ダンメモ 5周年記念イベント ナイツ・オブ・フィアナ 第一部 騎士栄華 感想(ネタバレあり)
この投稿にはメモ5周年イベント第一部のネタバレが含まれます。まだプレイしていない方はブラウザバックをお願いいたします。
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第一部から見事にオオモリ・大悪魔・フジノの本領が発揮されたダンメモ5周年イベント、皆さんは如何だったでしょうか????
この記事の作者はもうおなかいっぱいです
フィオナ騎士団がモチーフである以上、ハッピー展開ではないだろうな~、とは予想していたけど、こんなのアリか?????
そりゃあね、原典ともいうべきケルト神話・フィニアンサイクルのフィオナ騎士団だって、主人たる王に疎まれた挙句内紛で滅び去るわけですけれども、あっちはまだ「主人公・フィンマックール自身の罪」という要素がある分、騎士団の崩壊にも説得力があるわけですが、、、
この作品のフィアナは何も悪いことはしていないだろ~~~~~~~~
と、悲しい記憶ばかりが呼び覚まされてしまうので、まずは楽しかったところから順番に振り返ります
なんやかんやと仲が良かった小人組の前世
1000年後は逆になったリュールウ(リュー)とヘルガ(ライラ)
もうさっさと本編でも付き合うべきだろ、ラザル(ラウル)とフェリス(アキ)
強くてカッコいいお姉さんが怒るとめっちゃ口悪くなるのって良くないですか??
ダンまち世界の歴史を感じさせる一幕。魔石の存在やモンスターを素材とする考え方さえ、一般的には認知されていなかった古代の厳しさ
流石に21世紀のゲームではNGが出たフィアナ騎士団入団試験(気になる人はググってみよう!)
※確か元ネタでは大量の詩編・古典の暗唱も試験の一部だったはずですが、試験のネタにできるほど詩や物語が存在しない(それだけ人類が追い詰められ、文化に余裕がない)ということでしょうか。
フィンがライラから一歩引いてた理由はこれか~~(魂に刻まれた親分・手下)
「勇気」とは何か? ある意味永遠の問題に対して小人族が出した答えは「前」
人々の先頭に立って、前へ、希望へ、未来へ、突き進むことこそが小人族の、フィアナ騎士団の「勇気」
奇しくも千年後、人類の最前線でダンジョン攻略に挑み、人々の「前」に立っているのも小人族の英雄でした。
そして「前」へ突き進む騎士団の団長が見せる、その背中。希望を切り開く槍の穂先、何者よりも固く、鋭く、数多の魔物を屠ってなお止まらぬ無敵の勇者
記事の作者は大森先生の魔法の詠唱が本当に好きなのですが、リュールウのセリフも負けず劣らず、思わず口ずさんでみたくなる謎のリズム感があります。本物の吟遊詩人も、こうやって英雄たちの勲を語りついだのでしょうか。
作中ではヒール役でしたが、ゴォール団長はかなり自分好みのキャラクターでした
栄光を求め、野心に突き動かされ、友を殺してまでも突き進む凡人。自分はその器ではないと理解し、絶望し、それでもなお捨て去ることができない妄執。「英雄願望」の負の側面を、見事に描き出したキャラクターだったと思います。
そしてゴォール自身の夢は叶わなかったとしても、彼の人生が偽りに満ちたものであったとしても、彼の人生には確かに意味があったという結末も本当に好きです。凡人が積み重ねる努力、継承こそが築き上げる価値が確かにあるのです。
※ゴォール団長の元ネタは、おそらくフィアナ騎士団の「ゴル」でしょうか。フィン・マックールの親の仇ながら、フィンに敗れるとその実力を認め、忠実な部下となった騎士団員です。フィアナ騎士団とゴォール騎士団が都を救うために共闘する形となったのも、原典神話における騎士団の再統一を彷彿とさせます。
天界時代のロキ、実はこのシーンを見てた説ある(未熟な若者の勇気が切り開く希望、良いですよね)
そして始まる、ありふれた「物語」
ディムの他に、せめて誰か一人は生き残ってくれるものと期待しましたが、そんな甘い展開は許されませんでした。
「狡兎死して走狗烹らる」
