チェルノボグ追加以降のPvPの動向~メギドPvP考察~

8月30日、チェルノボグの性能が公開されたときにPvP界隈は戦慄した。何故なら彼はカウンタートルーパーに2ゲージプラスするMEを持っていたからだ。

これにより、フォラスバニー、Cビフロンス覚醒スキル、Bフォルネウス奥義という連携が1ターン目1巡目から可能になる。
フォトン条件が良ければ、チェルノボグがスキルでネクロを発動させてもいい。

この連携がPvPを完全に支配する、または壊すという意見は多々見られた。実際の所どうだったのかと言うと……どうもならなかった。

チェルノボグソリティア(勝手に命名)は、搦め手とそれ以上の速さを誇る編成に非常に弱く、大体3日もすると使う人はほとんどいなくなっていた。

だが多少なりとも変化はあった。今回はチェルノボク実装前後のPvP界隈の環境の変化を述べていきたいと思う。

なお私はPvPにほぼ毎日籠っているが、大体固定パーティ(CオロバスRでタナトスがスキル投げてキマリスがデスギフト撒いて最後にネルガルがエンジェりる編成)でやっているし、そもそもPvP界隈は非常に狭く、人読みが基本のような所もある。

結果として、「私から見た」以上の傾向しか述べられない。ご容赦頂ければ幸いだ。

1.PvP新女王、ブリフォー

まずチェルノボク実装前の環境の大きな変化としてはやはりブリフォーを外すことはできない。

高い素早さバフとコロッセオ。この2つが非常に強力で、特に後者は暴奏やネクロを封じることができる。ブリフォー実装当初はもはやどんなパーティでも彼女はピン挿しされていたと言っても過言ではない。

その中でも奥義に最短でアクセスできるブリフォーパイモンラッシュが一歩抜け出した……と言いたいところだが、これはそこまで流行らなかった。

1ターン目で勝負を決める高速パーティの常なのだが、搦め手に非常に弱かった。今のPvPではアクィエル、グシオン、フルーレティなど、とにかく相手の攻め手を止められるメギドは非常に多い。

その影響から、ブリフォーはパイモンラッシュのような初手奥義アクセス路線から段々とハイオロにシフトしていく。
ハイオロ自体が凶悪な編成であり、ブリフォーがMEを踏めることもあって、この編成は一時期大流行した。

この後、Rボティスやバロールなどのコロッセオメギドが追加されたが、ブリフォーほどの採用率は見られなかった。
バロールに関してはガチャ産と言う部分もあるが、やはりこれは素早さバフが余りにも強力すぎたからだろう。

だがしかし、それだけで話が終わらないのがPvPが魔境たる所以である。ハイオロ対策として回復、無敵、蘇生を視野に入れた編成が出てくるようになった。

また、ハイオロブリフォーは奥義発動がどうしても遅くなる。これにより、初手で高火力を出せるメギド……ウァサゴ、Cゼパル、アームストロング装備ナベリウス、Rダンタリオン、万雷シトリー……等々で、1巡目の内にブリフォーを倒せる手段を確保していくようになる。

すると奇妙な事に、ブリフォーと言う速攻手段を確保しながらも、環境全体が低速化し始めたのだ。

2.かつての女王、Rジズと変わらぬ王者、タナトス

ではブリフォーの実装でPvPを支配していた二大巨頭……Rジズとタナトスはどうなったのか……というと、こちらは明暗がはっきりと分かれた。

Rジズ編成はほぼ完全に消えた。個人的にこちらはハイオロブリフォー相手に目があるとは思うのだが、ブリフォーパイモンラッシュに変えられると非常に辛い。

しかしこれでもRジズはまだ幸運な方なのだ。何故なら奥義による暴奏バフはコロッセオ状態でも維持され、攻撃が全て全体化されるという恩恵は残るのだから。

他協奏メギドは一気に活躍の場を失うことになった。RクロケルやRバルバトスのような協奏メギドをPvPで見かける事は皆無となり、強力な協奏メギドを失ったRジズ編成は一気に立ちいかなくなった。

