卒業式の撮影
今年卒業の子どもたちは新型コロナウィルスの影響で多くの学校行事ができなかった世代。
今日卒業式の撮影をした学校も修学旅行が中止になってしまったらしい。
学校に行けない時期があり、楽しみにしていた学校行事もできなかった、それ故に学校の大切さを感じられた子どもたちかもしれない。
卒業式は昨年に続きマスク姿での撮影。
マスクをすると息苦しいし、ファインダーが曇ってしまって撮影しにくい。
昨年はフェイスガードを使った時期もあったが、今年はマスクしていないと撮影できない!それほどまでコロナの感染が長引いてしまった。
コロナ渦で殆どの撮影がキャンセルになってしまっていて、カメラを使う機会が少なくなってしまっていた。
先日、京都でライブの撮影をしたので、ちょっと感覚は戻っていたが、ストロボの光具合など、いつも撮影していないと戻らない感覚がある。
毎年、この時期は緊張するが、今年はいつもの年より緊張した。
僕は自分が撮影に行く学校を選べない、契約しているスタジオが今年はこの学校に行ってください!とオーダーしてくれる。
一生に一回の卒業式。
若い頃はベテランになったら緊張感は減ると思っていた。
カメラマンとしての経験年数でいったら、僕はもうベテランの域に達している筈なのだが、近年、若い頃より緊張する。
経験を経て、写真というものの重さを実感してきたのかもしれない。
僕ではなくて他のカメラマンだったら、、
卒業式という定番の撮影でも、全く違う写真が出来上がってくると思う。
僕は学校を選べない、今日卒業式を迎える子どもたちもカメラマンを選べない。
子どもたちの一生の思い出が僕の写真で決まってしまう。
だから緊張する。
今日撮影した卒業生たちは僕が一度も会ったことがない子どもたち。
結構ノリがいい子どもたちで、朝、登校してきた時から写真とって〜!とカメラの前に来て、いい笑顔を見せてくれていた。
カメラマンとしてはとってもやりやすい。
コロナの影響で様々な想いがあった子どもたち、卒業式では殆どの子が涙くんでいた。僕ももらい泣き。
卒業式が終わり、限定された少ない保護者たちに送られ、最後に友達や先生方と記念写真の時間。
スマホで自撮りしている姿を僕が撮影したりしていた。
5人組の子どもがスマホ片手にやってきて、「カメラマンさ〜ん、一枚いいですか〜」と。
スマホを受け取ろうとすると、「違う、違う、一緒に写って〜」と。
断る理由もないので、一緒に笑顔で写った。
いつの日か、この一枚が彼らのいい思い出になってくれたら嬉しい。
え〜!こんな人だったの〜!という意味も含めて。
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