【備忘録】子宮頸部異形成(上皮内腫瘍)
「しきゅうけいぶいけいせい」と読みます。
泣きながらSNS動画を投稿されていたタレントの方がいらっしゃったので、日本でも認知度が向上したのではないでしょうか?
50代の私はもっぱら更年期症状の対応で、最近まで気づかなかったのですが、子宮頸がん予防のワクチンの接種が公費で受けられる期限(2025年3月)が迫っているというコマーシャルを頻繁に見かけます。
私が子宮頸部異形成上皮に罹ったのは、今から約25年前のことです。当時の私はLos Angelesの大学院で学生でした。
なにしろ25年前ってね、今みたいにインターネットでなんでも検索できる時代ではないので、専門家に聞きに行くか、図書館で書物を調べるしかありませんでした。子宮頸部異形成上皮の詳しい情報はご自身で調べていただくとして、ここでは自分の経験と感情を記録として残します。この話を詳細に話したことは今までありませんでした。
アメリカに渡って数年経ち、私は痩せ始めていました。その約10年前、ひと月の短期留学を経験したときは簡単に5-6キロ増えて戻ってきたので、アメリカといえば「太る」印象があったのですが。
痩せ始めて、構内のクリニックへ。内科系の検査を一通り終え、婦人科へ。実は25歳まで婦人科にかかったことはなく、初めての検査でした。先生方もビックリ!アメリカでは生理を迎えた女子は、毎年一度は検査をする習慣がすでにあったようです。
さて、確か2週間後に結果を聞きにクリニックへ向かいました。
説明を受けるのだけど、英語での日常会話、専攻学部の専門用語は問題ないのですが、専門外の英語はさっぱりです。ましてや大きな病気なんてしたことのない私は日本語の医療用語ですら理解不能。
神妙な表情をした先生が「Tumor(腫瘍)」といったようですが、その意味がわからない。私が理解していないと認識した先生は、説明を言い換えました。その説明で唯一理解できた単語、それは
「Cancer(癌)」でした。
頭が真っ白になって、「死」が頭をよぎりました。
現在のような医療がまだ発展していなかった当時の癌は、死に繋がる病でした。
癌宣告だと思っていたから、
涙がポロポロ。
看護師さんが、落ち着きを失った私に、連絡できる人がいるか聞いてくれ、私の携帯から当時のボーイフレンド(元夫)へ電話をかけてくれたと記憶しています。
その後はうろ覚えですが、彼が迎えにきて、一緒に説明を聞いたと思います。多分、ちゃんと理解できたのは家に戻ってからのこと。
子宮頸部異形成上皮は、英語ではCervical Intraepithelial Neoplasia
腫瘍といえ、まだ若かったこともあり、腫瘍の種類によっては癌に進行する可能性は否めず、進行ペースも早く、早急に手術が必要と。すぐに手配ができるクリニックを予約してくれました。
初めての婦人科検査の結果を伝えられた部屋のクリームレモン色の壁は今でもハッキリ記憶しています。
さて、手術の日。日帰りです。
腫瘍は凍らせて切除する冷凍手術です。細胞を凍らせるために頸部に非常に冷えた金属製の先端の接触によって実施されます。子宮頸部が冷たかったのは憶えています。
2週間後。
切除した細胞は陽性でした。
子宮頚がんの検査結果には分類があります。今はベセスダ分類というものを使用しているとのことです’が、私の時はⅠ~Ⅴの5段階。確か、IVかVだったと記憶しています。がんになる手前の病変で、がん(悪性新生物)には含まれないそうです。
術後、一年目は3ヶ月に一回、2年目は半年に一回の定期検査。順調に進んでいるように見えた最後の検査で、再度、腫瘍が見つかりました。再発なのか、前回の時に切除できなかったのかは不明ですが、また同じ手術・定期検診の繰り返しです。
ちょうど前述のボーイフレンドと結婚もして、日本での結婚式の1週間前の出来事でした。二度目だったこともあり、やはり早期手術を勧められます。状況を理解いただき、帰国予定日の翌日にアポ。
担当医にもよると思いますが、この腫瘍が定期的に発症すると、妊娠は容易ではないことも伝えられます。現在の医療ではこの限りではないと思いますが。
こんな状況を知らない結婚式の参列者は、お祝いムードのなか、結婚の次は子供だと話を進めます。これは流石に辛かった。
両親にも話せず、術後の早い段階で話したと思います。ちなみに一度目の時は、長いこと両親には話せませんでした。
その後も毎年の婦人科検診は結果が出るまでの2週間がとっても憂鬱でした。
今は医療技術も進み、情報もワクチンもあり、日本では予防接種を公費で受けられるようになりました。
ちなみに痩せ始めた原因はわからなかったのですが、子宮頸がんとストレスも、決して無関係とはいえません。
フェムケアが注目され始め、女性が自分たちの身体の症状を声に出すことができるようになり始めた現在ですが、自覚症状のほとんどない子宮頸部異型上皮はまだまだ認知向上の余地があるのではないでしょうか。
普段からストレスを溜めず、自分の幸せのための定期検診は忘れずに。
本日もお読みいただきありがとうございました。
Have a Scentful Day!
SNSでも発信しています。
フォロー嬉しいです ❤️
プロデュースしている1000年前に誕生した香りです。
ぜひお試しください ✨