日本の家計に資産運用を届けたい
今回は私がFOLIOで何をしたいのかについて書いていきたい。
まず初めに、日銀の発表している資金循環統計(速報)を見ていくと、2021年6月末時点の日本の家計に占める「現金、預金」の残高は約1,072兆円と家計全体1,992兆円の半分以上にのぼっている。一方で株や債券などの運用に回っている資産は全体の16%ほどとなる約326兆円に留まっている。
この傾向は、ゼロ金利政策が始まった1999年以前から続いており、実に20年以上の間、日本は働かない資産の割合が半分を上回る状況となっている。これを少しでも運用に振り向けてお金に働いてもらうことがこの先、最も重要な課題だと考えている。
ではなぜ、日本の家計はなかなか資産運用に向かわないのかと考えた時、一つの解釈としてイノベーター理論におけるキャズム(大きな谷)の存在を意識することで自分なりに課題解決の糸口をつかんだと考えており、これがFOLIOでやっていきたいことにつながっている。
イノベーター理論におけるキャズムとは、新しいサービスが普及していくとき最初に飛びつくイノベーター(革新者)、次にアーリーアダプター(先駆者)がきて、その次がアーリーマジョリティ(現実主義者)がいる。このアーリーマジョリティまで届くとそのサービスは急速に普及していくが、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にはキャズム(大きな谷)があり、ここに落ち込むとそのサービスの普及は止まってしまうというものである。
図にすると下のようになるが、これに日本の家計を照らし合わせてみると面白いことが見えてくる。
イノベーターとアーリーアダプターを合わせると16%になり、これは株や債券で資産運用を行っている割合と一致する。またレイトマジョリティとラガードで半分を占めるということは、このあたりが現金、預金に近い性格ではないかと考えられる。
となると、資産運用を普及させるうえで大事なのは、アーリーマジョリティにあたる保険、年金と比較的運用に回しやすい現金、預金になってくる。
ここで、キャズムを超えるために何が必要なのかを考える上で大事なこととして、キャズムの手前と向こう側で考え方と行動に大きな違いがあることに注目する必要がある。
キャズムの手前では、リスクを好み、面倒をいとわず、周りと違うことに価値観を抱く人たちが多い。しかし、キャズムの向こう側はリスクを嫌い、面倒なことを避け、周りと同じ方が落ち着くというように、全く逆になるのである。この全く逆の人たちに同じサービスややり方では、そのサービスが普及するはずが無いのは一目瞭然といえる。
それでは、キャズムを超えるためにはどうしたらいいかというと、面倒なことを嫌うので、ワンストップでニーズを満たす『使い勝手の良いサービス』にすることと、リスクを嫌って周りと同じことが良いので、似たような人たちの事例を提示するなど『安心感を持ってもらう』仕組みを作ることの2点である。
ここで本題に戻るが、この2つを満たす資産運用サービスを考えた時にたどり着いた答えが投資一任サービスであり、これを普及させることが私がFOLIOでやっていきたいことにつながっている。
投資一任サービスにおいては、投資運用業者がお客さまの資産を預かって運用を行うため、お客さまから見ると手間としては最初の契約手続きと入金くらいになる。運用手法も一般的には長期分散投資をベースにしていることが多いため、リスクをある程度抑えながら、長期的には世界経済の成長に合わせてゆっくり着実に資産を増やせる可能性の高い運用となっている。
また、最近のロボアドに代表されるオンラインサービスではアプリで簡単に運用状況を確認でき、中にはコラムなどのコンテンツもあって、昨年のコロナショックのような状況でも慌てず焦らず運用を続けられる仕掛けがある。
対面営業であれば、ある程度の資金(例えば500万円程度)が必要にはなるものの、営業担当者がアフターケアをしっかり行い、資産運用の伴走者としてサポートする体制が整えられていることが多くなってきている。
長期分散投資においては、運用を継続することが何より大切で、そのためには自分の許容できるリスク量に抑えたり、ライフイベントに合わせて入出金ができるようにするなど、さまざまな工夫が必要となってくる。
FOLIOが提供している4RAPは、オンラインと対面の両方に対応しており、機能面でも柔軟性を持たせることで、販売会社の工夫やノウハウを実装できる仕組みが備えられている。
1,000兆円を超える現金、預金が運用に向かうにはまだまだ先は長いが、私は4RAPを通じて日本の家計に資産運用を届け、莫大な資産が働くことで日本を元気にしていきたいと考えている。
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