強大な武力の持ち主は、いつの時代も為政者にとっては脅威ですが、それにしても余りに報われることがなかったフィアナ騎士団。この世界を覆う闇はモンスターだけではなく、人類自身の悪性でもある。
堕ちた英雄、コーマック王
アーティファクトの力があったとはいえ、5つの国を束ね、人々に安寧をもたらしたこの人も、かつては一角の英雄であったはず。そんな人物でさえ、死と裏切りの恐怖に苛まれ、猜疑心の塊となってしまう。国と民を第一に考えなければならない王の身でありながら、その心にはもはや己の保身しか残っていないのでしょうか。「上王」と呼ばれたその誇り、欠片だけでも取り戻してほしいものです。
※コーマック王のモデルもケルト神話におけるエリンの上王(アイルランドの5つの国を束ねる王、フィアナ騎士団の主)と思われます。
妖妃、グラニア
ケルト神話モチーフで名前が「グラニア」な時点で嫌な予感しかしませんでしたが、見事に破滅の引き金を引いてくれました。キャラクターデザイン(目とか本性を現した時の顔とか)といい、CV小林ゆうといい、もしかするとヴァレッタ・グレーテの前世でしょうか。第二部、第三部でも大暴れしてくれそうです。
この王妃の差し金でラザルとディムが敵対するシーンがあるのでは?と予想してしまい、自分でも陰鬱な気分になりました。ラザルの名字がディアミッド≒ディルムッドを連想させる名前になっているのも嫌な予感・・・・。1000年後の推定生まれ変わりよろしく、ちゃんと〇んで欲しいと願うばかりです。
姉として、最愛の家族だけは守り通して逝ったフィアナ
いつも鮮血に染まっている世界、化け物と疎む王と他種族。騎士団の頼もしい仲間たちがいてもなお、彼女の心は世界からの排斥によって常に傷ついていたのだと思います。そんな人生において、真っすぐに成長していくディムの姿が、どれほど彼女にとっての救いであったことでしょうか。
最期の最期まで、ディムの未来を案じつづけたフィアナ。世界が嫌い、と口にしながら、それでも「英雄」であることをやめなかったフィアナ。小人族の同胞が、何よりもディムが、健やかに生きられる世界を願って走り続けた彼女は、怪物などではありえない、紛れもない「英雄」であり「聖女」でした。
ディム、君の願いは叶ったよ
世界が嫌いだったフィアナ、赤い目に呪われたフィアナ。千年後の彼女もまた、世界に排斥され、世界を嫌う少女でした。しかし我々読者は知っています。白兎によって彼女が救われたこと、顔を上げ、未来を見据えて歩み続けていることを。彼女の魂は確かに解放されたのだと信じます。
新たな出会い
まさかPVで登場したディムの馬が精霊であったとは!!
「フィネガス」とは原典神話においてフィン・マックールの育ての親である森祭司(ドルイド)の名です。空白の10数年、ディムはこのフィネガスに育てられ、「フィン」となった、ということのようです。
フィン・マックールが「知恵の鮭」「親指」の力を手に入れたきっかけもフィネガスであったことから考えると、ディムがこの精霊に育てられたなら、物語終盤時点で「親指」の力を手にしている可能性もあります。
※なおCVや登場時のセリフから、この精霊はほぼ間違いなく神・ゴブニュの眷属と思われます。ゴブニュはケルト神話において鍛冶を司る三柱の神の一柱であり、「銀の腕」などのアイテムを作った神様です。
誓いは砕けた。勇者は死んだ。それでも俺は、進み続ける
未熟な少年・ディムはもういない。ここにいるのは「フィン」。瞋恚に燃える瞳を宿し、仇の前に立った一人の騎士。
第二部では彼の復讐が始まると予想されますが、その果てに彼はどこへ至るのでしょうか。「世界を嫌いにならないで」その願いを、彼は覚えているのでしょうか。
というわけで、ダンメモ5周年イベント第一部。まずは読了です。
大森先生・ダンメモスタッフの皆様、本当に、これほどの物語を送り出してくれて、ありがとうございます。
1か月後の第二部、「赤勇の唄」を聞きながら待っています。
追記:課金して何とか成し遂げました(ガチャは悪い文明)