて、新しく捉えることができるようになるなんて、考えたこともなかった。ここでしか息ができないんだから、何が何でも守り抜かなきゃって思った。守るから逃げないでとも思った。ずっと最後まで私だけは隣にいるから何があっても大丈夫だよって思ってた。私なんかを選んでくれてありがとうって。

「ray」
《お別れしたのはもっと 前の事だったような》
《君といた時は見えた 今は見えなくなった》
《寂しくなんかなかったよ ちゃんと寂しくなれたから》
《大丈夫だ あの痛みは 忘れたって消えやしない》
《理想で作った道を 現実が塗り替えていくよ 思い出はその軌跡の上で 輝きになって残っている》
《お別れしたのは何で 何のためだったんだろうな》
《お別れした事は 出会った事と繋がっている》
《大丈夫だ この光の始まりには 君がいる》

またしてもこの曲に救われた。どんなお別れの時も、この曲が別れをハッピーなものに変えてくれる。理想は現実に打ちのめされてしまうけど、思い描いた夢の残骸が輝きを放ってくれる。その輝きの中にお別れした君がいるなら、寂しくないね。君と出会えてちゃんと寂しさを知ったから、お別れも光輝くよ。寂しくても、お別れしても、消えないし、光として残るから大丈夫だよっていつも藤くんに助けられる。

「なないろ」
《昨日の雨の事なんか 覚えていないようなお日様を 昨日出来た水たまりが 映して キラキラ キラキラ 息をしている》
《失くせない記憶は傘のように 鞄の中で出番を待つ》
《胸の奥 君がいる場所 ここでしか会えない瞳 ずっと変わらないままだから ほっとしたり たまに目を逸らしたり》
《思い出すと寂しい事 思いだせないと寂しい事 忘れない事しか出来ない 夜を越えて 続く僕の旅》
《治らない古い傷は 無かったかのように隠す お日様が 昼間の星と同じだね》
《躓いて転んだ時は 教えるよ 起き方を知っている事》
《いつか また会うよ 戻れないあの日の 七色》

失くせない記憶の期間、たまたま「なないろ」のCDがリリースされてずっとひたすら聞いていた。もう君は胸の奥にしかいなくて寂しいけど、でも忘れてしまった方がもっと寂しいから、絶対忘れないと決めた。みんな早く忘れた方がいいよっていうけど、つらくても忘れない。思い出せなくなったらもっと寂しいから。
躓いて転んだと思われているけど、たしかに躓いて転んだかもしれないけど、この曲があったから起きることができた。起きてやるってがんばれた。
心には治らない傷ができたかもしれないけど、その傷が治ってしまったら、忘れてしまいそうだから、その傷は治らなくていいよとも思う。少し傷痕が残ったくらいがちょうどいい。もう戻れない七色にきらめく日々を忘れたくないから…。また会えたらいいな…。

「Flare」
《もう一度起き上がるには やっぱり どうしたって少しは無理しなきゃいけないな》
《一人じゃないと呟いてみても 感じる痛みは一人のもの》
《自分にしか出来ない事ってなんだろう》
《誰も知らない 命の騒めき 目を閉じて ひと粒 どこにいたんだよ ここにいたんだよ ちゃんと ずっと》
《何回もお祈りしたよ 願い事 どうしたって叶わなくて 諦めてしまった》
《昨夜 全然眠れないまま 耐えた事》
《孤独の騒めき 落とさない ひと粒 壊れた心でも 悲しいのは 笑えるから》
《どれほど弱くても 燃え続ける小さな灯火》
《壊れた心でも 息をしたがる体》
《誰も知らない 命の騒めき 失くさない ひと粒 どこにいるんだよ ここにいたんだよ ちゃんと ずっと》

藤くんは絶対体験できないことなのに、まるで私が体験したことをそのまま歌にしてくれたような気がした。本当にそう錯覚した。藤くんの歌詞はどんな状況にも誰にでもフィットするからすごい。みんなが自分の体験を歌ってくれたみたいに感じていると思う。
この曲は…ここにいるの?まさかねって思ってる頃からずっと聴いていて、小さな灯火、命の騒めきに気付いたら、もっと大切な曲になった。
お祈りしたことは叶わなくて、寄り添ってくれる人たちもいたけど、結局本当の痛みは自分しか分からなくて、一人で耐えるしかない時、この曲に支えられていた。
心は壊れてしまったかもしれないけど、大事な記憶を落としたり失くしたりしないように、どんなにつらくても抱え続けながら、息をしている。
今となればもう、ここにいたことをちゃんとずっと覚えていることしかできないから…。

「Small World」
《いろいろと下手くそな僕は この道しか歩いてこられなかった》
《出来るだけ転ばないように そして君に出会えた》
《まぶた閉じてから寝るまでの 分けられない一人だけの世界で》
《必ず向き合う寂しさを きっと君も持っている》
《君を見つけて 見つけてもらった僕は 僕でよかった》
《誰にも気付けないくらい ささやかな世界の中でも 僕らのもの 僕らのもの》