一方、もう一人の絶対的な王者であるタナトスなのだが、彼は全く影響を受けなかった。と言うより、今こそタナトスの絶頂期と言える。

彼はネクロを発動させるメギドでありながら、ソウルを消費する行動を全く持たない。故に、コロッセオ下でも全く性能が低下しなかったのだ。

先に述べたハイオロブリフォーはタナトスも編成するのが当たり前のような状態であったし、ネルガルR編成でもまず外せない。というかカウンターメインならまず候補に入る。

そして天敵であるRジズ協奏編成は消え去った。もはや彼の独走を止められるのはブリフォーくらいなのだが、タナトスは別に彼女と一緒に編成しても全く支障が無い。

では他のネクロメギドはどうなったのかというと……こちらも協奏メギドと同じように大きくあおりを受けたのは間違いないだろう。

特に、Cビフロンスの採用率低下は特筆に値すると思う。
彼女のダメージソースは主に奥義だ。だがネクロを消費しない限り列化しない。そしてネクロは容易にコロッセオで封じられる。結果として採用率が大きく下がった。

だがこれにより、Cビフロンスのデスギフトで強化解除しながら自爆するハイオロ編成が激減し、先に述べたような無敵、蘇生、回復で生き残る……と言った手段が取れるようになったのだ。

3.ラッシュ対カウンター、忘れ去られたバースト

さて、このような状況でPvPはある種の様相を呈してくる。ハイオロを代表するようなラッシュメインのコロッセオ編成と、各種方法でそれを妨害、または耐えきるカウンターメイン編成の争いだ。

そしてその熾烈な争いの中、バーストはどうなったのかというと……私見だが一段落ちる立場に追いやられたと思う。

もちろん、BプルソンやBアムドゥキアスに代表されるようなバーストの強化は適宜行われてきた。特にアムドゥキアスがPvPを荒らす……と言われていたのも記憶に新しい。

だが実際の所、BアムドゥキアスRで組む場合はカウンタートルーパー……ここでもまたタナトスが来るのだが……に頼らざるを得ず、また自動蘇生が無い分、彼女はCオロバスほどの耐久性を持たない。

Bプルソンも苦しい立場である。実装当初は勇輝の加護を維持しつつ、全体化なり、無敵なりを貼って勝つ……と言った編成を時たま見る事があったが、気付いたら消えていた。

他にもBサブナック、Bネフェリムなど適宜強化は行われているが、最終的にはそれが昔ながらのアスモデウスR、アガリアレプトR編成……バニーフォラスetcで覚醒を貯めて、バールゼフォンが全体混乱を撒いたり、オリアスが確定凍結撃ったりする編成……を上回る何かを見出せず、環境の波に飲まれていった。

現状採用率の高いバーストは、フォラス、インプ、おかーさん、ミノソンと言ったところか。
だが残念なことにバーストがメインの編成と言うよりかは、ラッシュなりカウンターなりを十全に動かすための補助メギド……と言う扱いの方が多い。

4.チェルノボグの登場

さて、今までの状況を簡単に纏めてみよう。

1.コロッセオの登場でRジズは消えたが、タナトスは残った。
2.ハイオロブリフォーの流行、その対策としての環境全体の低速化。
3.バーストの不遇。

そんな中でチェルノボグの実装である。ME的にはバーストの救済にはならないことは分かり切っていた。

最初に述べたように、チェルノボグソリティアが早く、凶悪な編成としてPvPを破壊する……という事にもならなかった。

この編成はCビフロンスの覚醒スキルでBフォルネウスがゲージを確保する。ならばどちらかを封じてしまえば一瞬で瓦解してしまう。

そしてこの編成は素早さ調整と状態異常耐性を両立するのが非常に難しい。素のBフォルネウスがCビフロンスより素早いため、フォルネウスにめまい耐性を持たせるのなら、ビフロンスは素早さを上げざるを得ない。結果として感電耐性が無くなる。

逆に、フォルネウスがイルベガンで素早さを下げればビフロンスに槍ブニを装備する余裕が生まれる……が、今度はフォルネウスにめまい耐性が無くなる。

分かりやすくめまい、感電を例に挙げさせてもらったが、それ以外の手段も大量にある。ハイオロブリフォー対策で1体は確実に落とせる手段を皆確保してあるのも、チェルノボグソリティアには逆風となった。

という訳で大体3日ほどでチェルノボグソリティアは姿を見せなくなった。(本当に3日くらいだったと思う)
だがチェルノボグをリーダーとした編成は残った。現在主流となっているのはタナトス、ハーゲンティ、バニーフォラス入りの編成だ。

こちらではハーゲンティで全体暗闇、フォトン破壊を用いて安全を確保しつつ、1ターン目タナトス奥義を狙う。
タナトス奥義によるデスギフトは凶悪で、これを撃たれたら負けを覚悟していい……のだが、現状課題が残っている。

