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情報デザインの研究

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#情報デザイン

情報を整理する方法は5パターンしかない

アメリカ人の建築家・グラフィックデザイナーのリチャード・ソール・ワーマン氏によると、情報を整理する方法は以下の5パターンだけだそうです。 1. 場所これは位置情報や所在地での分類で、代表的なものには地図がありますね。 2. アルファベット(50音も含む)アルファベット順に並べる方法。辞書や電話帳などがこれに当たります。 3.時間時系列で分類する方法。歴史年表やスケジュール表など。 4.カテゴリーこれは情報の共通の特徴を元に分類する方法。 生物を動物と植物、脊椎動物と

情報デザインの観点から考える、動画の可能性

何かしらの情報を表現し伝えるにはいくつか方法があります。 文章、写真、画像、動画などなど。 中でも動画は、記憶に残りやすい、拡散されやすい、エンゲージメント率が高い、などと言われていますが、実際のところはどの程度効果があるのでしょうか。 画像優位性効果動画について触れる前に、写真や画像の効果について述べておこうと思います。 人間の脳は、文字よりも写真や画像といった「イメージ」のほうが圧倒的に情報処理が速く、記憶にも残りやすいと言われています。 これは画像優位性効果(

道路標識はなぜあの形や色なのか

道路標識、交通標識は特徴的な形や色をしているものが多いが、そのデザインにはどんな意味があるのか。 Googleで画像検索してみると、形は丸やひし形、逆三角形が多く、色は赤・黄色・青が多いことがわかります。 標識は都市の景観と同化しないようにデザインされている丸やひし形、逆三角形が多いのは、一般的な都市や自然の景観にそれらの形があまりないためでしょう。 そのため、標識が背景と同化せず、目立たせることができます。 特に、「侵入禁止」や「通行止め」などの強いメッセージを発信

「文字を左から右へ書く」西洋の習慣が記号の認識に与える影響

僕たちが何かしらの記号を見たとき、事前に説明がなくても無意識に理解できる、正しく認識できるのは、前提となる共通認識があるからです。 特に、図や記号で時間軸を表す場合、「左から右へ」という共通認識があり、これは「文字を左から右へ書く」という西洋の習慣が大きく影響しています。 このように、一直線上に時間軸を表す場合、左から順に並べていくのが自然ですよね。 この共通認識は、もっと簡略化した図や記号にも応用されています。 出発と到着T字を90度回転させたマークで、出発と到着を

なぜ今、図解が流行っているのか

最近流行っている図解の魅力を図解してみました。 図解の良い点は主に3つあります。 ①ソーシャルメディア上でそのまま閲覧できる ブログ記事をシェアする場合、タイムラインに流れてきたリンクを踏んで別のサイトに遷移しないとそのコンテンツを見ることができません。 しかし、コンテンツを図解し画像として制作しておけば、その画像はタイムライン上ですぐに閲覧することができます。 昨今の情報過多時代には、このワンタップの差は大きい。 また、多くても数枚の画像に情報がまとまっていると

わかりやすいとは何か その②「ピクトグラム」

わかりやすいとは何か、どういう状態を指すのか。 わかりやすいと感じる現象・状態をひとつずつ確認していくシリーズ。 第2弾は「ピクトグラム」。 上部はタガログ語で男・女と表記したもの。 下部はそれをピクトグラムで表現したもの。 このパターンは単純に、言語的に意味の分からないものをビジュアル化することで意味がわかるようになるということです。

わかりやすいとは何か その①「地図」

わかりやすいとは何なのか、どういう状態を指すのか。 わかりやすいと感じる現象・状態をひとつひとつ把握していきたいと思います。 一つ目はこちら。 上部が文章で道順を説明したもの、下部がそれを地図で表したもの。 改めて地図の偉大さと必要性を再認識できます。 一般的に、絵や写真などの映像は右脳で情報処理するため、文章よりも圧倒的に速く伝わり、より長期間記憶に残ると言われています。 情報デザインの価値が最も反映されている事例の一つかと思います。