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NISA、iDeCo、変額保険の税金について比べてみた

これは、FOLIO Advent calendar 2021 の11日目の記事です。

資産運用を行う上で切っても切れないのが税金の話。今年は私自身が転職に伴い企業型DCからiDeCoに切り替えたことと、長女の教育資金用に2007年から積み立てている15年満期の変額保険が14年目になり、来年の満期に向けて税金について調べる機会があったので、非課税制度の代表ともいえるNISAを加えた、NISA、iDeCo、変額保険の3つについて税金面から比べてみたいと思います。(下記の税制については2021年現在のものとなります)

まずNISAについては、2024年から新NISAとして制度変更が予定されていますが、2021年現在は一般NISAとして年間120万円の非課税投資枠が設定され、5年間は売却した時の譲渡益税が非課税となります。他にも「つみたてNISA」というものがあり、一般NISAとの主な違いは非課税投資枠が年間40万円、購入は積立投資のみ、非課税期間は20年となっており、一般NISAまたはつみたてNISAの選択性となります。

次に、iDeCo(イデコ)とは個人型確定拠出年金のことで、条件によって異なりますが、企業年金の無い会社員の場合は月額最大23,000円まで積立ができ、60歳以降に年金として払出すことができるようになります。

3つ目の変額保険は、運用実績に基づいて死亡・高度障害保険金や解約返戻金が変動する保険のことで、ここでは養老保険と呼ばれる変額有期保険を前提とします。

変額保険を契約したきっかけは、2007年に長女が生まれたので、教育費を積み立てようと思い、最初はあまり考えずにその時たまたまやり取りのあったライフプランナーに学資保険の相談をしたことがきっかけでした。

当時はリーマンショック前ではあったものの、すでに金利水準は低く、学資保険ではあまり増えないことがシミュレーションでわかり、「もっとリスクをとってもいいので、資産を増やす方法は無いですか?」と話したところ養老保険を紹介いただきました。

最初は「養老保険?娘の学資用なのに老人向けなのか??」などと疑問に思いましたが、いろいろと説明を聞くと特別勘定の中で組入資産の割合を変えて自分で運用できることを聞き、おもしろそう!と思ったので月々1万円弱のプランで契約しました。
今考えると、これが長期分散投資の効果を身をもって実感する、最初のきっかけとなった出来事でした。

あれから14年以上経ち、リーマンショック、コロナショックという10年に一度とも言われる大きな経済危機に二度も翻弄されながらも、私の場合は払込保険料が約165万円に対して解約返戻金は約330万円(2021年11月末現在)と、資産をほぼ二倍に増やすことができました。

しかし、この14年間は順風満帆の運用だったというわけではなく、最初の頃はマーケットに応じて自分でタイミングをみて資産比率を変えたりもしましたが、あまりうまくいかず、年に1回ほど行うライフプランナーと面談で最適ポートフォリオという考え方を教えてもらい、それをベースに株の比率を少し高めに設定して、後はあまり運用状況を見すぎないことで、次第にマーケットの動きに対する自分の感情をコントロールできるようになっていきました。

さて、話が脱線しましたが、本題に戻ってNISA、iDeCo、変額保険の税制について表にまとめてみました。iDeCo変額保険については毎年の所得控除もあるため、運用中と受取時に分けて確認してみましょう。

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まず特徴的なのがiDeCoです。運用中から掛金が全額所得控除と強力な節税効果を発揮(掛金:月2.3万円×12ヶ月=27.6万円、所得税率:20%と仮定すると年間で約55,200円の節税)し、受取時も年金または退職所得として扱われるため、税制面でも手厚く優遇されていることがわかります。ただ1つだけ注意なのが原則60歳まで引出しができないことです。

ここから考えられることは、老後資金としてはiDeCoや企業型DCを第一候補にすること。それもなるべく若いうちから少額でもいいので積立を始めることで、節税効果&複利効果の2つの恩恵を受けることができます。

NISAについては、通常は利益のおよそ20%が税金として取られるところを非課税にできるため、投資信託のような運用商品を購入するときはやはり最大限に活用すべきです。今後の制度変更もありますが、証券会社のHPなどにも解説があるので、それらを確認しながら活用しましょう。

最後に変額保険ですが、運用中の所得控除については、無いよりはましなものの新制度では最大4万円となるため、所得税率が20%と仮定すると年間でも8,000円程度の節税効果しかありません。iDeCoに比べるとだいぶ少ないですね。ただ、受取時の税金は契約者・被保険者・受取人の全てを本人にした場合は一時所得となるため、利益分(受取金額-払込保険料)のうち50万円が非課税となり、50万円を超えた金額のさらに1/2が課税対象となります。

所得税率が20%の場合は実質の税率を10%程度に抑えることができるため、投資信託などの運用商品にかかる申告分離課税20.315%と比べると約半分になります。契約期間が5年以内の場合は金融類似商品として源泉分離課税として20.315%の税率になるので注意が必要ですが、5年超の長期運用を行う際には選択肢の一つになると思います。

ただし、変額保険にはもう1つ注意点があります。それは、支払った保険料の全てが運用に回るわけではなく、一部は死亡時の保障などに使われる保険料となりますので、運用だけで見ると投資信託などの方が経費率は低く抑えることができます。

今回、契約していた変額保険については、利益が十分出ていることと来年が満期になるため、契約金の一部を今年のうちに解約し残りは来年の満期で受け取ることで、今年と来年の2回分の非課税枠を使うようにしました。
これにより所得税率が20%と仮定すると、今年の非課税枠(50万円分)を多く使えることから、50万円×20%×1/2=5万円を節税できた計算になります。

というわけで、NISA、iDeCo、変額保険の税金を比較してみましたがいかがだったでしょうか?それぞれに一長一短があるため、一概にこれが良いということは言えませんが、ご自身のライフプランなどと照らし合わせて税金の面からも効率的な手段を考えていきましょう。この記事が少しでも資産形成のお役に立てれば幸いです。

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