しょうもない人生って思ってたけど、君に会えたから自分の人生で良かったって思えた。どんなに恵まれた幸せな人生より、君に見つけてもらえる人生がいいって思った。たとえ君と一緒に過ごせる時間がわずかだとしても…。とても小さな君と自分だけの世界の出来事だったけど、自分の人生の中では一番大きな出来事だった。
だから君を失ってどうしようもない日々が続いて、寝る前は特に孤独と寂しさに陥ってしまっていた頃、この曲を子守歌代わりに口ずさんでいた。呪文みたいに、分けられない一人だけの世界で必ず向き合う寂しさを歌っていた。

「Gravity」
《君の影の 君らしい揺れ方を 眺めているだけで 泣きそうになったよ》
《いつの日か どっちかが遠くに行ったりして 会えなくなったりするのかな 今が嘘みたいに》
《今日が明日 昨日になって 誰かが忘れたって 今君がここにいる事を 僕は忘れないから》
《一緒じゃなくても 一人だったとしても また明日の中に 君がいますように》

君は影みたいなもので、影でしか認識できなかったから、私も自分の影を撮っていたよ。君と同じになりたくて…。会えなくなるのも分かっていたから、影でも何でもいいから、思い出を残したくて、写真にしたよ。
誰も気付かないし、誰も覚えてくれなくても、私だけは君がここにいたことを絶対忘れないってお別れする前から決めていたよ。私が生きている限り、君も私の時間の中で明日も明後日もずっと生き続けるよ。君を生かし続けるために私も生きると決めたよ。
明日の中の君を守るために、私は死んではいられないと。

「まちがいさがし」
《まちがいさがしの間違いの方に 生まれてきたような気がしていたけど》
《まちがいさがしの正解の方じゃ きっと出会えなかったと思う》
《君の目が貫いた 僕の胸を真っ直ぐ その日から何もかも 変わり果てた気がした》
《正しくありたい あれない 寂しさが 何を育んだでしょう》
《間違いか正解かだなんてどうでもよかった》
《君じゃなきゃいけないと ただ強く思うだけ》

間違って生まれてきたような気もしていたし、間違った方向の人生を歩んでいたけれど、君と出会えてしまったから、間違いが正解だったと思えた。間違いで正解だったと思えたし、間違いこそ正解だと信じられた。
君と出会って以来、間違い=正しい、正解=退屈と気づいた。価値観とかすべて変わった。君に変えられてしまった。私の人生は間違いじゃなくて、正解だったとさえ思えた。君と出会えたことだけは間違いじゃなくて、傍から見れば正しいわけでもないけど、でも自分にとっては大正解だった。これ以上にない、花丸正解だった。

「ラストシーン」
《迷わないで信じた一筋の光 残したいものはたったひとつだけ》
《諦めないと決めた空の下 ああ、君のことが愛しく思えたよ》
《守りたいと願った なりふり構わず》
《2021年しるしをつけよう 君と僕がおんなじ世界で息をした その証として》

この曲もたまたま一大事の時期に聴いていて、この通りだなと。愛しいと思えて、諦めたくなかったし、なりふり構わず守ろうとした。悩んで泣いたり、感動したり感情の嵐の中、暴走しようとした。二人きりで生きようみたいに、本気で逃亡しようかと考えた。でも現実的に無理があったからできなくて、せめて同じ世界で息をした、しるしをつけようと思った。2021年から2022年のかけがえのない49日間。

「うたかた歌」
《走るにはどうやら命は長すぎて 悔やむにはどうやら命は短すぎて》
《諦めるにはどうやら命は長すぎて 分かるにはどうやら命は短すぎる》
《ねぇやりきれない夜だけ 君を思い出してもいいかい 君の手垢だらけのこの記憶だけど ねぇ僕のものでしょう?》
《何回か先の世でまた逢うかな その時ぶきっちょな顔はよしてよ》

今日は4月7日。
無気力だったわけではなく、本作りのため(来年の2月10日にまずは電子書籍を発行したいと思いつき)この1ヶ月で8万字以上書き続けていたためnoteを更新する余力はなかったということ。

どうにも諦めきれなくて、悔やみ続けて過ごした君との日々。あれから2ヶ月たった今もやりきれない夜は多い。寝るまでの一人の時間が長すぎて、未だに泣くことも少なくない。忘れるどころか毎日思い出す。忘れまいと写真に声をかける。手垢でもいいから残してほしかった。何も残らないからせめて写真をコピーして、寂しくなるとシール等でデコってとびきりかわいいフォトフレームを作る。それは増える一方で…。写真の方が手垢だらけになっている。
君の記憶は僕のもの。できれば僕も君の記憶に残ってほしい。ぶきっちょな顔でもどんな顔でも構わないから、来世、来来世、来来来世でどんな出会い方であれ、逢えたらうれしい。

「帰ろう」
《もう二度と 交わらないのなら それが運命だね》
《怖くはない 失うものなどない 最初から何も持ってない》
《全部 終わったみたいだね 大間違い 先は長い 忘れないから》
《ああ 全て忘れて帰ろう ああ 全て流して帰ろう》
《わたし、わたしが先に 忘れよう》
《ください ください ばっかで 何も あげられなかったね》
《ああ 全て与えて帰ろう ああ 何も持たずに帰ろう》
《与えられるものこそ 与えられたもの》