結局のところ、スキルを一番使わせたいメギドはタナトスであり、仮にスキル追加デスギフトを撒いたとしても、タナトスを真っ先に落とされると決め手に欠ける。

今のところはチェルノボグ、タナトス、ハーゲンティ、バニーフォラスの編成はよく見かけるが、やはり皆あと1枠で苦労しているように見受けられる。

5.かつての女王の復権

さて、今のメギドPvPでは常に付きまとう課題がある。高速編成の瓦解とそれに伴う低速化だ。

かつて高速編成としてパイモンラッシュや村長ラッシュは猛威を振るった。だがこの2つは主にネルガルによって次第に追いやられたのをきっかけに、多くの高速編成はネルガル、Cゼパル、アクィエルグシオン、フルーレティ、インプなどの壁に阻まれた。

現在の高速編成はその壁を超える事ができず、ある程度低速化しても活躍が見込まれるメギドは引き続き採用され、そうでなければ姿を消す……という流れが主流なのだ。

だがその壁を突破できたメギドはいる。Rジズだ。

細かい所は以前述べたので割愛するのだが、Rジズは妨害が通りにくく、そして1ターン目1巡目から圧倒的なアドバンテージが確保される。彼女の前では勝つのに2ターン以上かかる編成は遅すぎた。
そしてどんなに強固な防御手段を用意しても、暴奏はそれを無意味にする。

だがRジズはブリフォーの登場と共に環境から姿を消した。ブリフォーパイモンラッシュも、チェルノボグソリティアもRジズ編成のような強固な耐性を持たず、容易に止める事が出来た。

自然とPvPは1ターン目に勝負を決めるのではなく、2,3ターン、ネクロを使うのなら4ターン以上かけて勝つのが主流となっていく。遅くても問題は無い。何しろRジズを見る事はほとんど無くなったのだから。

今更ながら思うのが、Rジズは環境全体の速度を底上げしていたのだ。それが良きにしろ悪きにしろ。

この頃アルマロスも追加されたが、こちらもコントロールよりのメギドなので、環境の低速化は緩やかに進んでいった。

それに伴い、BフォルネウスRの編成なども増えてくる。こちらはゲージ溜めが大変なので、ブリフォー実装直後はほとんど見なかった編成だ。

そう、環境全体が遅くなったのだ。
この低速化した環境にRジズは帰ってきた。

ブリフォーを止めるためにフルーレティやアリトンを採用し、ダメージソースをアームストロング装備ナベリウスと置き換えた、協奏に依存しない形で。

これが環境に刺さった。これでもRジズ編成としては低速化しているのだが、それでも止める事は困難だった。

6.まとめ

かくしてそのような過程を経て、今のところのメギドPvPは1強環境と言うより非常に危ない混沌としたバランスで成り立っている。

協奏に依存しないRジズ編成が今の環境でも十二分にやっていける事は分かったが、こちらはメタ的な都合もあって、資産に依存する部分が非常に大きい。今のところそこまで見ない。

故にギリギリのところで環境は安定している。

もし今後こちらが数を増やすのなら、今度はブリフォーパイモンラッシュが暴れる。

そしてブリフォーパイモンラッシュが暴れるなら、それを初手で妨害できる編成が流行るだろうし、その結果すぐに廃れ、またハイオロブリフォーが流行するようになり、それに立ち向かえる低速編成が流行り、またRジズが戻ってくる。

そしてどんなにメタが移り変わろうともタナトスだけは絶対に一定数見る。

高速編成と低速化のせめぎ合いはPvP環境が常に抱えている課題ではあるし、おそらく今後も繰り返されていくのだろう。

今回チェルノボグ追加によるその環境の変化をこうして記事にまとめたのは、個人的にそれが面白いと思ったのと、おそらく今後再びランキング戦が設けられたときに、PvP慣れしていないソロモン王の何かしらのヒントになるかもしれないと思ったからだ。(おそらく次があるとしたら年末だと思う)

まあ今フリパをやっている人たち(私を含む)は、報酬もないのに潰し合う人間なので、小耳に挟む程度で構わない。運営から細かなデータが常に提示されているわけでもないので、どうしても私の感覚的な部分でしか話せないし。

それでは、ここまでこの雑多な雑文を読んでくださったソロモン王に感謝しつつ、この記事を終わりとしたい。

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