閉所恐怖症の私が窓のない部屋で連日、取り調べられて…大川原加工機「女性社員」が証言する“警察庁公安部の恐ろしい手口”(全文) | デイリー新潮

 以下にいくつか引用掲載をしたいと思います。

2020年3月、大川原化工機(神奈川県横浜市)の大川原正明社長ら幹部3人が「武器に転用できる噴霧乾燥機を中国に不正輸出した」との外為法(外国為替及び外国貿易法)違反の容疑で警視庁公安部に逮捕された。のちに起訴が取り消しとなるまで、逮捕された3人だけでなく同社の社員に対しても苛烈な取り調べが行なわれた。それが原因でうつ病を発症した女性社員Aさんの体験を聞いた。【粟野仁雄/ジャーナリスト】

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その後も聴取は続く。

 Aさんは早く家に帰るため、昼飯休憩ははいらないとして午前11時頃から聴取を始めてもらったりしたが、帰る頃には真っ暗になることもよくあった。

 田村警部補は「上司に『お前が優しいからAは何も話さないんだ』と言われちゃったよ」などと調子良く言ったかと思うと、苛立って声を荒げることもあった。

「私は少し閉所恐怖症なんです。窓のない部屋で連日、数時間、時には8時間も閉じ込められ、早く帰りたいと言っても聞き入れてもらえず、頭が変になりそうでした。その場から一刻も早く逃げ出したいとしか思えなくなる。冤罪ってこんな感じでできるんだと痛感しましたね」

 疲労困憊したAさんは、次第に追い詰められていく。

「自殺未遂までしたわけではないですけど、駅のホームでふと、毎日こんなんなら死んでしまったら楽なのにと思ったこともありますね。原宿署に行くのに(東京メトロ)千代田線に乗り換えていた表参道駅にはトラウマがあり、今も1人では行けません。気分が悪くなります」

 遂にはうつ病を発症した。

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体調を崩したにもかかわらず、警視庁はなおもAさんを聴取したがる。仕方なく会社の顧問弁護士の高田剛氏(和田倉門法律事務所)に相談し、「田村浩太郎 以外で、原宿署ではなく近くて窓があるところ」と条件を付けた。担当刑事は代わり、町田署と玉川署の窓のある会議室になった。

「その時には調書が出来上がっていました。出来上がった調書を読み上げられ、署名をするよう要求されました」

 東京地検にも呼ばれたが、担当した検事は田村警部補が作った調書を見て、「これは無理やり取られた調書かな?」とはっきり言ったという。

「取り調べを録音・録画するカメラが回っている状況でそういうことを言うわけですから、検察も彼の取り調べの強引さと出鱈目さはわかっていたのかと感じました」

 この検事は、植田彩花という検察官で起訴をした塚部貴子検事の部下だった。

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高田弁護士は語る。

「当初、公安部は、Aさんも逮捕するつもりだったのです。しかし、田村警部補が追い込みすぎて彼女がうつ病を発症してしまい、こちらはちゃんとした診断書も出した。このため警視庁は、公判段階で取り調べでの任意性が問われてまずいことになると判断して、彼女の逮捕だけは見送った経緯があるのです」

 また「田村警部補は経産省に出向していました。警視庁と経産省はまさにツーカーの関係だったのです。経産省が自分たちには責任がないとばかり逃げていますが、経産省の責任は重いのです」と指摘する。

 社長ら3人の冤罪が認められた後も残ったもやもやした気持ちを晴らしてくれたのが、捜査の不備を証言した2人の勇気ある警官だった。Aさんは筆者に「マスコミの力であの2人を守ってくださいね」と熱心に訴えた。

 Aさんが自殺未遂を図ったという報道があったため、怯えた様子で短時間だけの応対になるかと予測していた。

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 ちらほらと情報は読んできた事件ですが、この記事に出てくるAさんの話を読んで、かなり印象が変わりました。

 「顧問弁護士の高田剛氏(和田倉門法律事務所)に相談」というのも初めて知りましたが、どの時点で就任したのか不明ですが、もともと顧問弁護士だったとは意外でした。

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