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【法廷で】「同じ思いの人を作らないで」 自死の女性が残した手紙 被告の男の受け止めは…|熊本日日新聞社


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 最近、東京の大きな花火大会の話題で、ツイートだったと思いますが、花火は死者を弔う歴史がある、という話を見かけました。

打ち上げ花火のはじまりは、江戸時代まで遡り、享保18(1733)年に隅田川で行われた水神祭がその由来と伝えられています。 当時関西や江戸では、飢饉・疫病の流行により、多数の死者がでていました。その死者たちの慰霊や悪疫退散のために水神祭が催され、打ち上げ花火が上げられたのが最初です。

なぜ日本では夏に多く花火大会が行われるのですか? – 國學院大學 https://www.kokugakuin.ac.jp/article/11183

 「花火大会 死者 歴史」というGoogleの検索ですが、他は花火大会の事故ばかりで、特に多いのが明石花火大会歩道橋事故です。

 次が自死の女性という熊本日日新聞の記事です。フリーライター高橋ユキ氏のTwitterタイムラインのツイートで知りました。

「ちゃんと償ってください。同じ思いの人をあなたの手で作らないで。前に進んでいってほしい」。2010年12月、20代の女性がエレベーター内で面識のない男に金銭を奪われ、性的暴行を受けた。4カ月後、女性は男への手紙を残し、自らこの世を去った。
 男は熊本市中央区の派遣社員(33)。13年近い歳月を経た今、カラオケ店で15歳の女子生徒に抱きつき無理やりキスしたとして強制わいせつ罪に問われている。23日、熊本地裁(山口智子裁判官)で論告求刑公判があった。
 検察側は論告求刑で、10年の事件に言及した。当時の判決によると、女性は性的暴行を受けた後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になり、自ら命を絶った。裁判所は「事件が大きな要因になった」と因果関係を認めた。
 当時の熊日紙面に手紙の文面が載っている。
 「私の時間は止まったまま。何もできない。苦しい、きつい、つらい、孤独…。あなたのしたことは人の人生を変える悲惨で残酷なこと。私はそれと戦っている。あの時の自分に戻りたい」
 悲痛な心情をつづる一方で、女性は「前に進んで」と男への思いやりも見せた。当時の裁判長は判決で「恨みや批判はほとんどなく、更生してほしいという気持ちがあふれていた」と諭し、懲役12年を言い渡した。今回の強制わいせつ事件が起きたのは昨年8月。検察側によると、仮釈放の2カ月後だった。

【法廷で】「同じ思いの人を作らないで」 自死の女性が残した手紙 被告の男の受け止めは…|熊本日日新聞社
  • 【法廷で】「同じ思いの人を作らないで」 自死の女性が残した手紙 被告の男の受け止めは…|熊本日日新聞社 https://kumanichi.com/articles/1149937

女子生徒は「友達と遊ぶことや、男性といることが怖くなった」という。一方の弁護側は「被害者の証言は信用できない」「前科を不利に扱ってはいけない」と無罪を主張している。

 「同じ思いの人を作らないで」-。被害に苦しみながら更生を願った女性の思いを、男はどう受け止めたのだろうか。検察側は懲役3年6月を求刑し結審。判決は9月20日に言い渡される。(植木泰士)

 前の事件が懲役12年となっています。被害者が一人だけだったのか不明で、他の同種事件との併合になっていた可能性もありそうです。そういえば併合罪を最近見かけないですが、前はちょくちょくと問題にされていました。

 15歳の女子生徒、とありますが、場所はカラオケ店となっているので、路上で襲ったわけではなさそうです。キスだけで懲役8年6月の求刑というのも、量刑の相場からずいぶんと重そうですが、それだけ前の事件が重く評価されたようです。

「ちゃんと償ってください。同じ思いの人をあなたの手で作らないで。前に進んでいってほしい」。2010年12月、20代の女性がエレベーター内で面識のない男に金銭を奪われ、性的暴行を受けた。4カ月後、女性は男への手紙を残し、自らこの世を去った。

 今回、ざっと記事に目を通したとき気が付かずにいましたが、金銭を奪われ、とあります。前に読んだときは気がついていたと、思い出した箇所になります。

 被害者の数が異なりますが、あの事件に似ていると思ったのが、小川賢司裁判官が裁判長となった裁判員裁判で、性犯罪では初めての裁判員裁判ということで注目され、ネットの情報も細かく、量も多くなっていました。

全国で3例目となる裁判員裁判が2日午前、青森地裁で開廷した。性犯罪を対象とした初めての裁判員裁判。被害者の名前を匿名で呼び、法廷の大型モニターに映す情報を最小限にとどめるなど、被害者に配慮した法廷となった。
 午前10時に開廷。法壇に並んだ6人の裁判員は男性が5人、女性が1人という構成だった。小川賢司裁判長は冒頭、被告に対して「被害者の名前を口にするようなことは絶対にしないで下さい」と注意した。検察官が起訴状を読む間、裁判員らは配られた資料をボールペンで追った。

 2009年9月2日の記事ですが、これは初めて読んだのか「全国で3例目となる裁判員裁判」という部分が、とても珍しく意外に感じました。

性犯罪を初めて審理した裁判員裁判で強盗強姦罪などに問われた無職、田嶋靖広被告(23)の上告審で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は24日までに、上告を棄却する決定をした。懲役15年とした一、二審判決が確定する。
一、二審判決によると、田嶋被告は2006年7月と09年1月、青森県十和田市で女性2人に性的な暴行を加え、現金を奪うなどした。
〔共同〕

 有料会員で記事に続きがあるのかわかりづらくなっています。この事件は被告発人小川賢司裁判官のこともあり、徹底して調べ資料を読みまくっていましたが、この記事で3つの事件が2006年7月と2009年1月でずいぶんと間があることに気が付きました。

 併合罪は確定判決を区切りとするので、2006年7月の事件も2009年1月の事件後の起訴になりそうです。

 懲役14年だと思っていたのですが、懲役15年の判決で一、二審判決が確定するとあります。控訴審でも減刑はなかったという記憶ですが、控訴審になって被害者が示談に応じるなどと変化を見せたというのも珍しい刑事裁判として記憶にあります。

 更生を期待するなどと説諭しながら検察の求刑通りの判決を出したのも被告発人小川賢司裁判官でした。

 この被告人は子供の頃、千葉県から引っ越してきたような話で、細かいことは記憶にないですが、事件当時は祖母と二人暮らしをしていたようです。いくら調べても祖母の年齢がわからなかったのですが、祖母が生きているうちに塀の外で祖母と会えるのか、気になる一面もありました。

 また、資料を読みながら一審の弁護活動にも異常なものを感じていました。

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