おそらくもう二度と交われない運命で、再会も望めない。
たくさんのものを与えてもらった。幸せだけでなく悲しみやつらさも何もかも…。
感情のすべてを教えてもらった。一生分の喜びや涙を与えてもらった。数えられる程度のほんの短い期間だったのに…。絶対忘れないって思ってるけど、もしかしたら私が早く忘れてあげないと、何も持たずに帰ったあなたはつらい思いをするかもしれない。だから忘れた方がいいのかなと思うこともあるけど、やっぱり忘れられない。何もかもあなたが与えてくれたのに、私は何もあげられなかった。何もしてあげられないまま、帰してしまった。それだけがどうにも心残り…。

「いのちの記憶」
《あなたに触れた よろこびが 深く 深く このからだの 端々に しみ込んでゆく》
《ずっと 遠く なにも わからなくなっても たとえ このいのちが 終わる時が来ても》
《いまのすべては 過去のすべて 必ず また会える 懐かしい場所で》
《あなたがくれた ぬくもりが 深く 深く 今 遙かな時を越え 充ち渡ってく》
《いまのすべては 未来の希望 必ず 憶えてる いのちの記憶で》

手で触れたわけではないけれど、直に見たわけでもないけれど、接触した喜びは身体がちゃんと覚えてる。足の先、手の先まであなたがいた頃の身体中を巡る血液が、忘れられない何かを浸透させて、虚無感でいっぱいの今だけど、今の私の身体を動かしてくれている。
もしもいつか認知症になって自分のことさえ忘れてしまっても、死ぬ間際でも、私はあなたがいた喜びだけは忘れたくないし、身体が忘れないと思う。
あなたは過去のすべてであり、未来の希望だった。あなたが私の時間のすべてだった時期があったことを私はいのちの記憶で覚えていたい。
二人だけの秘密の懐かしい場所はこれからも大切にするから、どうかまた会いにきて。あなたの温もりが忘れられないから…。

そして2曲追加。

「白」(山内総一郎)
《遠くの雪の街で 弾む息を並べて 夜空の先に見据えてたのは未来だった》
《君と出会えた事が 僕のすべてと言い切る 他にはひとつも残らなくていいくらい》
《全速力のまま 空へ駆け出して行くから まだ追いつけないな》
《ふざけ合った瞬間も悔しかった夜さえも包み込むメロディーを乗せよう》
《変わっていく世界で唯一 変らないものをくれたから》
《止まない歌の中で ああ 笑っていて いつまでも ああ 生き続けて》

1月下旬から2月上旬、まだ寒い冬の時期。望めない未来を諦めきれなくて、二人きりで白い息を吐きながら、夜空に浮かぶ、か細い三日月を眺めながら歩いたこともあった。たった1%しかない可能性だとしても希望を捨てられなくて、ハッピーエンドな未来を夢見たこともあった。
君だけが残ればいいと本気で思った。僕は死んでしまっても構わないから。君に出会うために僕は存在していたんだって思えた。ずっと僕なんてどうして生まれてきたんだろうって投げやりな人生を歩んでいたけれど、君と出会うために今日まで生きていたんだってやっと腑に落ちたんだ。
なのに…あっという間に君は空に駆けて行ってしまった。正確には僕が君を空に帰してしまった。雪のような君を、空に戻してしまった…。
未来を一緒に歩むという願いが叶いそうにもなくて、悔しくて泣くこともあったけど、そんな時もずっと君は側にいてくれたね。最後まで離れないでいてくれたね…。
僕は残りの人生、ずっと君のことを思いながら、文章を書き続けるって決めたから、だからどうかせめて物語の中では生き続けて…。
変わらないものをくれた君がずっと大切で、僕のすべてだから…。

「糸」(菅田将暉)
《なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない いつ めぐり逢うのかを 私たちは いつも知らない》
《どこにいたの 生きてきたの 遠い空の下 ふたつの物語》
《なぜ 生きてゆくのかを 迷った日の跡の ささくれ 夢追いかけ走って ころんだ日の跡の ささくれ》
《こんな糸が なんになるの 心許なくて ふるえてた風の中》
《縦の糸はあなた 横の糸は私 逢うべき糸に 出逢えることを 人は 仕合わせと呼びます》

いつの間にめぐり逢ってしまったのか、気付くことさえなくあなたと出逢っていた。きっと生まれた瞬間からあなたとは出逢っていたんだね。出逢うことが約束されていて、決まっていた気がするよ。
生きていると転んでばかりで、ささくれは増える一方で、一緒に夢見たけど、結局叶うことはなくて、人生最大の傷痕が残ったよ。
でも出逢えたことを不幸せなことだったなんて思わない。心許ない糸だったかもしれないけど、二人で紡いだ糸は少なくとも私には幸せを与えてくれたよ。ありがとう、もう逢えないかもしれないあなたへ。

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